つぎの約束をしよう
どんなに小さなことでもいい
それで明日が約束されるわけでも
約束が約束されるわけでもないけれど
つぎの約束をしよう
約束は絶対ではなくて
約束を ....
悩み多きは誰か
悩んでいるというよりも
考え続けているとした方が
幾分か楽になる
楽になることは罪でもないのだ
少し開放して
予測不可能な未来を
覗こうじゃないか
ボタンがとれたシャツやズボンがある
もう何年もそのままほったらかし
衣替えの季節になると
そういえばといって結局ほったらかし
ただ今日はなんだかムズムズして
針に糸を通す
ボタンをつけ ....
よわいという
ところにきみとわたしの真実という
嘘っぽい現実が
隠されているので探してみてください。
という手紙を
ゆうべの食卓できみに差し出した
手が
春だというのにつめたくて ....
泣きたい時は水面に揺られて
私という器に水を張る
たっぷりと注いで染み込ませて
体中が潤い続けるようにする
泣き叫ぶ声が私を呼んだら
ひしゃくで水をすくって
たっぷりと捧げよう ....
うぐいすが鳴いた
私を出迎えるように
うぐいすが鳴いた
姿をみせないままに
うぐいすが鳴いた
去年の今頃と同じように
うぐいすが鳴いた
ききなれたその声に
気持ちが晴れ ....
恋してるってめっちゃ思ってる。
あんたの手が私よりでっかかったとか、
あんたの汗拭いてあげたくなったとか、
あんたの後ろ姿見てるだけで涙が出てきたとか。
「おいっ、金ねぇから缶ジュース1本だけ ....
葱。
葱をみている
きざみ葱を頼まれたが
青い部分ばかりで一パックこの値段とは
いかにも法外である
ひと振りの葱を取り、握りを確かめる
銘刀「下仁田」ほどではないが
なかなかの白鞘で ....
入道雲がたかく盛り上がっていた
あの丘の向こうにぼくらの夏がある
縁側にふたりならんでこしかけて西瓜を食べた
僕が種を飛ばすと君はぼくより遠くへとばそうと
おたふくみたいに頬ふくらまし ....
ポケットのなかで
45分しゃべりつづけた
書類のしたで
45分しゃべりつづけた
せまい湯舟に
ぼくとあなたと
あなたの児と
さんにんでつかって
慌た ....
体がうごくとき、心もうごくだろうか?
心がうごくとき、体もうごくだろうか?
あなたに、うごくだろうか?
軽トラが農地の空地に
放置されて顔だけになっている
車輪は地中に埋まって
後ろの荷台は錆びてもげて
かろうじて面影を残すのみ
緑の雑草や蔦が生い茂り
うす紫色の花がたくさん綺麗に咲いている ....
とんがりコーンを指にはめて突く
パン屋の店員がかわいい
国民的美少女のような店員
名札には『まさひろ』
男みたいな名前だな
もしかしたら男性なのか。いや、そんなはずはない
他の店員を見たら名札には『さとう』、『 ....
きみの柔らかい生き物を
毎晩夢に見る
わたしの柔らかい生き物を
かつて沼だった土地に放した
放物線を描いて
慎ましい身なりを合言葉に一斉に種弾く
それからの手記
それからの鐘の音
きみ ....
こがねの王冠をかぶった
いたずらにゆがむ顔
愉快だ、ハハ
水をさすピエロ
仮想めいてる存在が
黙ってなよ
君がね
くちげんか 地球儀を回す
すいーん すいーん
小 ....
残酷な花 さくら
残酷なさくらが残酷な世界に咲く
残酷な世界に
残酷な美しさで
残酷に胸に裂く
西洋ではエイプリルフールだって言うんだろう
その日は嘘を吐いても良い日だ
だから、私が死んでも誰も本気にしないだろう
きっと、
「いくらエイプリルフールだからって
そんな嘘はいけな ....
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天候不順でさぞかし桜もとまどっているだ ....
そんなに見たいのか
若いコのスカートの中
欲情対象として現物を数々見知り
地位と枯淡と長小便の中高年になってまで
ケータイにカメラが付いて以来
機能に浮かれただけの興味も潰え
ガキの今 ....
造られたのだ
望んだ訳でもなく
花の像に似せられて
花の代わりに飾られて
その美しさに比べられ
蔑まれては
やがて飽きられ捨てられる
色褪せても尚
枯れることも許されず
土に還る ....
月、ズレている
最終下り電車
残業帰りの疲れ
飲食店従業員という化粧
旅行帰りの子供連れの疲れ
デート帰りのいちゃついた欲望
窓を見つめる独り言
酔っ払いの不明な歓喜
忌避すべき酔っ払いの不潔な嘔吐
....
おねえさんキャラが年下になってしまった
雨ニモ灼熱ニモ
寒イ風ニモ地震ニモ揺ラガナイ
ヒトニハ依存セズ
アア、ボクモソウナリタカッタンダア、
ヒトヘノ嫉妬ハソウ受ケ入レ
裏切リニハ同情デ対処シ
....
子供たちの未来のためにって言やあ
許されると思いやがって
てめえが意味もなく長生きしてえだけだろ
(嫁さん妊娠中にフーゾク行ったクセによ)
本当にそう思うんなら
うろちょろ領海侵犯してる
....
匣が匣として閉じられ
いづれ花が華として咲く
あわい希望を閉じ込める
包丁は包丁として布に包む
棘が棘として働くように
強い怒りはやわらかくしまう
箪笥の隅でみつけた ....
からだもこころもつらいとき
ぼくはやさしくなれる人間だ
それがわかった
それだけでもぼくには価値があった
からだもこころもつらいとき
あのひとはがんばってくれていた
....
四つ葉のクローバーはたまにあった
摘んでみると奇形だということが分かった
君もまた奇形だった
五体満足だったが理知の骨がない
幼年の輝く混沌、その奇形
大きな闇に覆われ、大きな光に開かれてい ....
私の石はいま
眠っている
眠りながらも
あなたに関する記憶を育て
あの日と それにつづく日々を
絶対性のなかに閉じこめている
それほどに強い
あの日の記憶
どんな時間が私の上を
通り ....
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