下級のプライド
加藤

ひとりずつちがう場所から始まり
ひとりひとり同じ場所で歩いて行く
みんなが持っている決まった何かを持たないで
みんなが持てない不要なものを 抱えていた

子供のように怖がって
いつも私をこまらせた
醜い心はどうしようもなく身もふたもないことばかり叫んで
醜い下級はいつも平然と暮らした

誰でも同じ 誰でもそうでしょ
何度も何度も同じことを繰り返して ゆるされて
おこられもしなかった 教わりもしなかった
涙や 笑顔は なんのために あるのだろう

捨てられないものは まだいくつかある
捨ててしまったものに未練はないけれど
こわすことも作ることもしたくない
来るのを待ち 去るのを見守るだけ

感情を垂れ流し様子をうかがい
水とパンを食べて寝るだけ


自由詩 下級のプライド Copyright 加藤 2012-11-02 00:18:08
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