誕生日
私の多面体の面が
またひとつ増えた

生まれた瞬間は
まんまるだったはずなのに
歳を重ねるごとに
ひとつずつ面が増えて

今では寄せ木細工にも似た
得体の知れない多面体 ....
石灰岩の岬で その木は咲いていた
岩礁を咀嚼する波しぶきで、真夏だというのに咲いていた 桜の木
あの花は  きっと永久の入り口を見たのだ

桜は黄泉を観ていた
泣いている人々のことは  ....
雪を土の上に敷いていく その道を
スノーダンプに雪を積んで 水辺まで運ぶ

降り積もった雪の塊 
昼の熱にとけて したたり落ち
夕暮れに 冷め 夜に凍り 
朝には スコップもささらない
 ....
電源落として蜜柑2つと大きめのブラ  
与太話もひとくぎり

タバコくわえりゃ、そっと広告入りの百円ライター

泣いちゃうよ、マスター


 
地平の果てに辿りついたぼくは
打ちのめされていた

25歳の夏に
時間の終わりがやってきた
空間もそこではぴったりと
閉ざされていたのだ
東京の新宿
早稲田通りを路地へ入った住 ....
あなたは数十年間共に過ごした顔を
しみじみ見つめたことはあったか
舐めるように眺めたことがあったか

家庭で会社で割り当てられた役
自分の心を追い払い
ドーランを塗り 眉を描き
役のキャ ....
どうにかなるどうにかなる蘆の角 サーカスの綱渡りから落ちた夢僕の知らない君がいた朝 蜜柑を担保に金を貸りる手にトカレフ  これは きのう
 こっちは きょう
 どうしてこんなにささくれが多いのだろう
 ぼくの
 サキソホンから
 そんな
 ぼやきの声がきこえてくる

      *

  ....
「私」と「あなた」の間に有る感覚は
絶対に違いますから 難しい

痒い処に 手が届くような アンテナを
日々 立たせ続けるのは

鬼太郎みたいに 上手く 反応してくれると
助 ....
 寂びれきった家並みに囲まれながら
ぽかんと口をあけている 原っぱから
      一角を揺すらんばかりに
     こどもの喚声がこだまする
            それは──  
閻魔大 ....
満開のソメイヨシノ

春の強い風に散り
工場のタンクや配管に
まばらな花が咲く

工場の町の春景色


自家不和合性のこの桜は
開花して
ソメイヨシノどうしで
受粉して結実 ....
人々が果実のように生っている
呼ぶ声が開く匂いの輝きに
寄り添うように開きだす応える声
こんなにも血が発酵した生き者同士
互いの表皮には場違いな分電盤が
静かに接続されている
 ....
最近の子供は、外で遊ばない。
だからだめなのだ。
体も、心も、社会性も育たない。
家の中で、しょっちゅうゲームとSNS。
昔はこうじゃなかった。
最近の子供は、まったくだめだ。


 ....
コツコツコツ深夜の足音
ゴソゴソゴソ深夜の物音

何をしているのだろうと
訝りつつ目覚めれば深夜

安眠を妨げる足音や物音
決まった時刻に乱される

ドアを開け見渡しながら
誰もい ....
座禅

靴下を裏返すように
自分の端をつまみ
引っ張ってひっくり返すと
私は
闇に包まれ
遮音され
触覚も
痛覚も
温点と冷点もなく
声を出すことも
食べることも
匂いを嗅ぐ ....
風でドア開かない

そのままを吹き飛ばせ

細胞レベルで利己的な

ぼくらはだれもが


散るさくらの下見ゆく

葉桜だろうがさくらはさくらさ

ブルーターピーシート抱えて
 ....
破裂した精神から
無数に咲き乱れる
色とりどりの気球
大気圏を目指すアストロノーツ

「僕らはこの星の火傷そのもの
 剥離する瘡蓋だ―― 」

 ――なのに捨てきれない!

抱き寄 ....
春眠や出席番号十二番 「え」を「ゑ」と書く女といて鏡の中 書き終わった手紙を読み返して捨てた
それを書き出すために書かれた一行がいかさまだった
さめたコーヒーを飲み干して
家並みに一滴、零す

静けさのなかを一台の車が走り去り、日付がカチッと変 ....
アリスは うさぎに
不思議の国に
連れて行かれた

私は うさぎに
お馬の国に
連れて行かれた

アリスの場合
お膳立てしたのは
少女趣味の数学者

私の場合
お膳立てしたの ....
 
下を向いて歩いていたら
電柱にぶつかった

下を向いていたのだから、あたりまえだ

ぶつかったところを触ったら
赤い血が指先についた
ひどくぶつかったのだから

血が出ても、あ ....
昔の駅は博物館
万世橋は筋違い
薄闇まぎれて広小路
人波揉まれて日本堤か
ツツっと向かう大門へ
朝、明け方まで夢うつつ
食べ物買うのに言葉はいらない
ましてや売る人の心など

風邪薬は効き目を買う
心配そうな言葉など鬱陶しい

陳列棚から取り出した飲み物
黙って値段を示せばいい
すぐに飲もうと だれと飲 ....
今年もつばめがやってきた

帰ってきた
と言う

うちで生まれたつばめや
と言う

小さいな
よく動くな
と話す
話し合う

家族
という言葉を
改めて感じる
春の我が ....
春風を聴きながら
英語の詞を追う
淡い面影を見出しながら
完結された物語のプロットを手で温めている

この説明のつかない衝動に
小さく恋と名前を書こう
もはや自傷に近い愚行だと
ささく ....
長い計算をする僕
徒労は計算の中にはない(それは完全に充実した行為であるから)
時計の歯車の噛み合い方
キチリキチリと回っている
車の列が止まらないような信号の変わり方
青黄赤
あの娘の通 ....
梅昆布茶さんのおすすめリスト(13736)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
多面体- nonya自由詩27*14-4-7
【嵐】_根を張る- るるりら自由詩17+*14-4-7
麦わら帽子のスノーロード_- 砂木自由詩14+*14-4-7
電源落として蜜柑2つと大きめのブラ- 北大路京 ...自由詩314-4-6
泣いちゃうよ- 殿上 童自由詩13*14-4-6
25歳の夏〜39歳の春- オダ カ ...自由詩4*14-4-6
- イナエ自由詩15*14-4-6
どうにかなるどうにかなる蘆の角- 北大路京 ...俳句514-4-5
サーカスの綱渡りから落ちた夢僕の知らない君がいた朝- 北大路京 ...短歌314-4-5
蜜柑を担保に金を貸りる手にトカレフ- 北大路京 ...自由詩514-4-5
ぼくのサキソホン- 石川敬大自由詩10*14-4-5
有難迷惑- 藤鈴呼自由詩2*14-4-5
白い松明(ひとつの救い)- 信天翁自由詩414-4-5
恋い焦がれてソメイヨシノは咲く- ichirou自由詩15*14-4-5
分電盤- 葉leaf自由詩914-4-5
バブルス_チルドレン- クナリ自由詩10*14-4-5
足音・・・- tamami自由詩1714-4-5
不立文字- ichirou自由詩10*14-4-5
虚しさのお手伝い- 吉岡ペペ ...自由詩214-4-4
地球詩人- ただのみ ...自由詩25*14-4-4
春眠や出席番号十二番- 北大路京 ...俳句214-4-4
「え」を「ゑ」と書く女といて鏡の中- 北大路京 ...自由詩814-4-4
手紙- 末下りょ ...自由詩4*14-4-4
アリスと私とお馬- 小川麻由 ...自由詩5*14-4-4
「あたりまえの、その先に」- ベンジャ ...自由詩8*14-4-4
筋違門- ……とあ ...自由詩8*14-4-4
余計なお世話だけれど- イナエ自由詩18+*14-4-4
春の家- 朧月自由詩1014-4-4
恋と創作- モリー自由詩5*14-4-4
時計の音を愛する- 黒髪自由詩4*14-4-3

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