北海道の大地で
暑さにじっとりと
汗をかきながら
見上げた
夕空にひつじ雲
数え切れないくらいに
血まみれの羊たち
この群れの中にも
羊飼いは
居るのだろうか
野に住む ....
言葉を抜き取ったら
私は
空っぽに
なってしまうのだろうか
愛情を表す表情は?
哀情を表す表情は?
こんなこと誰にも訊けないよ
胸の中に
タイムカプセルを埋めたの
お菓子の空 ....
mam...
わたしが欲しがらない子でいたために、まち、星が、羅列したお話。
手
ビニール袋
トタン
足音
うずもれた緑だった。
暑い一日の。
汗の粒がなみだみたいに、腕に垂れた。
2010. ....
あなたが
後ろからそっと私を抱きしめる
せせらぎが流れるように
肌を滑る冷たい腕
蒼白い月明かり
私はまるで
羽衣を纏った 一晩の天女
シーツの波間を漂う蓮
水草の絡まる細 ....
何も考えないで
海底に落ちてゆく
癒される。
体が楽になる。
無為自然がいい
体に力が入っていると
対応が遅くなる。
無心がいい。
何かをしようとすると
失敗する。
運命を ....
社内では社長がついに禁煙するというもっぱらの噂
シンジラレナーイ!(全員で)
でも何事も
まず理由が大事じゃないか
自分の健康
最近うまれた可愛い未来のためだろう
あるいは地球に住まう ....
君が綺麗に寝るもんだから
僕の降りる街は過ぎていく
こんなに綺麗な顔なんだから
幸せそうによだれを垂らすなよ
AKB48の小野恵令奈ことえれぴょんが
今夏限りでAKBを卒業する
そんな夏なんだ
買ったときは三十センチほどだったマングローブの木が
もう一メートル近くに育った
葉を触ると
つるつる ....
妻ともおまえとも別れられないオレだった
寝てないから仕事はキレを増した
足首からしただけがふわふわしていた
おまえのことばかり考えていた
女は幸せとは好きなひとといっしょになることだと言った
....
ここ丸の内
日本の中枢企業のある街
久しぶりに訪れた
皇居の緑は深く
街は整備され
喧騒渦巻く 企業街とは
思えないたたずまい
かつて あたしも
OLとして営業マンの補佐を ....
いつだって {ルビ別離=わかれ}た後に 視る夢は
遠すぎる過去 触れぬ思い出
思い出の 箱に封じた ただひとつ
「言えばよかった 声の限りに」
前田屋というそば屋で
四人でそばを食べた
あれが最後だったと思う
ほんとうは
生まれたばかりの息子と
奥さんのそばに
いなければならなかったのに
遠いところから
会 ....
奥さまの名前は
ナオミ
そして
だんな様の名前は鬼六
ごく普通の鬼六は
ごく普通のナオミに
ごく普通に亀甲縛りをし
ごく普通に三角木馬に跨らせ
ごく普通に乳首にロウをたらし
....
小さな手のひらで
ふたつ
シワシワのウズラの卵
サワサワして
少年は今までにない
感覚を知ることになる
パパがママにしてもらってたのを
偶然見てしまってから
ついつい
自分でや ....
萩原朔太郎著
ウォーソン夫人の黒猫
再読
これはポー系統の猫だから
けど
朔太郎本来の猫だって
案外
おわああ
ここの家の主人も
病気です
お ....
転校をした
おかんが皆に渡せってシャーペンをくれて
終わりの会で配った
袋をあけたら裸の男の子の絵と
ちんちんぶらぶらソーセージって書いてあって
めちゃめちゃ恥ずかしくて
ばいばいも言わん ....
からっぽな心身にはなんでも入る
八杯目の焼酎も
ヒーリングミュージックも
ノイズも
精液も
入ったはしから空になる
ただ身体を通り過ぎてゆく
栄養にならない黒いかけら
歯も
....
希望があるから絶望があるんである
絶望したくなかったら
希望なんぞ持たぬがよろし
数独を解くのに飽きたわたくしは
今日七杯目の焼酎をつぎながら
わたくしの幸運なる結婚生活について
(た ....
今目の前にあるのは
中身がからっぽな
ガラス製の
僕の肉体をコピーした像
足元には
僕の外見や内臓などを
小さく砕いたパズルのピース
今から僕は
改めて僕を完成させてみる
....
きみのせいで夏が終わらない
扇風機がかきまわす生温い空気のなかで
今日六杯目の焼酎を呑む
ツクツクホウシが鳴き出して
もうとっくに朝だということは自覚している
ついこのあいだまで
わた ....
満ち引きの窓越しの海眺めつつそろそろだなと想うこの頃
カブトムシが止まる網戸を見ている
離陸した飛行機は
無事 着陸しなければ
大事故になってしまう
あたしという飛行機は
もう 離陸して
大空の上
目指す 大陸へ
今は 太平洋上
乱気流
乱気流
機体は ....
100831
クリスタルの庭園に
カットグラスの彫像を納める
納入予定日は1ヶ月後
手慣れた職人さんは熱中症で入院中
そのお弟子は ....
室外機、の
吐き出す蒸気
粘っこい舌で
べろりとやられる
そんなウンザリに
似てる
八月の終わりのこと
ブッとんだヴァイブが欲しくて
歓迎されない扉をくぐる ....
素直に君を連れ去った
何時までも握る手に
永遠強くなる絆を覚えた
折れる 程
握ると白い指先の爪
痛いと言われて
ハッと息を 呑む
肩で息を
しばらくは止まない連鎖の銅板
動 ....
安らぎの意味も忘れるほど
孤独を噛み締める夜
走り去っていく
あなたの夢が
繰り返し浮かんでは
消えていく
幸せな夢を見られないなら
眠る意味って
ないのかな
朝日が街の ....
花はどこへ行った
なんて問い続けるよりも大切なものが私たちにはあった
それが今の生活であることは否定できないし
ひとの望むものなんて目に見えるものに他ならないのだから
ありふれた結婚生 ....
うつむいた肉体労務者流す汗アスファルトで陽炎となる
まわり疲れました
いい加減にして下さい
もうこれで最後です
後ろの正面が
誰かなんて
分かるわけないじゃないですか
だって
あなたを中心にして
150人がまわってるんですよ
....
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