たまには外にでてみたり
ドクダミ五十号

池袋 げに恐ろしき 人の波

都会に久しぶりに行く

迷宮で 何処が 何処だか

今日は大丈夫と 杖も持たずに

この異世界に 迷う


ぞろゝと 何処から 何処へ

靴音の 行列だ さんざめく


恐怖だ 孤独だ 逃れたい

今にも 分岐点から


鼓動がどんゝ 早くなり

蒼白な顔面を 幾らか染めようと


友を目にした 安堵は

瞬間的に あの世が見える


なるほど 大勢のうちに

増幅される 孤独と

一人による 打破と

それらのうちに 酔うが

正しい


こっそりと 私が

満たされている

のだけれど

指をしゃぶっていたのは

秘密だよ


愛まみれの 終電車

其れに乗って

固定に近い

自室に戻る

即ち ここで 寝る

愛と孤独の 余韻を 温めとして


自由詩 たまには外にでてみたり Copyright ドクダミ五十号 2012-11-03 09:48:53
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