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静かすぎる場所は
それだけで不安になる

世界が固まって
書割になってしまった

動けない何もない

風よ吹け
世界を動かせ

色褪せた日常でも
書割の冷たさより

生きて ....
ブルースが聴こえない
新しい朝も訪れない

ダムの放流が始まる
辿り着ける場所が限定される

すべからく天気は雨模様で
テナントビルには入居者がない

世界は静かに眠っている
目覚 ....
想像できるだろうか
市民生活の中に拳銃が溢れ
拳銃廃絶は絵空事と思われる世界を

想像できるだろうか
拳銃の所持規制に対して
拳銃を所持する権利を
真剣に主張する人がいる世界を

想 ....
甘いキャラメルを
舐めながら
遠い未来を想像する

舌で蕩ける甘味が
想像を溶かしていく
未来なんてあるのだろうか

いまここ
見えているもの
味わっているもの

それは僕が感 ....
ばぁちゃんの畑の相続に協力してくれてありがとう
叔母から感謝されて居心地が悪くなる
肝心な役割ができなかったと後悔しているから

  故郷を離れて暮らす叔父から電話が架かってきたのは
  お ....
雨が降り出しそうだ
湿気が高くて汗が滲む

君は刺繍をしている
憑りつかれたように
黙々と針を動かしている

時計だけが
雄弁に時を刻んでいる午後

右肘の古傷が疼いている
僕に ....
遠い人は自由だ
理想を語ることができる

見えないから

無垢な心で理論を振りかざす
割り切ることができる

 中空に浮かぶ月が綺麗
 それは遠いから

 月面では人は一時も生き ....
唄いたい人は何処でも唄うのだ
弾きたい人は何処でも弾くのだ

唄うこと/弾くこと
それが至福であるかの顔をして

奏でる音楽を待っている
人が居れば最高だけど

まるで自分の為だけの ....
ベン・シャーンは線の魔術師
展覧会のフライヤーを見ながら
頷いていた僕は浅はかだった

企画展の最後のセクション
彼の最晩年の連作版画

そこに並ぶのは線の魔術師に相応しい
震えるよう ....
月が隠れているこんな夜は不穏
雲間から微かに漏れる月光が狂わせる
人も獣も機械も大地すらも
何が起こっても不思議じゃない

当たり前のことだと君は言う
四十五億年の時を刻んだ地球からすれば ....
がらんどうの箱
窓枠から向こうの風景が見える

いや

もはや窓枠ではなく
ただの開口部

風通しがよい
では済まされぬコンクリートの塊


荒涼としているのは
今にも泣きだ ....
遠い星を見つめて
丘のうえ爪先だちで
手を伸ばしてみる

遠い
遠いんだと実感する
掴めるものは何もない

墨色の空/新月の空
星はこんなにも
たくさん瞬いている

風が吹いて ....
思ったことを口にする
それは失言になることが多い
けれどそんな人に憧れる

思ったこととは裏腹なこと
しか口にしていないから
意識を裏切りながら生きているから

それでも最近は脳神経が ....
高崎線に乗り換えると
電車の調子が悪いのか
モーター音がいつもより大きい
回転数の上昇に合わせて甲高くなり
惰行から力行に入れるとまた悲鳴をあげる

あぁ懐かしい
吊り掛け駆動だ

 ....
仕事帰りの疲れた身体をシートに沈めると
ひと駅間に
うつらうつら
して

ごく短い夢/妄想を見てしまう

夢/妄想から醒めた瞬間
時間の感覚が混乱して
おいてきぼりを食らった気分で
 ....
高崎線の電車はスローダウン
ターミナル駅にゆっくりと進入する

携帯電話から窓の外へ顔を向けると
常磐線の線路上をこちらよりもゆっくりと
白地に赤帯の見慣れない電車が
高架ホームに進入しよ ....
二階の窓から曇る夜空を眺めている
降りだしそうな雨をむしろ望んでいる
雨に撃たれてしまいたい

世界に射抜かれる前に
この街を焼き払おうか

*** ** *

持ちきれないほ ....
 漢字の練習とかでさ
 同じ字をずっと書いていると
 突然
 あれこの字ってこんな形だったっけと思うことあるよね

娘がポツリと言う

漢字の書き取りではないけれど
仕事で文字ばかりを ....
夜を走る電車
十五両編成の最後尾
ゆっくり居眠りしようと
乗り込んで席を確保した
はずだったのに
次の駅から
スノーボードと思しき
荷物を抱えて乗り込んできた
二十代前半の女性が
暫 ....
主の居ない実家の風通しに行って
帰京する日の昼食は
親父が通いつめていたラーメン屋

生前
親父は帰省していた僕が帰京する日には
決まってこのラーメン屋で一緒に昼食を食べた

それだけ ....
少し早起きした日曜日
気を利かせたつもりで
洗濯をしたら

真っ白だった
タオルやTシャツが
真昼の空のような
とりとめのない空色に染まった

      それは一緒に洗った
   ....
鵜飼千代子さんのkauzakさんおすすめリスト(21)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風が止んで凪- kauz ...自由詩3*15-5-1
未来について- kauz ...自由詩6*13-12-22
それでも理想はある- kauz ...自由詩11*13-5-21
事実を分け合う- kauz ...自由詩5*13-4-25
逃げてしまった僕が感謝されて戸惑っている- kauz ...自由詩10*13-2-20
メランコリックな午後- kauz ...自由詩7*13-2-10
遠い人- kauz ...自由詩14*13-1-31
唄いたいから唄うのだ- kauz ...自由詩7*13-1-5
規定という罠に嵌る- kauz ...自由詩4*12-12-10
月が隠れている夜は- kauz ...自由詩7*12-11-29
解体される団地- kauz ...自由詩11*12-11-10
流れ星をつかむ- kauz ...自由詩17*12-10-28
迂闊な発言しかできない- kauz ...自由詩9*12-10-15
最新車両から旧型車両を透視する- kauz ...自由詩9*10-10-11
高崎線の駅間距離は存外に長い- kauz ...自由詩6*10-5-21
5分だけ鉄ちゃん- kauz ...自由詩7*10-3-6
二階の窓から曇る夜空を眺めている- kauz ...自由詩13*10-2-27
ゲなんとかという現象- kauz ...自由詩18*10-2-20
人畜無害- kauz ...自由詩16*10-1-16
語ることのない物語- kauz ...自由詩11*10-1-9
洗濯- kauz ...自由詩7*10-1-2

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