1km四方のプールの真ん中で
溺れたふりをしている男
水深はせいぜい膝小僧くらい
懸命すぎるバタ足で
足の親指の生爪を剥がしたのは
まったくの誤算だった

プールサイドのデッキチェア ....
たかじんのさくら

すこしだけほんとうの悪意を混ぜておけば

あとはぜんぶ嘘でも善意に見えてしまうのだ


つるりとした少年のような

興福寺の阿修羅像のような顔をしている

た ....
ひとりでダンス?
いいえ
風がわたしのパートナー
わたしを見つめてください
あの方の姿が
見えてくるでしょう

わたしは木
いいえ
わたしは奇異です奇行です
見えない何かを
可視 ....
肩を落として
足を引きずるようにして
のろのろだらだら歩いている
一人ぼっちの少年
どうした
なにがあった?
学校で辛い目に会ったかい
家に帰りたくないわけでもある?

仲良しの友達 ....
どうして
アスファルトで覆ったのでしょう
芽生えようとしていた希望が
誰にも知られず
死んでしてしまったら 
訪れた春は悲しむでしょうに
「グループ面接で隣になった子が
 めちゃくちゃ噛んでて
 おまけに声が小さくて
 もうホントにやばくてサ
 どうしようかと思ったけど
 心の中で、頑張れって応援するしかなかったサ」

今 ....
 朝靄の木々の中を歩いてゆく。
 無言の挨拶をうるさく感じている。
 今再びの予兆にただ独り、俯き、
 それでも精神は前を向こうとしている。

 透明なピアノの音が遠くで鳴っている。
 ....
父旅立つ三日前
桜便りにまだ早い頃

桜みたいと
いう父に

大きな枝
届けてくれた人あり
啓翁桜…

病室と想う温度に
蕾ひらかれ

弥生そらから
香りたつのは

花 ....
アダージオ

アンダンテより
遅いのに
ラルゴより
速いという


あらわになった
濡れた首筋

板の上に
身をはべらせて

うつる鏡に
姿をみては

音の波に
 ....
小さな手のひらで
メダカをすくう

私の手の中で
メダカは泳ぐ

水は少しずつ
私の手をこぼれ
やがて
あなたは動けない

愛は
どちらなんだろう

こぼれていくものと
 ....
切り裂かれた皮膚から
去っていった細胞が
シクシク泣いている

あの日開いた傷口は
新しく育った細胞にふさがれて
戻る場所はもうない
見えなくなった
何もかも
熱帯雨のような景色のなかを
蚊が飛んでいる
飛蚊症なんだって

読めない
書けない
意識がまとまらない

網膜はく離の前兆とかもあるんだって
頭痛、嘔吐 ....
飴玉
また噛み砕いちゃった
我慢できずに
ばらばらの気持ち
ゆっくり
舐めたらいいのに
こういうときは
せっかちだから
噛み砕いちゃう
少しでもあなたの気持ちをと
少し時間がたてば ....
一人前 たまご三個は使いたい
これは食べ盛り男子向きなのだ
たまごを割ってボウルに入れ
醤油をたっぷり入れる
過ぎない程度に良く混ぜる
どんぶり飯に乗せて食べるのだから
しょっぱいくらいが ....
おとうさん
あなたの遺した杖がある

この杖をつき
生まれ故郷の野山を散歩するのが
最後の楽しみだった
歩くことができなくなってからも
ふるさとの山の桜を見に行くことが
最後の希み ....
   ーーーーーーはじめにコトバありきーーーーー
        「ヨハネ伝黙示録 より」




神はコトバにて人間を造った、いや、正確には、人の間の者たちを
それは 私たちのこ ....
心地良い朝を吸い込んだら
迷子のオキシダントが
途方に暮れているのが分かった

悔しすぎて歯軋りしたら
心配性のフィブリノーゲンが
身構える気配を感じた

本当を言い当てられて黙っ ....
夕暮れチャイムの音を 靴底で踏む
冷めた指で掴みたかった夢は
温い毛布の中のちがう体温

斜めに闇を切り裂く車のライトに
いくつもの私の顔が 現れては消されていった

パンプス ....
母はおもての植物に水をやりにいくのだろう。

母の背中について歩くようなかたちになってぼくは新聞を取りにいった。

ちいさい灰色の母の背中。

ぼくはこの背中から生まれたのだ。

そん ....
バスの座席に身を沈めると
自分の居場所を見つけた気がした

乗客は疎ら
誰もが無言で
窓の外を見つめている

赤いテールランプの川
灰色のまま濃くなる空に
星のように瞬いてとび去る
 ....
無影灯の下で
 (あるいは 河原で 砂漠で)
鶯色の神々にかこまれ
 (あるいは 烏色の悪魔に)
無防備に横たわる

切り裂かれる皮膚
晒し出される内臓
 (生きものの命を掴んだ少 ....
黄砂の舞う交差点
目を細めて上空を窺う
直立不動の小学生の左手には
やや大きめのファーストミットが

反対側の信号機の下
サイドスローの怪人が
華麗なステップで卵を
直立不動の小学生に ....
しはわたくししかかたれない 戴いた命を
ほんとうにいつわりなく
わたしはつかって来ただろうか

戴いた時間を
無駄と、間違いとから、
せいいっぱいまもって来られただろうか

戴いた体は
このたましいで良かったと ....
     まっしろなカップに
     夜が満ちる
     からっぽなわたしは
     真っ暗な部屋で
     夜を見つめてすごす
     安堵のなか
     ごくり ....
胸に枕を敷いてうつぶせになって寝転んでいた。

そして自分の指を見ていた。

あんまり近すぎてぼやけた指だった。

あんなことのあったあとだ。

しばらくこうやって気を静めていよう。
 ....
冬の道のあちこちに
手袋の片方がよく落ちている

ポケットから
ものを取り出す時に落ちたのか
自転車の前かごから滑り落ちたのか
私も長年愛用していた
手袋の片っぽを失くしてしまった

 ....
いろんなことをしって
いまがある

ぜつぼうと
よろこび

いろんなことをやって
いまがある

なみだと
ゴール

いろんなことをへて
いま わたしは

詩をかいていてよ ....
酒浸りの毎日が厭きてくると、突然思い立って詩なんぞを書き始めるようになつた。

 詩を書くことにしたのは、既に日々欠乏しつつある己の体力と得体の知れない精神と何とか帳尻が合うかも知れないと言う甘 ....
青い空がおいでって私を呼んでる
ずっと夢見ていた旅立ちの日

春の風が何度も私をせかして
早く早くって言うけれど

飛び立つにはけっこう勇気がいるのよ
心臓がドキドキして今にもはじけそう ....
梅昆布茶さんのおすすめリスト(13739)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
呪縛- nonya自由詩10*15-3-8
たかじんのさくら- 吉岡ペペ ...自由詩215-3-8
ダンス- ただのみ ...自由詩15*15-3-7
うつむく背中- Lucy自由詩14*15-3-7
舗装農道- イナエ自由詩13*15-3-7
星に願いを- そらの珊 ...自由詩12*15-3-6
戸惑い- ヒヤシン ...自由詩8*15-3-6
桜の友へ- 黒木アン自由詩4*15-3-6
アダージオ- 黒木アン自由詩4*15-3-6
メダカ- umineko自由詩9*15-3-6
傷跡の痛むときに- イナエ自由詩16*15-3-5
計器飛行- たま自由詩14*15-3-5
飴玉- 灰泥軽茶自由詩615-3-4
親父とわたしと息子- ただのみ ...自由詩25*15-3-4
まほうの杖- Lucy自由詩12*15-3-4
創世記- 為平 澪自由詩9*15-3-4
かものはし- nonya自由詩19*15-3-4
靴底- 為平 澪自由詩10*15-3-4
最終回ジグソーみそ汁- 吉岡ペペ ...自由詩415-3-4
夕暮れのバス- Lucy自由詩14*15-3-3
幻死_- イナエ自由詩8*15-3-3
冤罪(えんざい)- ……とあ ...自由詩7*15-3-3
La_Mer- もっぷ携帯写真+ ...315-3-3
2015.03.03(独白「さやかなる翼を」)- もっぷ自由詩415-3-3
月なしの夜に- 石田とわ自由詩20*15-3-3
7ジグソーみそ汁- 吉岡ペペ ...自由詩815-3-2
【_手袋の片っぽ_】- 泡沫恋歌自由詩16*15-3-2
源泉- もっぷ自由詩515-3-2
日常- ……とあ ...自由詩8*15-3-2
たんぽぽ春のパラシュート- 未有花自由詩17*15-3-2

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