誰かを愛するために牛乳を買った
あなたを愛するために卵を買った
砂糖が一匙分も無かった
もう買い足す元気が無かった

ソファに寝そべって映画を観ていた
開始10分で涙が出てきた
牛乳をマ ....
雨の吐息に八重咲きの桜しばたいて
落ちたしずくを掻き抱き夢見心地で逝く蟻の
  複眼の曼陀羅
    太陽を入れた万華鏡

黒曜石は夜に溶けながら半球を渡る

うす闇からうす紅
八重に ....
先生の使い残した白いチョークをこっそり持って帰ったりした。
僕ね、先生のことが大好きで、僕ね、先生の遺骨が欲しくって。
 
 
妻は昨日より少し細長くなって
収まる場所がまだ見つからない
その隣では去年より手足の短くなった娘が
似合わないチェックの服ではしゃいでいる
息子はといえば三日前からトランクに入った ....
 菜の花を食べて
 咳きこんだ


 あの日の熱は
 そのあたりに置いてある
 曇り硝子
 ロー・テーブル


 けれども 一体どこなのだろう
 ぼくはきみを見たことがある
 ....
 コロナの影響で家業はさっぱりだったが、昨日は久々に朝から厨房に立った。昔から来ていただいている県内客の四名様。この人たちは少人数でやってきては、楽な場所で楽に山菜を採りたいと色々と突っ込みを入れてく .... 過ぎて去った日々を
ふと立ち止まり振り返る事は誰にでも起こる

そこに見えた四つの苦しみ
そこにあった八つの苦しみ

愛情もあれば
憎しみも存在した

快楽も有れば
激しい痛みもあ ....
果てしない空にいる
姿なきしゃにむに
あるときは
つまづいて転がっていく石ころ
あるときは
風が止まったやにわに交わすキス
ときどき現れては
影だけを残して
もとからいなか ....
たんとんたんとん
連弾し
主を濡らし
雨の降る

空は灰白、
遠い目で
見つめている
眼差しが
銀の雨足、
瞼に乗せ
すっと透過し
宙を舞う

後に響く
雨音が
たんと ....
鈴は沈む 大気の蜜へ
黙したものの{ルビ自重=じじゅう}により

若葉に光の飛沫
     木漏れ日の揺り籠に落下する蜂

五月の河畔を夢がさまよう
  ポケットの中に全てを失くしている ....
山奥の水が綺麗な川に
蛍が集まる場所がある

此処に来れば見られる
最近は見られる場所が
減って寂しい

魅力的な光
強い光ではなくて
柔らかく個性的な光

蛍が集まる場所で静か ....
踊れ
  踊れ
誰も皆{ルビ仮面=マスク}をつけて
踊れ
  踊れ
とめどなく流体化する世界の中で
踊れ
  踊れ
どのリズムで
どのメロディーで
それは好きに選べばいい
踊れ
 ....
冷気が肌刺す深夜だな
まだこんなに冷えるのだな

窓の外では月と火星が
煌々とランデブーし
窓の内では初老の男が
悶々と起きている

この不思議な惑星に生まれて
この不思議な惑星に居 ....
かたちだけ人なんて
腐るくらいにいる

もしかしたら
もしかしなくても

人のたましいには
汚れきった血液と
清みきった空があるんだろ

かたちだけ人だけど
どうすればいい

 ....
緑の{ルビ扉口=とぐち}で世界がはじまる
アナザーバード
ありふれた季節に
誰でもない名前を探していた
初めて逢うひとのような
遠い
横顔を


朝露に濡れた
葉裏がひるがえる
 ....
GCG(別号)のパンダは
大きなタイヤさんが
居なくなってロストだから

アイミスユー

だから
一人で歌い続けます

**

「ココから歌う、君へ届けと」

***

 ....
嫁入り道具の鏡は夫婦の寝室の隅で埃を被っている。
女がもっぱら使うのは手鏡

手鏡に写すのは何も首から上ばかりじゃなかった
時には股間の様子も鏡に写して見た

それは大概夫婦の営みの後だっ ....
「絶滅危急季語辞典」コロナ不滅かまだ記載無し 夜の音の謎解き一つ一つしてやっと眠れる子猫と一緒に 大きな空と 大きな山を見た
幾何学模様を合わせたような 目を細めて時間軸を仰ぐ
私と人類の記憶に滞る しんと降る空気が浮く 
説明する辞書がない
この大きな空と この大きな山

私の瞳にお ....
 
「何処の誰だかわからないのでいらいらしてしまう。
何処の誰だよ、とわかればもっといらいらするかも知れないね

見慣れた表情で、毎度違う話を持ってくるのは狸たち
、狭い世界だな。とかいう伝 ....
「春の紅」

…ト、トトトトト…

春の花らが
ひさしぶりの雨に打たれ
お化粧されて
艶めいてるよ

指にとり
頬紅や口紅にできたらな

そしたら
歩くたんびに
春の香りを ....
手を抜いて頼みたいという訳じゃない店屋物という一つの宇宙 わかれのよかんをかんじたら
おんなはすばやくはんのうし
あたしをどおしてきらうのと
きっとつめよることもする

うそだ
うそです
うそだといってと
きらわれてもいい
すがりつ ....
暑い
暑いなあ
まるで真夏の暑さだ
地球が狂い始めて
オマエラ、人間のセイダロウ
そう叫んでいるかのように

路傍に屈み
タンポポの種を
ふぅと吹いて飛ばしている
子供が二人、
 ....
大回転で意外だ
(だいかいてんでいがいだ)


手巻きな文化祭さ、完膚無きまで
(てまきなぶんかさいさ かんぷなきまで)


無の数字ジュース飲む
(むのすうじじうすのむ)


 ....
老朽化激しい旅館でも人気料理山ほど出され満足

大好きな焼肉店がリニューアル洋風な建物になりがっかり

大型の店が出来ても最初だけ店に来る客徐々に減っていく

初めての街を歩いて街を知る巨 ....
寄る辺のない気持ちが窓にもたれかかる
まだ頼りない虫の声に今は縋ってしまいそうだ
夜が早くきてしまうからと
机に引っかき傷をつけて出ていったあの子は
まだ庭先で落ちない陽を今度はに ....
ギフからたまたまをとってしまっても
ギフはちゃんと男の子のままです
そのことがダイヤモンドのようにきらめいて
私の五月にまばゆい風を運んできます
欠けたグラスの縁から飲んで唇から途方もない血を流せばいい
解けた鎖を無茶苦茶に絡め直して永遠を誓えばいい
もう二度と手に入らないものは
どんなに蔑ろにしたって誰にも叱られない
闇雲に生えて ....
梅昆布茶さんのおすすめリスト(13739)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ミルクセーキ- 印あかり自由詩620-5-17
八重に愚かに- ただのみ ...自由詩4*20-5-17
先生- クーヘン自由詩6*20-5-17
ドライブ- たもつ自由詩420-5-17
菜の花- 草野春心自由詩620-5-17
厨房に立つ(改題しました)- 山人散文(批評 ...7*20-5-17
過ぎて去りし日々を- こたきひ ...自由詩220-5-17
しゃにむに- 自由詩10+*20-5-17
雨音- ひだかた ...自由詩620-5-16
忘れられた一行のために- ただのみ ...自由詩7*20-5-16
蛍が集まる場所- 夏川ゆう自由詩320-5-16
マスカレイド・デスパレイト- 塔野夏子自由詩5*20-5-15
月と火星と初老の男と(改訂)- ひだかた ...自由詩520-5-15
人のかたち- こたきひ ...自由詩320-5-15
アナザーバード- 石瀬琳々自由詩9*20-5-15
CGCグループへ捧ぐ- 足立らど ...自由詩220-5-15
- こたきひ ...自由詩320-5-14
コロナ不滅か- 足立らど ...短歌120-5-14
すみれ日記- もっぷ短歌320-5-14
額で見る景色- 朝焼彩茜 ...自由詩12*20-5-13
幽霊たちとの対話週間- アラガイ ...自由詩10*20-5-13
はしりがきの春- 田中修子自由詩5*20-5-13
すみれ日記- もっぷ短歌120-5-12
きっと__きっと《やぶれるこころ__改訂》- 秋葉竹自由詩620-5-12
夏日- ひだかた ...自由詩7*20-5-12
回文かい?- 水宮うみ自由詩1*20-5-12
老朽化- 夏川ゆう短歌220-5-12
アーベント、もしも壊れてしまうなら- カマキリ自由詩220-5-12
ギフと。- もっぷ自由詩120-5-11
吟遊詩人の歌- ホロウ・ ...自由詩3*20-5-11

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