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そのビー玉の中に
小鳥が住んでるよって言ったら
少女は指で弾くのをやめて、
目を細め、陽の光に透かして
覗き込むようになった

そのボールの中に
昔亡くした筈の子犬が
隠れてるよって言 ....
散らかった部屋を掃除したら
埃を被ったガラクタの下から
顔を出す思い出が一杯

浜辺に打ち上げられた
ペットボトルの溺死体みたいに
塩辛い記憶を吐き出した

僕は年老いた若者
時の目 ....
沢山の偽物をつぎはぎして
自分という人形を作り上げた
糸と針で縫い合わせた、
建前と奇麗事のパッチワークを

ああ、
何も変わっていない
疑いを知らない、無垢な心を
この世界に差し出し ....
一人、
部屋にうずくまりながら
深い海溝に墜落していく
そこには冷たい水のかわりに
闇だけがある

孤独、果てしない孤独
膨れ上がる世界と
縮んでいく自分

エゴに押し潰される自画 ....
僕は一枚の紙

美しい物語が綴られるはずだった紙
だのに、その表面は虚しい無地のまま
降り止まない雨に打たれて
溶けだしてる



ある晴れた日、道行く人々が
ふいに風に舞う紙に変 ....
今日は週一回の休日。家でまったりしながらこれを書いている。

 今の職場には、Kさんという先輩がいる。
 僕より二歳年上で、とても仕事ができる女性だ。
 物流の現場では、日々クライアントからの ....
力による勝利は、人間性の敗北だ  ある少年がいた

 何処かに
 旅に出たくても

 そう簡単には
 身動きのならない
 身の上で

 金もないし
 健やかでもないし
 勇気もないし
 運もない

 ない ....
 薔薇の花が一輪
 掌に横たわっている

 棘だけが未だ鋭く
 チクリと私の皮を刺す

 死して尚
 痛みを与える
 美しさ

 庭仕事を終え、
 麦藁帽を脱いで
 額の汗をぬ ....
 上手く折れない
 紙飛行機が
 放り込んだ屑籠の
 縁から顔を覗かせている

 拾い上げて
 半開きの窓に向けて
 今一度、飛ばしてみるが

 盲の鳥のように
 あさっての方向へ ....
  ストライクが入らない
  言葉の投げ方を、忘れたから

  キャッチャーを
  キリキリ舞いさせながら
  交代を告げる声を、待ち望む

  変化球に入れ込みすぎて
  指の関節が ....
夢には
二種類あるみたいだ

現実から
逃げるための夢と
現実を、変えていく夢

僕は、
炬燵の中で微睡む
飼い猫のクロと一緒に

彼女はもう
十年以上も前 ....
 頬杖をついたら
 鼻から、鉛筆が生えてきた

 ため息をついて
 窓越しに雨空
 眺めてる暇があったら
 詩の一つでも書きなさい、と

 僕の鼻毛が、
 ニョキニョキと太くなって
 ....
 愛を映す鏡に
 己を見た者はいない

 けれど、
 もし、いたとしたら

 その人は
 どんな姿を
 していたろう?

 イエスや、仏陀の姿を
 多くの人々が、想像しては
  ....
 空に延ばされた
 無数の手が
 草原のように
 なびいていて

 その上を漂う
 タンポポの種が一つ

 象徴とは、多分
 そのようなものだ

 手の届かない
 約束のような ....
 人には身体があって
 それを包む心があって
 更には世界がそれを包み込み

 玉ねぎのように、
 剥いても、剥いても
 涙しか出てこない

 私たちは
 芯なのか

 それとも ....
 
 手紙を書こう
 愛する人へ向けて

 触れる度に傷つけるような
 そんな接し方しか
 出来なくても

 言葉と空間を介してなら
 紙というフィルターを通してなら
 少しは、あ ....
 石ころのように
 蹴飛ばされた
 君の命が

 川の流れに
 ぼしゃりと飛び込み
 揺らめく水の底を
 ゆっくりと転がって

 手の届かない
 透明な棺桶の奥から
 空を見上げ ....
マイノリティーよりマジョリティー
迷子になった一匹の魚のように
僕は ゛みんな ゛にあこがれていた

…゛みんな ゛…

なんて 素敵な響きなんだ

軒先に吊るされ
春の息に踊る
 ....
空にカーテンを引いたら
みんな 夢を見なくなった

星の明かりも 眩しい朝日も
厚い布地に遮られて 広大な密室の中で
息を詰まらせていく 人々の 心の息付き

飛行機が飛び回り
打ち上 ....
 1

 雨に打たれながら
 空をふり仰ぐ
 喜びは消えて

 土に手を当てて
 星の身体の温もりに
 触れる喜びも奪われた

 原発の吐息が
 燃えている

 風に乗り 雨 ....
I

 君は幻想の住人

 窓の外に映る
 灰色の景色の向こうに
 白いバラの咲き乱れる
 見渡すばかりの平原を見る

 鋼鉄の爪が
 肌に残した傷跡
 それは
 現実を生き延 ....
  カラダって、窮屈だな。  
 美しいものは
 遠い所にいる時

 一番美しく見えるみたいだ
 苦しかったら
 ここにおいでと
 空が囁いてくれた

 でも私には
 翼がなかった

 辛くなったら
 ここにおいでと
 海が囁いてくれた

 でも私には
 鰓がなかった
 ....
  世界を変えたければ
  自分を変えなくちゃならない
 
  なんて面倒くさいんだ
  そこには見方の問題がある

  今夜
  雨上がりの空を見上げる時
  誰も同じ角度からは
 ....
神様

腹が減ったんだ
俺を愛してくれるなら
カレーライスをおごっておくれ

神様

風が冷たいよ
俺を愛してくれるなら
冬をどこかに追い払ってよ

神様

海が恐ろしく唸 ....
世の中ザラザラしている
そうは思いませんか

{ルビ肌理=きめ}が粗くなった
そうは思いませんか

優しい親は珍しく
子供は大抵怯えてる

賢い教師も見当たらず
子供は大抵迷ってる ....
 暇だし、日曜だし、外出するのも億劫なので、趣味について書いてみようかと思う。
 ゛お前の趣味なんて、誰が知りたがるんだ? ゛と思ったそこのあなた。侮ってはいけない。僕にだって興味を持ってくれる第三 ....
この部屋は四角い
建物も四角い
紙は四角く切り取られ
電車は四角く走っている

土地は四角く区切られて
名前は四角く囲われる
レンジは四角く温めて
テレビで四角くものを見る

君は ....
鵜飼千代子さんのまーつんさんおすすめリスト(35)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
優しい殺し屋- まーつん自由詩318-1-29
千の色に染まる水- まーつん自由詩318-1-21
人形だって泣けるんだ- まーつん自由詩218-1-3
空き缶の自画像- まーつん自由詩717-12-30
僕は一枚の紙- まーつん自由詩10*17-10-22
kさんのこと- まーつん散文(批評 ...6*16-2-3
勝利とは- まーつん自由詩7*15-9-22
嘘つきの星のもとに- まーつん自由詩16*14-8-5
指輪と石- まーつん自由詩11*14-7-30
飛べない翼- まーつん自由詩23*14-5-22
マウンドにて- まーつん自由詩19*13-12-28
- まーつん自由詩13*13-12-17
頬杖をついたら- まーつん自由詩8*13-12-13
鏡の世界で- まーつん自由詩1013-12-10
象徴- まーつん自由詩13*13-12-8
玉ねぎと宇宙- まーつん自由詩18*13-12-3
手紙を書こう- まーつん自由詩11*13-11-8
石の星座- まーつん自由詩8*13-9-23
生命の雲- まーつん自由詩613-9-7
空にカーテン- まーつん自由詩12*13-9-5
黒い手紙- まーつん自由詩17*13-8-3
幻想の住人- まーつん自由詩10*13-5-21
魂のつぶやき- まーつん自由詩5*13-5-20
届かない- まーつん自由詩413-5-8
たったひとり- まーつん自由詩19*13-5-7
ザ・真っ当な主張- まーつん自由詩8*13-4-25
海岸線- まーつん自由詩6*13-1-18
ざらざら- まーつん自由詩9*12-12-13
趣味について、または詩について- まーつん散文(批評 ...8*12-12-9
しかくいせかい- まーつん自由詩11*12-12-2

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