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私が訪ねると、
火星の蛸は海底へ旅立った後だった。
無重力の自由な不自由も、
遠く君と蛸の住む星も、
私をぽつんとさせた。
帰ろうよ、と
耳元で ....
べつにいいよ。
あいたい
あいたい
わらっていいよ。
あいたい
あいたい
てのひら、
つまさき、
きみのそば。
ひまわり病で
上ばっかり見てる君は
あたしが大切に育てた
小さい芽をけとばした。
私の影。
私の存在。
光と私。
蜂蜜の瓶で溺れ死んだ
ミツバチのことを想ったら泣けてきた。
べつに私の涙なんて
彼の家族の足しにもならないのだけれど。
言いたいことがあった。
聞きたいことがあった。
あとで、にしたら、
ぐるぐるまわって、
やっぱり黙るしかなくなった。
夜になると
傍にいるひとは
もっと近くに来て
遠くにいるひとは
もっともっと離れて行く