自分をいい人間だと思ったことはない
薄っぺらいし 騙し騙し 取り繕ってきた
でも たまには僕の鼓動に合わせてくれないか
と甘えている間に
犬が餌を強請る。
....
街
遮断機が下がり血のような警鐘に淡い想いは砕け散る。通過する車窓とつながる間もなく街はもとに戻る。
冬の浜辺に置き去りにされた一つの椅子
冬の浜辺に置き去りにさ ....
本日のお品書き~イカ~
世界の中心で叫ぶ「イカが好き」
イカが好きすぎて困る。特に寿司屋に行くと困る。イカしか注文したくないから困る。最初は「イカ二貫、ヘイ!」「ゲソ二貫、ヘイ! ....
登山は
いつでもどこでも一歩、一歩だ
あんなに高い頂上まで登れるだろうか
と思っても一歩、一歩歩いていけば
頂上に着くから不思議だ
登山はどんなに苦しくても
自分の足で一歩、一歩だ
スー ....
インターネットを
眺めながら飲む
ホットコーヒー
うわべだけで感じる苦味と渋み
うわさだけで感じる臭いと温度
うまいまずいではない
人生の眠気を
吹き飛ばしたいだけ
ふと気づいたんだけど。
「小」て言葉は妙な働きをするよね。
ずるい、というより、小ずるい、ほうがずるい感じがするし、
馬鹿にする、というより、小馬鹿にする、ほうが馬鹿にした感じが強くする。
....
最初から降っているのでいつか止むときまで誰も知らない雨だ。
あたたかい涙も時には流れるということぐらいしか知らないよ。
きみといた星が何色だったかを 昼の日差しに思い出 ....
西陽が射し込むイートインで
コーヒーを飲んでいるわたくしに
黄金に染まる街並みが
光溢れさせ迫って来る
その瞬間瞬間の美しさ
この星の大きな優しさに
包まれ私は法悦となる
地球の青と ....
いま 生きてるって事が
素晴らしくて
いま 息をしているって事が
奇跡で
こうして読んでもらっているって事が
何かしらの縁で
なんか導かれてるんだよね
神をも超える何 ....
一喜一憂してたって
始まらんぞい
そんな一つ一つに
かまけてられるかってーの
そんな気にしてたら
身が持たん
もちょっと
肩の力抜いてこ
なにも
とって食われ ....
二元論で交わしてる
冷たい僕らの関係に
尻尾縞々の猫が水をさす
なんだかあんたらは
拒絶し合うように言葉を選んでる
ニャー
猫の言葉はわからない
雲って知ってる?
空にあって
....
流星を探したければ星は見るな
手が海苔でベタベタしている
こゝで喋れば全てが無になる
意味ない言葉でページが埋まる
明日へと繋がる階段を下る
離島に夏がくる
隣の猫は人間になりかかってきた
この忌まわしい季節には
神経節細胞の痛みだけが秩序ある情報なのだ
ぼくの離島は温存されて
真夜中に大陸とひそかに交信する
部屋のAI ....
たまに俺はあの人の事を思う
あの人は俺より随分上で
昔ここに書いていた詩人だ
俺はあの人から随分多くの物を貰ったが
....
青空に輝く銀の飛行機雲
どこまで
どこまで行くのだろう
私の哀しみを載せて
どこまでも
どこまでも
ほのぼのとのほほんとした本を読む
蝶のように喋り 蜂のように出逢う
夕焼けの下で朝陽を待っている
他人事みたいに春の傘を差す
ねじられ、路肩の排水溝のそばに横たわった煙草の空箱が、人類はもう賢くなることはないのだと告げている、六月の夜は湿気のヴェールをまとって、レオス・カラックスの映画みたいな色をしている、そしてこの街に ....
本日のお品書き~アイスクリーム~
列車旅窓を売り歩く声「アイスクリン」
遥か昔の子どもの頃、夏休みで故郷への列車旅で出会った「アイスクリーム」は衝撃だった。濃厚だった。町で買 ....
小雪と雪穂
今、リカちゃんの
着せかえ人形にハマってて
何だか
着替えをさせたりするのが
面白いみたいなんだよねぇ
爺婆にオネダリすれば
買って貰えるとでも
孫に教育したいのだろう ....
何にでも書ける
マジックインキで
何物でもない自分でも
自分だけのものがあると
主張することができる
何にでも成れる
マジックインチキで
何物でもない自分でも
自分だけはものになる ....
小雪は自転車の補助輪を取って
乗れるように練習してるのに
雪穂が自分の三輪車じゃなくて
おねぇちゃんの自転車に乗りたいって言って
小雪よりも先に補助輪無しで
自転車に乗れるようになったさ。
....
娘が言う
「来年小雪は、小学校入学なんだけど
ランドセルって高いんだよねぇ。」
そんな言い方で
爺婆に自分の娘のランドセルを
買わそうって魂胆に呆れながら
隣町のリサイクルショップで
....
月の叢雲を眺める
都会の雑踏から逃げたくなる2月
除草剤の土地は極めて不自然
さらば故郷の山よ河よ
知恵の堂々巡りからはずれる
微睡みの中 よくわからない場所にいる
誰も覚えてない人の卒業式
モニュメントもにゅもにゅさわるモーメント
寒色の感触冷たいダジャレ言う
そっと
ずっと
きっと
やっと
うそじゃないよね?
ぜんぶ
嘘じゃないよね?
鳴き声は文字に出来なくても
私を迎えに来るから
長かった後悔がいつの間にか去って
傷付けたかもしれない ....
突然に宇宙の真理を悟るとか、よくあるらしいから気にするな
微笑んだり 驚いたり
目を伏せたり 口を閉じたり
騒がしく振り返り 足早に遠ざかる
ぼくに親しい 五月のカレンダー
先の曲がった水道の蛇口が
瓶を外れて 地面にはねる
飛び去る鳥の声が ....
捕らぬ狸の皮もたまには杖になる
情報の氾濫が恐ろしい
家が一番遠い事もある
音声と文字以外の言語が最も確実
暇つぶしは余計に退屈
点であることの宿命 消滅も遍在もすることができない
海で一人ぼっち
僕は言葉をなくしていた男
でも 風は何を語りかけてくるというのか
波の残していく 光と音の狭間で
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