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「冷えていく鉄」


鉄だとわかっている
何度目かの純情だから
素直に信じる
うん、わかっている
その熱では溶けてしまう事もない
背中が曲がる前の、愛しているは、信じない
少女の ....
「あんたたちのせいでわたしいつまでたっても大人になれない」
を使って文章を作りなさい (10点)

あんたたちのせいでわたしいつまでたっても大人になれないなんて大人になれないことを他人の ....
世界が沈むことを早くしている
今日を忘れないようにしよう

魚は寒くないの
だいじょうぶよ

鳥は寒くないの
だいじょうぶよ

並木道には自転車と五十代と思われるジャージの夫婦
 ....
ゼリー色の夏休みだから
子供うさぎたちは公園に集まってラジオ体操をします
大きい子から小さい子、耳が垂れてる子からピンと伸びてる子
重そうなお尻の子や、軽くて風で転がりそうな子
大人うさぎがラ ....
あまりにも刺さるのでそれを取り外す
風が強いのはいつものことで、それはとても痛いのです
こめかみあたりから、あるいは首の後ろから
小人が僕の邪魔をして視界という視界に落書きをした
 ....
くそくだらない人の恋路を
特急列車が踏み潰す
お腹の減りすぎた少女の頭から
おかしなアンテナが伸びている
食欲と性欲の区別もつかず
リンリンリリンと手の中が鳴る
ウッドベースでも良いけれど ....
まぶたを持ち上げる小人が
正しいものを見せてくれる
簡単に解けてしまう
神様たちの話のように
言葉の多いカラスを信じてしまう迂闊さ
アポロンは
自分がコロニスに矢を放ったというのに
まる ....
絵は描けない
記憶もあまり得意じゃない


少し休憩しよう
だいじょうぶ?


人混みが苦手である
ひどい二日酔いのようになる


これ、誰か読むの
いや、たぶん読まない ....
いつか見たあの子供に
名前を付けることはできない
記録に残せない会話を何度もして
僕はあの子を責めたりもした
正しいことを言う事が正しい
そう責められて
実際は責めてなどいなかったのだが
 ....
傘をお持ちください
と君が言うので
受け取る

さあ差せばいいじゃないか
と君が言うので
傘を開く

君は満足そうに傘の下に納まる。
あの蛸あまり出てこないね
と水族館で水槽を叩きながら君が言ったから
水の中では音が反響して
ひどいことになっているんだと思うよ
と答えた
言いたいことも言えないこともあって
そういったことをごまかして ....
7年ぶりに観覧車に乗ると
向かいに、スニーカーを履いた蝉が座っていた
「じー、じー、じー」
「みん、みん、みん」
僕は蝉の言葉はわからなかったし
蝉は人の言葉がわからなかったから
とりあえずお互いのま ....
煉瓦を積み上げて
高く登ろうとしていたのに
周囲ばかりに積んでいたから
自分を中心に、塔を作ってしまった
出られないのだろう、と、
上しか見えない僕に言うのは
通りすがりの鳥ばかりで
うん、とも ....
81
棚の上に置かれた卵の装飾から産まれたカッコウのひなは、早速、置き時計を下に落とした。

82
あなたは、私の中から一回り小さい私を取り出し、その中からまた一回り小さい私を取り出し、を繰り返した。 ....
   古都に沈む日に対し
   石壁の隙間は見事に
   写し鏡の上下間違い
   ピンホールカメラが
   削り張り付けた人影
   キャラバンのテント
   広大な背後を恐れよ
   砂にま ....
{引用=(自動扉の開く気配
 夏の口が開き熱っぽい舌が僕をなめる
 揺れる木漏れ日 吹き出す汗 シャツを流れる風
 即興的に産まれたノイズ まぶしいタイル 
 葉の擦れ合う音 靴ひも 蝉の声はさらに重 ....
61
誕生パーティ、彼女がホールのケーキを切り分けると、集まったボーイフレンドたちの支持率が見て取れた。

62
目的地への案内板が「↓」であったので、スコップを探そう。

63
形見わけ、故人の押入 ....
51
私は空っぽなんだ、と悲痛な様子で訴えてくる私のおなかは、しかし三段もある。

52
彼女は、彼が、時間がないと繰り返さなければ、充分な時間がとれることに気づいて、口で口をふさいだ。

53
その ....
二機は、一晩中逃げ回っていた
飛行機は、蜘蛛の巣に引っかかっていた
「プレーンモビルって言うんだよ」
「ふーん」
夜、僕らの残骸が、露に濡れて光を放った
蜘蛛、手をつないだ僕と君
バランスをとって緩や ....
31
朝日は海の深いところに落ちている。

32
彼女は、彼の下駄箱に手紙が入っていたのを見て、代わりにポストに投函した。

33
彼がアルバムを整理していると、出会う前の写真に不自然なほど写り込む、 ....
21
恋人が血塗れの姿で、私の頭を凝視してくる。

22
砂を吐いていると、あさりがたくさん採れたね、とブルーの壁に区切られた丸い空から聞こえた。

23
科学者が妻に、ナスカの地上絵は飛んだのだ、と ....
11
お互いのしっぽを追いかけてスピードを上げていく二匹の犬がだんだんと子犬に戻っていく。

12
少女の肩には、今まで出会った男性の手の跡がびっしりと刻まれている。

13
彼は、彼女が、オレンジジ ....
ベッドで海を渡る詩
空にはカモメが飛んでいる。

ベッドで海を渡る詩
港のすべてが満席さ。

ベッドで海を渡る詩
僕はあなたにおじゃまして

ベッドで海を渡る詩
あなたの名前を海にする。
ん、へと続く道しるべの横で
君は、うとうととして。

途中の、い、には、しっかり捕まっている
君の神経には、ずいぶん助けられているけれど
あまり、る、に捕まらないようにしてほしいな。
君は、とても美し ....
わかったことの一つは、わからない、ということだ。
そんな気持ちはわからない。
わからないままにしておいてはいけないと、ずいぶん悩んだものだが
今は開き直っている。
わからないまま、そんな考えもあってい ....
「血液さらさら」
「新ものあります」
木製の箱にはそんな言葉が書かれている
値段も、種類も無いが
それがタマネギで
おおよそ100円玉数枚の値段であることがわかる
前者は、季節と血液がさらさらになる、 ....
グリーンサラダ緩やかに飛翔
土筆の連隊、以後、お見知り置きを。
ふきのとうの視線が、一斉に動く
その先には、すずめ鼓笛隊
移動しながらラッパを吹く
朝、夜との別れ
ハローハローハロー
オープン、オープ ....
川辺に桜が植えてある

川は3面張りで、
つまりは底まで、コンクリートで
でかい溝、と、かわらなくなってしまった
春になれば、オタマジャクシとメダカが
夏には、蛍が、秋には、蜻蛉が、居たはずだった。
 ....
風には、小人が住んでいる
足下は悠々として、涼しそうである
公園で、自転車を漕ぐ
膝関節に続く曲線は、
数式で表せそうなほど美しい。
遠くに、雨が降っているのが見える
大粒で白く
僕は濡れずに立ってい ....
名前を知りません、
ごめんなさい、と言います。
花を花と言います。
しかし、君には、
きっと、それなりの名があるのでしょう。
僕は、君を表せません。
散歩をしていると、思うのです。
なんて少ない言葉で ....
鵜飼千代子さんのクローバーさんおすすめリスト(34)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「冷えていく鉄」他6作- クローバ ...自由詩7*15-5-20
「あんたたちのせいでわたしいつまでたっても大人になれない」- クローバ ...自由詩4*15-1-16
冬、はじめました。- クローバ ...自由詩5*14-12-2
童話(ラジオ体操のうさぎ)- クローバ ...自由詩3*14-11-16
その日、風鈴の割れる音をきいた- クローバ ...自由詩3*14-8-26
呪ってんじゃねぇ、光にあふれろ- クローバ ...自由詩7*14-7-5
やさしいちえのわ- クローバ ...自由詩2*14-7-1
桜の木の下で- クローバ ...自由詩1*14-6-26
幻影のバラード- クローバ ...自由詩3*14-6-23
I_love_you- クローバ ...自由詩3*14-6-23
蛸にイヤホン- クローバ ...自由詩8*11-1-19
蝉と月- クローバ ...自由詩2*10-8-9
自尊心- クローバ ...自由詩4*10-6-10
全手動一行物語(81〜90)- クローバ ...自由詩5*10-5-31
零れ日カメラ- クローバ ...自由詩4*10-5-26
夏の揺らぎ- クローバ ...自由詩1*10-5-22
全手動一行物語(61〜70)- クローバ ...自由詩4*10-5-21
全手動一行物語(51〜60)- クローバ ...自由詩3*10-5-20
空色めくり- クローバ ...自由詩3*10-5-14
全手動一行物語(31〜40)- クローバ ...自由詩8*10-5-12
全手動一行物語(21〜30)- クローバ ...自由詩5*10-5-11
全手動一行物語(11〜20)- クローバ ...自由詩4*10-5-10
ベッドで海を渡る詩(うた)- クローバ ...自由詩2*10-5-5
「ふと」- クローバ ...自由詩2*10-4-19
わかることわからないこと(2)- クローバ ...散文(批評 ...4+*10-4-13
わかることわからないこと(1)- クローバ ...散文(批評 ...1*10-4-13
_The_march_in_March_(春について4)- クローバ ...自由詩2*10-4-1
川辺に(春について1)- クローバ ...自由詩2*10-3-31
風には(春について2)- クローバ ...自由詩3*10-3-31
名前を知りません(春について3)- クローバ ...自由詩5*10-3-31

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