車輪のないバスがとまっている
低い木のしたに

たぶんそこにあなたはいる
破れかけのシートに心地よさそうにまるまって
外は
こんなになってしまったというのに
さびしい、という言葉も知 ....
 パソコンがなかったら仕事ができない。
 年金詩人のわたしは今日もパソコンと睨めっこしている。正確にはマイクロソフトワードがなかったらということになる。その理由は文字を書く労力が半減することで、文章 ....
人の営みの狭間を縫って
悠久の経を信条とした河に
明かりの灯った小さな神輿が流れ
そのひとつひとつに
幼子が蹲っている
世界の何たるかを知らず
それでこそそべてを悟ったような面持ちで
も ....
目が口ほどにモノを言う人たちに囲まれて
君の視線のフィラメントが闇のように漂う
人見知りがひとり 見知らぬ人たちと
待合室でチェスの駒みたいに包囲され
遠くから黙々と頭を打つ冷たい秒針は亡霊だ ....
 二十年来使ってきたざるを買い換えた。そのざるには欠点があり(それは使い始めてすぐにわかったことだが)持ち手になる場所にほんの少し金属が出ているらしく、私はなんどもそれによって手を傷つけてきた。傷とい ....  野薔薇の咲き乱れる公園で私は待っていた。
 ベンチに腰掛けている私の面前を物言わぬ者達が通り過ぎてゆく。
 遠い記憶を辿ると確かに私はここで待っていた。
 緑に塗られたベンチの端の方、そこ ....
おかあさん

と無邪気にゆってみたかったよ
あなたの愛がほしかったよ
あなたをみあげる背丈の頃に
いつもなんか握ってる
石とか棒とか拳とか
それって子どものくせみたいで
一度風俗に勤めてみたが
最終的に
寿司屋に就職した
ここがいつもの世界なら
投げ入れた石は水底にしずんでいくし
まるい波紋も できるだろう
郵便ポストは1本あしで立ちつくしているし
ひとびとは
笑ったり泣いたりしている

さていまは
 ....
何も持たなかったはずなのに 多分荷物は重くて
何を詰め込んだかわからないのに 大切で
手放せないまま 逃げるように出てきた都会

何をしたかったのか 私の頭の標識は
真っ白に作り上げ ....
またキスでごまかされてバカだあたしあした天気になりますように 新たに愛したら
この痛みから解放されるのか

かつて愛し捧げ
与えられた
この広がり膿み続ける
空虚な傷口を
スーパーの袋にいっぱいのみかん
向かいの席に座ったおじさん
着いた駅のホームで倒れた
淋しかった夜更けのホームが
めいっぱいの 太陽の色にあふれて 


スマホで救急車を呼ぶ人 
 ....
土から抜かれた細葱を刻んで
食卓にそえる

グラスに水を入れて
残りをさせば
頭と根がのびてくる

日にひとつ
歩みをへらし
粥をへらせば
命でこのよに
帰れるけど

初雪の ....
気怠い午後だ。

こんな凪いだ白昼夢に溺れそうな空気には
ジムノペディがよく似合うのだろう。


 神々の祭典だ
と、
教わったのだろうか。
 アンブローシアは、
不老不死の実 ....
夏 熱苦しかった 公園の立木は
秋 身軽くなって
梢をより軽やかに おどらせている
 そして 庭木の葉先も
背伸びし終えて ほほえんでいる
野の鳥たちにむかって
招待状を提示するかのように ....
雨が降っている、と 長い髪を翻して駆けていった


レティシア 君を探して見知らぬ夢をさまよっている
あれは君だったの 夢のなかでそっとくちづけをかわした


誰もいない図書室で本をひら ....
前に体重がかかっていますね
と 足型調べる靴屋さん

胸は反らせているはずなんだが
と わたし

町中を歩いて
ウインドウに映るわがすがた横目で眺めれば
なんと言うことだ
前屈みでせ ....
キンタマが
羽毛で覆われていたら
蒸れてインキンに
なるだろう

それでも
空を飛べるなら構わない
キンタマ羽根を
思いきり広げ
太陽に近づいて
燃え上がりたい
燃え尽きたい
 ....
夜が明けたら
真っ白の世界
魔法使いが杖をひとふり
呪文を唱えた
犬は喜び 庭駆けまわり
猫のあたしも
心躍る

歩道橋ですれ違う子どもはみんな
いつもよりはしゃいで見える

い ....
天気予報を見ると、日本のどこかに雪のマークがついている。ツンとした空気の真ん中で、息を吐く。するとその音が思いのほか大きくて驚く。あったかい毛布を肩にかけ、音楽を聴く。ロックを。できるだけ明るいロック ....             151126
稚内から
26時中
わからないから
浮かない顔して
雪虫を眺めてた
あれは15歳の時だった
ナンバー87はと問われ
78ならば受信用5極真空管
 ....
晩秋の黄昏に
チェロの響きが肩に渦巻いて
痩せた胸を抱き包む

明日の朝は
この曲を聴きながら
ベーコンエッグとトーストにイチゴジャム
そして濃いめの珈琲を啜る

そのバロックは
 ....
逃れ去っていく逃れ去っていく記憶の
その核心を掴もうと
広がる鉛の海を泳ぐ、泳ぎ続ける
 
 失われた煙の花と団欒
 終わった関係と更地
 虚脱の時を刻む秒針

静まっていく静まっ ....
道々拾うそれらはどれも
純度の高い結晶だから
とても効き、沁みる
わたしは決定的にまだ、
持っている 家路 を{ルビ長靴=ちょうか}で踏みしめる
たどり着いて(そして孕む、卵のかたち)
ど ....
ケンケンパ
ケンケンパ

道路にロウ石で丸を描いて

ケンケンパ
ケンケンパ

まるまる転がるよ

ケンケンパ
ケンケンパ

見上げてね

ほっとしてまた下を向き
ケン ....
白い手先が折り畳んだ黒い風呂敷
角をピチリと揃えてたいそう丁寧に
ポタリと落ちた涙に星辰と名付ける
添い遂げようと恋情を抱いたおとこの
亡骸がひどく軽く腕に抱かれた
丑三つ時にただ月 ....
魂の境を越えた交わりだった
わたしたちは一羽の大きな鳥になって
暁に輝く大河の遥か上空を
風を切り 大きく弧を描きながら
深く埋もれたまま錆びて膨れた散弾
思考に敷かれた玩具の電車の閉鎖回路 ....
もう二度と歌は歌わない
そう決めたのは
合唱コンクールの練習の時
隣の子がクスッと笑ったから
以来本当に僕は歌を歌わなかった
音楽の時間は口パクで通したし
歌のテストの日はズル休みをした
 ....
少年は決意した
高校生になったら
皆の前で
自分の言葉でしゃべると
そのために
今の学校からは誰も受けない高校を
選ぶのだと
例え面接があろうとも
はっきりものを言うと
緘黙していた ....
梅昆布茶さんのおすすめリスト(13739)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
シート- はるな自由詩415-11-29
(ゐ)のひと- たま散文(批評 ...13*15-11-29
シンクロニシティ- 由木名緒 ...自由詩1415-11-29
ひとしれずゆくえしれず- ただのみ ...自由詩18*15-11-28
夜更けの紙相撲「記憶にさえ残らないものたちへ」- そらの珊 ...散文(批評 ...10*15-11-28
ヴァイオリン・ソナタ- ヒヤシン ...自由詩9*15-11-28
みあげて- もっぷ自由詩4*15-11-28
寿司屋- はるな自由詩315-11-27
ここがいつもの世界なら- はるな自由詩615-11-27
天秤- 為平 澪自由詩12*15-11-27
またキスでごまかされてバカだあたしあした天気になりますように- 北大路京 ...短歌115-11-27
水平愛- たけし自由詩4*15-11-27
みかん- 藤原絵理 ...自由詩10*15-11-27
up_down_- mizunomadoka自由詩715-11-27
余韻- レモン自由詩16*15-11-27
光のまつげ_⑤- 信天翁自由詩515-11-27
レティシア_青い花を探して- 石瀬琳々自由詩10*15-11-27
前屈み_ー歳を取るとはこういうことか8ー- イナエ自由詩15*15-11-27
キンタマ王子、私に羽根があったら- 花形新次自由詩115-11-27
雪が積もって- Lucy自由詩14*15-11-27
20分の儀式- ユッカ自由詩1115-11-26
ニロクジチュウ、ウカナイ- あおば自由詩9*15-11-26
Bに捧げる朝食- レタス自由詩915-11-26
寂寥〇平静- たけし自由詩5*15-11-26
冬のあした- もっぷ自由詩7*15-11-26
ケンケンパ- 鵜飼千代 ...自由詩16*15-11-25
ニロクジチュウ、ウカナイ- かんな自由詩7*15-11-25
一瞬確かにわたしたちは- ただのみ ...自由詩16*15-11-25
歌はもう歌わないと決めたけど- 夏美かを ...自由詩37*15-11-25
少年は決意した- イナエ自由詩7*15-11-25

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