この脳の一番ふるい記憶。
自分の存在を知った最初の日。
何月何日かも、本当に存在したかも分からないその日が、
自分の意識にとっての、僕の誕生日だと思う。
その日から今まで、覚えたり忘れたりしな ....
メモ帳の全てのページにマミムと書き込むのが僕の使命。
この世界の全てのマミムメモを完成させるのが僕の使命。
その蜜をかけて
わたしのすきなバニラの
エッセルスーパーカップに
全部にかけたいけれど
大きいので
内の蓋を少し開けて
半分ね
地面を舐めている
落とした自分のを
命にな ....
昆虫の呼吸器官は腹の横に空いた幾つかの穴、ラジオでそれだけを繰り返すキャスターの声は重く沈んでいて、何のための放送なのかはまったく理解出来なかった、そんな夢を見たんだ、寝床が焼け付くような朝に
....
今日も空は青かった
にこりともせずただ青く
無限の沈黙のうちに
それは在った
今日も私は無力だった
宇宙の虚無に耐えかねて
あなたにあることないこと
喋っていた
今日も黄昏は優 ....
本能は満たされる
理性は
果てしない貪りへの扉である
錬金術師のように
どんなものからでも美を抽出する輩がいる
彼が対象に魔法をかけているのか
見ている者に魔法をかけているのか ....
「なぜ人は誰かを傷つけるの?」
と、娘が問いかけてきた。それは、私が常日頃胸に抱き続けている疑問でもあった。
「それは、自分が傷つくことを恐れているからだよ」と、私は答えた。
春の ....
昨日が原因になって
今日の結果に繋がっている
しかし
今日の原因が明日の結果に繋がるかは不明だ
何故なら
明日が文字通りに明るい日になってくれるかは
わからないからだ
明日は暗黒 ....
高々ノーベル賞を
もらったぐらいで
専門外のことに口出して
感染者数が激減してきても
まだまだ油断は出来ませんなどと
不安を煽っている暇があるなら
STAP細胞でも作ってろ
200回
飛行機に乗ったのはハネムーンの一回だけ
幸せの絶頂期
まさに天にも昇る気持ちだった
でもね
その時はまだ入籍してなかった
お金なかった
けど
式をあげてささやかに披露宴はした
....
ホテルや旅館のように
型に填まった感じのない
民宿が今人気がある
地産地消を心掛けている
美味しい料理がたくさん並ぶ
日常の嫌なことは忘れて
民宿で過ごす時間を楽しむ
古民家 ....
今夜は魚の塩焼
ちょうど良く焼き上がって
美味そうだ
食べようと箸を近づけたそのとき
そんなはずあるまい
魚と目が合った
どうかしたのと向かいの母が尋ねるので
なんでもないよと ....
世界は眩暈がするほど傾いていて
正解な円など誰にも描けやしない
眠りの中に真実の夢は芽生えず
寂しい亡霊たちしか生きていけない
それでも風だけは懐かしい痛みを
お前に与えてくれるだろうか ....
ボクラは今日も
肩を並べて干されてる
コロナの日々が来る前は
道ばたに、ゴミ箱に
捨てられていたのに
人間てゲンキンだな
わが身のキケンを感じると
随分ボクラを{ルビ重宝=ちょ ....
今日高曇りの空の下、
肉を引き摺り歩いていた
春という大切を
明るみながら覚えていく
妙に浮わついた魂を
押し留めながら、押し留めながら
離れていかないように
剥がれていかないように ....
氷山にあいた窓に
鳥と気球と蝶がいて
空を見たまま飛べないでいる
ひとつ 逆さのアルファベット
雨の隣には雨
その隣にも雨
雨のむこうの雨
雨のふりをした雨
....
名前が
水たまりに落ちてて
のぞくと君が宿った
空のひろい方を
私は知った
朝起きて
カーテンを開ければ
片目の右は色を失い
半分白黒
週刊少年ジャンプ55ページみたい
左から右
スズメバチが私の視界を横断する
鮮やかな黄色の体躯
右に移れば
腹の濃い黒と薄 ....
そうこうするうちに
なんだかつめたい夕暮れがきて、
影たちがふれ合う
街は灯る
日々は揺れ
そこかしこで蓋がひらかれる
完全な夜がどこにもない
まぶたの裏にも
スカートの中 ....
星の表面に無数の星があった
消失する約束を見送っていて
余白の海にただよう文字たち
それがきみの星かを知らない
時間は立ち止まる風が生きる
部屋に焼きついたきみの寝言
....
その堤防は黄昏に
染まる海の静かな波の音に
つつまれていた
おだやかな心象風景のなか
ふたりだけが
迷っていた
それは
爽やかな夏の音楽が
昼間は鳴り響いていたから?
....
簡単なことだったのに
忘れていたね
君を待ちわびた世界は
まるでマンハッタンから
月を投げた薄い明かりだ
遠くても分かっているし
近くなら歩いて行けるし
どんな小道具も役に立たない
君 ....
夫が食器を洗ってくれている音がする
それを背中で聴いているのが好きだ
時々、夫は「よーしゃ」「うぉーし(ゅ)」と言う
それは私の心を思いきり健やかに笑わせてくれる
あのひとのギターと汗が流れている
この豚は、旨すぎるから多分牛
パンダさん 何も言わずに笹を食う
いい顔で写っているのがわたしです
勉強ができない代わりにめっち ....
消えたきみと花火のまぼろしを見ている
あの歌を思い出している言葉の雨
泣くこともできずに曇るきみのそら
きみの眼差しが世界の全てだった
今朝も歩いて
一キロ先の氏神さんを
ひとりでお参りする
石段を上り
小さなお堂の前で
鈴を緒でガラガラ鳴らし
気持ちをチャリンと投げて
手をぴったり合わせて
住所と名前を言い
あ ....
盗人のような夕日が、薄曇りの空に紛れてゆっくりと沈んだので、俺はまるで破産した大金持ちのような気分で遮光カーテンを閉じた、喰い過ぎた晩飯がウェイトになって胃袋に伸し掛かる、だからイヤホンを突っ込ん ....
誰かを愛するために牛乳を買った
あなたを愛するために卵を買った
砂糖が一匙分も無かった
もう買い足す元気が無かった
ソファに寝そべって映画を観ていた
開始10分で涙が出てきた
牛乳をマ ....
雨の吐息に八重咲きの桜しばたいて
落ちたしずくを掻き抱き夢見心地で逝く蟻の
複眼の曼陀羅
太陽を入れた万華鏡
黒曜石は夜に溶けながら半球を渡る
うす闇からうす紅
八重に ....
先生の使い残した白いチョークをこっそり持って帰ったりした。
僕ね、先生のことが大好きで、僕ね、先生の遺骨が欲しくって。
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