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女のお尻は男よりも丸い
僕に耐えられぬ、痛みをも知るひとよ
あのなかにはもしや
青い小さな惑星が回っているやもしれぬ
仕事を終えた電車の中で
ついポケットから取り出すスマホの画面に
誰かからメッセージはないかと、探す

家に着いて
ポストの蓋を開けては
誰かから便りはないかと、探す

忘れた頃に届く
 ....
久々に浅草の
{ルビ老舗=しにせ}の喫茶店「アンジェラス」に行ったら
すでに閉店していた 

「アンジェラスの鐘」は「お告げの鐘」

もう鳴らない、その鐘は
やがて記憶の風景に響くでしょ ....
年老いた男は独り、犬をつれて
遠くから
石畳の道をこちらに歩いてくる

犬は、主人を引っ張り
主人も負けじと、犬を引っ張り
ぎくしゃくとした歩調は 近づいて

石畳の道を歩く
ふたり ....
私が今、ここに立っているのは
素朴な一つの謎であり

今日の場面を、静かにみつめ
掌にのる
小さな巻物を開いて
設問を解き明かしながら
歩きたい

重力に支配されるこの世界で
私は ....
どうかしちゃってる、俺
どうかしちゃってる、俺
でも、でも、ほんとはネ
ほんとーにどうかしちゃってる
どうしょうもない情けなぁい、のは…
「みぎにならえ」の、俺!
は、{ルビ跪=ひざまず} ....
府中の霊園の芝生に、僕は坐る
目の前の ✝遠藤家 の墓前に
炎と燃えるポインセチアの植木鉢と
グラスに日の射すワインを、置いて

初めて訪れた十五年前の夕暮れ
左右に生けた紅白の薔薇は
 ....
染色体の一本多い、3才の周が
初めて言葉を発した
「それ…」
僕は身を乗り出して、聴き直す
「え、なに?」

目が覚めた――(なんだ、夢か…)
布団からひょっこり顔を出して
周はまだ、 ....
ふだんは優しい女房が
時折、般若の顔になり
言葉の弾丸は
だ・だ・だ・だ・だ
だ・だ・だ・だ・だ
だ・だ・だ・だ・だ
柳のような面影で
げっそりとした
僕の髪を靡かせ
遠い彼方へ通過 ....
仕事でヘマをして、凹んで帰った。
さっさと布団を被って、寝た。
早朝にぱっちり目が覚めた。  
おもむろに立ち上がった僕は、外に出た。

西に沈むでっかい満月に
思わず、足を止めた。

 ....
「かわいい」
保育園の部屋に初めて入った周を
年長の女の子が、迎えてくれた

「じゃあね」
僕と妻はにこやかに手をふって
若い保育士さんに抱っこされたまま
きょとん、とする周をあずけてか ....
時折、詩友達で集う
神楽坂のキイトスのドアを、開いた。
1年ぶりのマコト君が
カウンターで教えてくれた。  

「○○さんが沖縄から来て
 この近所で詩の展示をやってるよ」

   * ....
切符があるから、電車に乗れた。
食券があるから、ラーメンを食べた。
パスポートがあるから、異国に行けた。

それならば
鏡に映る(わたくし)が
一体何者なのか?という
最も不思議な秘密に ....
テレビを点けると、美智子妃殿下が  
カメラのレンズの向こう側にいる  
一人ひとりの国民をみつめ     
静かな深いまなざしで  
語りかけていた   

「私は子供の頃、絵本に親しみ ....
今日は横浜詩人会賞の授賞式。  

司会を務めるわたくしは  
天の恩師の形見を  
スーツの内ポケットに忍ばせ  
会場ホテルのトイレに入り  
シャツの襟にゆるり、巻く。  

ネ ....
俺は 
俺以上でも 
俺以下でも 
無い 
みじめな俺も、俺。 
時折かっこイイ俺も、俺。 
どちらも、俺。 
ならば? 
悩みの全ては外面上の(夢)であり 
俺は俺として、俺を背負 ....
塩を振られたなめくじは 
縮みあがった僕なのです 

縮みあがった僕だけど 
今は一児の父なのです 

一児の父であるならば 
縮みあがった、この体 

自分らしくのそぉりと 
濡 ....
今迄の僕は 
どれほど多くのまなざしに
みつめられてきただろう   
どれほど多くの手に 
支えられてきただろう 

今、僕は、ようやく 
幹の内側からいのちの歓びを{ルビ呻=うめ}くよ ....
鏡の前の
リクライニングに座り 
鋏を手にしたおじさんに
全てをまかせて、瞳を閉じる 

ぱさ、ぱさ、と切り落とし 
頭はだんだん軽くなる 

ぱさ、ぱさ、と切り落とし 
心はだんだ ....
日常の何でもない場面の空間に 
ふと、穴があくことがあり 
光の手が(こちらへおいで)と 
私を招いて、呼びかける 

瞳の色が失せた時も 
その手を見ると 
心臓はめらめら燃えて 
 ....
嫁さんと周に駅まで送ってもらい 
仙台行きの新幹線に乗る前 
待合室で一人になって、はじめて 
(今日で周は一歳か)という 
思いがじわり・・・と胸に広がった 

毎日嫁さんのやりくりで  ....
こころの中に 
一つの家を建てよう 

どんなに激しい嵐にも 
どんなに揺れる地震にも 
決して消えることの無い、一つの家を 

地面に膝を落とす、日も 
涙の絞り落ちる、夜も  
 ....
先頭の、早稲田のランナーが 
歯を喰いしばって近づいたので 
歩道で妻と旗ふる僕は 
「わせだぁ〜・・・!」と、叫ぶ。 

二番手の、東洋大のランナーが 
汗を滲ませ走っていたので 
 ....
日のひかりをそそがれて 
開いた花を摘み 
掌にのせたら 
私の顔も、咲いてきた。 
遠くに見えるあの富士は 
名所と言われているけれど 

今・この詩を読んでいる 
さりげない姿勢のあなた自身が 
同じ地面につながった 
世界にひとりの、名所です。 

(日ノ本の全て ....
日常の、人間模様の只中で 
自らを ぱっ と灯して 
周囲の素顔を、照らしたい。 
 今夜は、僕が特に親しみを感じる詩の友が集う忘れ得ぬ日なので、僕が最も大切な{ルビ女=ひと}と出逢った{ルビ縁=えにし}の糸を{ルビ遡=さかのぼ}ってゆくことで、人と人の・・僕と彼女の出逢いの不思議を .... あの塔の頂に立って 
私は何を、視るだろう。 

遠方の高見から眺めれば 
近過ぎると醜い人の世も 
小さい蟻の人々も 
昨日喧嘩した家族の憎い顔さえ 
愛しく思え 

見渡す街の霞 ....
いくら頭を抱えても 
仕方のないことで 
うじうじしている自分の{ルビ面=つら}を 
本の頁から取り出した 
厚手の{ルビ栞=しおり}で、ひっぱたく。 
朝の交差点で 
信号待ちの学生が、友達に言った。 
「本当の時間割を知りたい」 

昨日話した老父が、僕に言った 
「人の体の内には、星の数程の 
 細胞が、再生を、繰り返している」 
 ....
鵜飼千代子さんの服部 剛さんおすすめリスト(55)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ある夜のメルヘン- 服部 剛自由詩721-9-3
風を待つ- 服部 剛自由詩221-2-2
お告げの鐘- 服部 剛自由詩420-11-18
異国の道- 服部 剛自由詩418-12-13
歩く本- 服部 剛自由詩318-1-13
人間発電所- 服部 剛自由詩116-8-8
日溜りの墓___- 服部 剛自由詩715-11-24
朝の日記- 服部 剛自由詩12*14-11-9
姉さん女房に捧ぐばらっど- 服部 剛自由詩614-8-4
夜明けの散歩- 服部 剛自由詩614-6-16
小さい靴_—入園の日に—- 服部 剛自由詩1614-4-25
ギャラリーフラスコにてー詩友との再会ー__- 服部 剛自由詩414-1-20
パスポート- 服部 剛自由詩5*14-1-14
花の御心を生きるひと__- 服部 剛自由詩6*13-11-14
タイの締め方__- 服部 剛自由詩9*13-10-12
重力の在る世界で_- 服部 剛自由詩513-5-29
なめくじ親父_- 服部 剛自由詩14+*13-2-19
いのちの歓び_- 服部 剛自由詩8*13-1-21
床屋にて_- 服部 剛自由詩912-12-16
呼びかけ- 服部 剛自由詩612-11-17
約束_- 服部 剛自由詩612-9-23
こころの家_- 服部 剛自由詩711-5-14
箱根駅伝_- 服部 剛自由詩411-1-6
花の顔- 服部 剛自由詩210-12-24
名所について_- 服部 剛自由詩410-12-24
無題- 服部 剛自由詩210-11-23
結婚披露パーティーで読んだ手紙_- 服部 剛散文(批評 ...7*10-10-23
夕暮れの塔_- 服部 剛自由詩810-9-25
目覚め- 服部 剛自由詩610-6-3
老父の言葉_- 服部 剛自由詩510-5-27

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