絵本の顧客は
子供でも親でもなくて
図書館や学校だ
だからあんなに高いのだ
絵本とは税金が化けた怪物なのだ
盛り土の予算を空間が喰らう
議員になれば、身内が名ば ....
ぼかぁ
今日も仕事にオーバーキルされ
言葉が出てこない
書けば出て来るが こんなの嘘だ
こんなんなら
もう寝たほうがマシだ
花形さんの詩が身に染みるぜ… くぅ〜
ひょっとして、
おれの ....
弱者が弱者であることを
逆手に取って
言い掛かりをつける
そしてそれがまかり通ったりする
なまじ強者(相対的に)であるよりも
弱者であった方が得をする
なんて世の中だ!
俺はいわ ....
春はあけぼの
....
光の傾斜のよわいめまい
に
いななきも止んだ朝の膨らみ
秋は秋と重なって遠近を失くしながら
凧のように {ルビ空=くう}の{ルビ空=くう} 淡く燃え
無限の、 矛盾の、
存在の、 ....
週の半ばを過ぎると背中が強張りだす
眩しい声が
ほら すぐそこ
地平を跨いだ辺り
小さなキックスケーターが往くよ
時の車輪はゆっくり素早く
ゆらゆら揺れて
蕾 花 あっという間に
....
見つめていた風が
いつのまにか
ぼく の頬に触れた
やがて
このまま 真っ直ぐ 下にある谷に
ぼく は抱かれるだろう
巨きな魚が蝶を呑むように
腹の中に
ぼく は消えてい ....
秋の花火/湿気る前に
秋の花火/湿気る前に
引き出しに入っていた
夏に使い切れなかった花火
力を持て余してるのに
発散する場所を知らない若者のように
袋の隅で数 ....
幼い日
ふたりで日向ぼっこをしながら
影をみていた
ぼくの黒い指先が
少女の頬に触れようとする
と 触れるその直前で
影だけがふやっと膨らんで
ぼくより先 少女に ....
ミルク
{引用=
あなたの飲むミルクを温め直したい
胸からこぼれたビーズを拾い集めたい
広く高い草原へ
あなたの手を引っ張って
困らせたい
もう、なにを落としたって
....
寂しいから寂しくないふりを
しているなんてお見通しなの
寂しくないならどうして
そんな限界集落の無人駅に
会いに来ないかなんて言うのよ
あなたの孤独を映し出す
鏡のように澄んだ湖はもう ....
「子どものための幻想詩」
子どもらしい子どもにしたがる
大人のためかもしれない
大人になりきれない子どもがえがく
むなしい まぼろしかも
けれど中にはよいものが
目を磨くん ....
ほっと懐かしく嘆息してしまう、
それまでの全てが報われる、
そんな濃密な青の色彩だけが独立して
開けた額縁のような窓の向こうに 在った
その青の色彩はよく見れば、
濃密なのは視界の中央部 ....
青い看板に白い文字で
ビジネス
カジュアル
フォーマル
朝のだだっ広い駐車場
少しくすんだ 慎みの季節が
春に巣立った雛たちの 瞳にも
映って
....
胸奥に
オドロキ襲えば
世界は在る
在る世界
気力の萎えて
色褪せる
魂の
震えは麻痺し
狭間に立つ
狭間に立ち
眺める界は
遠く近く
キズケル ....
誰も知らない海でした、(けしてあなたのほかには)
舟は出てゆく
夏の入り江、あなたの瞳の奥を
白い鳥は羽根を休めることなく
空にすべる手紙
返事はいらない、ただひとこ ....
ブランデーを喉にながす
こくりと飲み込んだうつつは儚い
床にぶちまけたこころの黒さは
いつのまにか天井になり
わたしを覆い隠した、ほし、星のようだ
眠れずにひとの温もりだけを ....
峰と峰とのつなぎ目に鞍部があり、南北の分水嶺となっている
古い大葉菩提樹の木がさわさわと風を漂わせる
峠には旅人が茶化して作った神木と、一合入れの酒の殻が置いてある
岩窟があり、苔や羊歯が入り口 ....
久しぶりに晴れたので
走らせた 川に自転車を しかし
会社に通っていたこの道も
時間がいる 思い出すのに 今では
あの頃の 仲間たちは
今でも 元気でやっているだろうか
苦 ....
なにもいいことが浮かばない空に雲ひとつ
赤い目をしていま
なにを読み
どこを跳ねるのか
あなたは謀った
{ルビ和邇=ワニ}たちの背を戯れ跳ねながら
目指すところへ近づいた時(それは幻想だった)
傲りと嘲りが
鈴のように ....
雨のおとが体に刺さって下に抜けて行く
その先のまちで
男が酒を飲んで煙草を吸い
女が風呂に入り石鹸の香りを嗅ぐ
花は季節に散る
どうということもない
あたたかな食卓が
どれだけに ....
僕の東側から
今日も君が昇った
コーヒーの香りが
ほんのり温かい
他愛無い話に
マーマレードを塗りつけて
右目は美人のアナウンサー
左目は君の笑顔
ベーコンエッグは
半熟 ....
椅子が並んで
たくさんの人が腰掛けています
まるで出発ロビーのようです
周囲の人と
穏やかに語り合っている人たちは
旅支度の割には身軽で
しみじみと
和やかな笑顔も浮かべ
主に ....
【新】
手と手と てとてとてと かさなりあって音がする
足と足 大きな靴のなか小さな足が とてとて動く
とおい日の かげが
わたしを追い抜こうとして とてと 立ち止まる
冷蔵庫に ....
速度を脱ぎ捨てては
肌から新しい速度が広がっていく
夜の残響は低く厳しく
朝の前奏は遥かに
誰かが投げ捨てた栄光を
誰かが見失った感性を
拾い集めては燃料として焚く
このひとつの大気の横 ....
同じ道を歩いた
くり返し歩き
くり返し問い
くり返し答え
水の写経のようになにも
こころの所作だけが
ただ――
くり返し祈った
石の中のロザリオ
沈黙の塵は満ちて
尚も空白 ....
まあ、簡単に言えば
売春なんだけれども
税法上
当たり障りのない
名称を考えた結果
これになったわけ
嘘だけど
雨を呼ぶ声
空をくぐる火
曇の牢に動く影
水の径を追いつづける午後
涙で目を洗うとき
ふと片目に残る光
三日月となり常に静かに
銀と灰を重ねてゆく
多く ....
尼僧の黄色い八重歯秋の蝉
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