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砂浜であたたかな光を浴びながら
私たちは貝殻に閉じ込めたことばを砕いている

細かい粒子がキラキラしては手のひらで
掴み切れないものをかろうじて掻き集めて拾っている

足の裏に微かな熱を感 ....
北の先まで歩いて
呪いを解くにはことばを
刻まないといけないらしい
包丁を研ぐには暴言が必要で
持つ手には温もりが必要で
橋を渡るときに気づいたけれど
川は流れていないことに
歩くのは怖 ....
あたたかさはいつも
敵わないほどに傍らで咲いて
叶わないたびに散り
地面をひたすらに覆い尽くす
 
しあわせという匂いにむせて
風のつきあたりでは
くるくるくるくると
止むことなく空へ ....
いっぴきの魚がキラッと
跳ねていく月の
一日には海辺が朱色に染まり
水平線で傾げる夕日に向かって
あなたへ告白の橋を掛ける

物語りが夜半の寝息に
幕を下ろた七日に
閉め忘れた扉をノッ ....
ある日の繊細さが
風鈴の音の揺らぎで夏を作り出したように
きっかけという名を
古ぼけた電話帳で探したときに
故郷につながる道の霧が晴れていった

生まれてきたという引き金は
生きてきたと ....
教室で黒板を見つめていた
隣の席のワタナベくんは遅刻をしてきて
コンビニ袋からおもむろに
焼きそばパンを取り出して食べはじめた
イスを傾けて教室の後ろの壁につけてもたれていた
倫理の担当は臨 ....
名前が
水たまりに落ちてて
のぞくと君が宿った
空のひろい方を
私は知った
知らぬまに
小石を投げつけてわたし、わたしに
その水面の波紋は
かたちを歪ませて、きっと
こころとか
生きていくとか
そういうものの足元を崩していく

きいてほしい話は
きいてほしく ....
その膜を破ると
きらきらとこぼれ落ちる
母の痛みがうつくしかった。

ぎゅっと身体を縮める
握りしめられないものを握りしめ
抱きしめられないものを抱きしめる

ささやかな抵抗を繰り返し ....
朝が来ると鏡の前でこい。を頭の中で漢字に変換をする。雑踏を歩くと踵が痛い、世の中に埋没する生き方を足し算し続けると、私は空を見上げない、結局地面を見下さない。黒板の文字がぼやけて、目を細めると現実 .... とがった先に
やさしくあるわたしの、本質
何度折れても
頑なに再生する、じんせい
歩く足のふとももに
太く根ざす、わたしの信念が
いつか土に帰るときも
刻んできた言葉たちが
生きつづけ ....
目を覚ました
しとしとと音がしている
しずかな朝の、
雨音の音階を調律するひとがいる
誰だ。
調律師は物憂げな顔で指先を動かす
ふと音がなめらかに
なったかと思うと
その指先は ....
はがされたばかりの空が、海が。詩へんをついばんだカモメのくちばしを読めばことばはなく、この街は。木洩れた庭先に女の子が水やりをする、ひかりに水をあげているの、と首を傾げる。チグハグなあいがまっ ....  空は何色?

君にたずねる私は幼い頃をおもい出していた

 今は青色だね。
 暗くなると黒色だよ。

率直な感性がすこし眩しくて
私のこころがほぐれていく気がした

 ....
私は泣いた
君という海の波打ち際で

不器用さを
愛おしさから
短所に変化させたのは
慣れすぎた歳月と
甘えすぎた気もち

海辺に向かって
手を繋いだ瞬間を
覚えてい ....
揺らぐ逃げ水に夏が透きとおる
容赦のない日射しに
深く被った帽子を右手で押さえる
アスファルトが反射した熱
吸い込んで汗ばんだシャツ
歩くたびすり減る靴底に
地面との摩擦熱を感 ....
暗がりに恋情を隠す
心音が落ちてゆく
水の階段を登り下り
君の肌の質感に流され
簡素な語彙に抗えない
私の内部の熱源に点される
愛にも似たようなもの
鍵はそのままにして
綺 ....
君のうなじが
白くうつくしいので
ことばを失くし


つつじ柄の着物に
雨が落ちてくる
そっと和傘をひらく
しぐさに湿り気が帯びる


 四つ辻まで
 ご一緒しましょう ....
ブランデーを喉にながす
こくりと飲み込んだうつつは儚い
床にぶちまけたこころの黒さは
いつのまにか天井になり
わたしを覆い隠した、ほし、星のようだ

眠れずにひとの温もりだけを ....
カタン カタカタタン
夜が鳴く音がする
君とのセックスはゆっくり熱をもつ
スローモーションの恋で

気づくと空は夜を
ワイングラスに注いで飲んでいた
ぬるま湯に浸かり
君の ....
雨は綺麗だ
ひどくやみ上がった空はうつくしい
衣服が濡れて透ける
心までが裸になるのだ

終わり欠けの虹を見る
どこへいく
どこへいってもスマートフォンは繋がる
恋人からは逃げ ....
目覚めると光が降り注いだ
何ものも 邪魔しない
うつくしい朝焼けに
私の心はじりじりと音を立て続け
どこまでも形を失いそうだった

昨晩は
正しくない言葉が
海に捨てられて ....
明かりの少し落ちた町で暮らしていたとき
身近にいる友だちと会うことがなにより恐ろしかった
だからこの街に引っ越してきたときに思った
あの人もあの人も果ては両親さえももう誰もいないのだと
 ....
「食べる」

早朝から釣りに行った夫が、すずきを一匹釣ってきた。
君は大喜びして、おさかな、おさかな、と言った。
水面をパシャパシャとのたうち回った姿はまだ想像できないかもしれない ....
朝起きる。
新聞配達のバイクがハーモニィを奏でて
ポストに投げ込まれる
合図はわたしをきちんとコーヒーへと導く。
隣でしっかり布団に収まる夫に
声をかけるとううーんとうめいて夢に戻ってしまっ ....
ためらい、とまどい、こい、きみのずぼん、
はちぶんめまでいかない、このもどかしさ、
わたし、あなた、きょりかん、てをつなぐ、
そのあせばんだ、かんかくさえも、しゃつ、
らむね、ごく ....
ほんっとバカだったよな
羨ましいくらい自由で
でもなにかを抱えてて
時おり寂しい一面を覗かせてた
そういうところに弱かったんだ
遊んでいるようにみせて
誰より努力してて気づかせなくて
 ....
きらきら
という絵本を
君に読み聞かせるのだけど
結晶の写真がきれいで
君のお気に入り
ひとつ 指さして
パパ! と言う
ママ! ととなりの結晶を指さす
次々に 結晶が
 ....
涙をミルク瓶につめると海に流れる
浮くとか浮かないとかは
もんだいではない
夜の水面にぴか、るような愛なのか
恋なのか杞憂なのか
わたしの、恋情などほうっておいて

ロシアの夜空 ....
手のひらに真珠をのせ
なめらかに海に流す
一連の動作は帰ることを意味する
君を待って
長らく浜辺で時を過ごした
捨てられたボトルや
流れ着いた流木と共に
私はもう待たない
 ....
梅昆布茶さんのかんなさんおすすめリスト(56)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
砂浜でことばを砕く- かんな自由詩321-8-17
南へ進んで愛まで歩いて- かんな自由詩221-7-28
眩しさから逃げるように春を- かんな自由詩421-3-13
十二月は踊るように繋ぎ、傾くように綴る- かんな自由詩220-11-15
夏が繊細さを手放すとき秋は虫の音を抱きしめる- かんな自由詩520-9-21
隣のワタナベくんと焼きそばパン- かんな自由詩720-6-24
空が落ちてる- かんな自由詩13*20-5-20
こころとか記憶とか生きていくとか- かんな自由詩820-3-4
冬の朝の光が痛みをうつくしくする- かんな自由詩1419-11-28
No_spring_chicken- かんな自由詩3*19-6-30
ほね- かんな自由詩12*19-3-20
雨の日と月曜日は- かんな自由詩10*18-3-21
のっぺらぼうの街- かんな自由詩4*17-10-11
空は何色- かんな自由詩3*17-10-4
波打ち際で泣く- かんな自由詩11*17-8-9
逃げ水、打ち水、この夏、- かんな自由詩2*17-7-28
トイレの鍵- かんな自由詩3*17-5-28
つつじヶ辻- かんな自由詩9*17-5-24
夜に落ちる- かんな自由詩216-9-27
night_moves- かんな自由詩2*16-9-10
雨やみ上がり虹のハシまでいと電話するすると吐く恋人のサギ- かんな自由詩10*16-8-20
綺麗な言葉だけを身に付けて世界を歩けばいい- かんな自由詩4*16-8-16
あの町とこの街- かんな自由詩4*16-8-5
息子という君- かんな自由詩9*16-8-4
ハピネス- かんな自由詩7*16-8-1
しちぶんめの夏- かんな自由詩3*16-7-29
君のことを書くのはこれでおしまいにする- かんな自由詩12*16-7-27
ちいさな詩人- かんな自由詩9*16-7-22
涙をミルク瓶に- かんな自由詩4*16-7-21
恋を流して- かんな自由詩4*16-7-16

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