アソコ伝 13章
花形新次

タマンキは売春宿を焼け出された弟子たちと
カナリヴァのほど近くにある
ヌレヌーレ山に登り明朝の日の出に
彼らの最後の迷いをペミンテしようとお考えになられた
ヌレヌーレ山は草木一本生えぬはげ山だったが
タマンキが通り抜けられると
そこには有りとあらゆる食虫植物が生えてきて
弟子たちを驚かせた
山頂の小さな小屋に到着すると
無数のハーギオイ(盗賊)たちが屯していた
ハーギオイの一人がタマンキに向かって
あなたが救世主ならば我々を救うと思って
有り金残らずおいて行かれたまえと言うと
タマンキは
「私は金など持っていない
持っているのはあなたの方だ
だから一旦その金を私に預けて
それからあなたに渡せばあなたは救われるだろう 」
と言われた
ハーギオイはその言葉を聞くと皆泣き出し
懐中にあった金を残らずタマンキに差し出した
タマンキはその金を弟子のヤミーキンに渡されると
小屋の中に入って眠りにつかれた
金はハーギオイの手には二度と戻らなかったが
左手の生命線が2ミリ伸びた
これによって予言者加藤一郎の予言は達成された


自由詩 アソコ伝 13章 Copyright 花形新次 2012-10-24 20:57:05
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