昔友達と訪れた日のロンドンで
テムズ川を渡った そこで
目にしたのはトランポリンで飛ぶ子供の姿と
スケボーを滑らす子供の姿だった
波間に
かき置きして
いつもの行動範囲から
少しはみだしたところを
回遊して来たら
ぼくんちでは
ぼくの
葬式を出していた
しょうがないから
ぼくは
ぼくんちのまわりを
グル ....
今日高曇りの空の下、
肉を引き摺り歩いていた
春という大切を
明るみながら覚えていく
妙に浮わついた魂を
押し留めながら、押し留めながら
離れていかないように
剥がれていかないように ....
おとこが夜中にやってくる
そのおとこは生まれたことがないのである
いっしょにゆこう
どこへ
とおくへ
くちびるでかすかに笑っている
いそいそと身を起こして
服を着て出ていこうとすると
....
手綱に導かれながらよろめく
いつの間にか鉛の靴を履いた
老いに削られ痩せ衰えた体
荒々しい息が吐き出される
ひとつひとつ生まれる幻影
熟さず霧散する己を舌で追う
間もなく土に帰 ....
緩やかに
空気が流れる
弥生の宵、
懐かしい匂い
鼻腔を巡り
大気圏から降って来る
息吹く命の源を
ゆっくり静かに呼吸する
ああ、魂はうっとりと
息吹く命の香に包まれ
何 ....
{引用=位相}
90°進むと生まれいずる者の虹
90°遅れると死に去る者のハリケーン
{引用=ガイア理論}
アンコールワットのほとりで佇む老爺
{引用=土間の麒麟}
....
東日本今日は雨だと言っている西日本には雨は降らない
秋という時の流れの中にいる食べ物よりも紅葉が好き
カラオケで歌うよりも聴くのが好き場の雰囲気を盛り上げ係
急激な寒さで夜中目が覚め ....
遠くに見える公園に
自転車で集まった あの日
緑の草が生えているそこにいた
僕の姿は あの日
手のひらの丘を
橇に乗ったヒグマが滑って行く
なんとなく
ユング派にかかりたいと思う
未来の博物館では
ヒトの剥製が祀られるだろう
良い詩をたくさん知っている
ぼくは不眠症だ ....
転倒
坂
林檎
出逢い
期待
坂
落胆
極寒の世界から
春の視界を切り開く
早起きになった
暖かな陽光が
まだ固く閉じている
桜のつぼみたちに
語りかける
さあみんな
もう春だよ
今年は大雪で
ウ ....
一年中買えて
値段も安く
飽きの来ない美味しさ
やわらかくて
歯の負担が少なく
栄養豊富な
すぐれもの
一本づつにわけてから
一本ごとにアイラップを使って
包み込 ....
昔 ベトナムを旅行した日に
戦争歴史博物館に僕は入った
様々な思いを感じさせられながら 展示された写真の数々と
そこで使われたのだと言われる兵器を僕は見ていた
僕はその事実を知ることで ....
イコールの募る恋
いこるのつのるこい
イコールへどんどんと足したどんどんと減る恋
いこるへどんどんとたしたどんどんとへるこい
イコールでなく、辛くぐらつく撫でる ....
桃花の薫る社日に識った酒の味そして兄の聲
家を出て 当てもなしに歩いた
道を渡り 林を抜けただ独りで
ふるさとを 遠く離れて来てしまった
戻ろうにも 路半ばを過ぎてしまった
柔らかな陽光は悴んだ掌を宥めた
のどかな南風は凍っ ....
運動靴のかかとを踏む癖がなおらない
だらしのないかっこうして街を歩くのが性にあってる
そう言えばキスをした事ほとんどなくて
それでも女の体には夢中になれた
本当は根っから寂しがり屋
....
彼女はたぶんセーラームーンなんだと思う
僕の知らないところで世界をまもって
友だちに、おはよう、って笑う
遠目で見る彼女はかわいい女の子
僕には不思議なよくわからない
まつ毛の長さもよく測れ ....
荒れ狂う海を見た
防波堤は決壊し
穏やかな海に遊んだ
日がな一日泳いでは
甘やかな海を味わった
夕げに貝をほじくり食べ
律動絶えない海を聴いた
夜の浜辺に蟹を追い
太陽を溶かす ....
{引用=破産}
意識の定点とその円周上を
時の天幕が覆っている
誕生のS極から
来るべき死のN極へ
時間の一方通行は意識の一方通行だ
後悔のE
憧れのW
キョロキョロくるくる回転し
....
毎日夕方
嫁さんとスーパーマーケットに食材買いに行ってる
十五年落ちの軽自動車で
私のクルマ人生三十年越えたのに
その間に一度も新車買えてなかった
買えたのは他人の手垢がさんざんついたものば ....
塩気の足りないマリネ、お酢を足してみたけど
しょっぱくなったかしら?
背中越しのOKサイン、その向こう側の景色を見ている
話し方を変えてみても他人にはなれない
私の匂いは私に同化してるから
....
そうだね、
戦争があったんだ。たしかに。
私の血の中に流れる色のない祖母の声は、
終戦の真っ青な夏空をしている。
春はどうだったろう。そういえば戦争の春のことを
聞いたことがない。春 ....
二〇一五年八月一日 「恋」
恋については、それが間抜けな誤解から生じたものでも、「うつくしい誤解からはじまったのだ。」と言うべきである。
二〇一五年八月二日 「ディーズ・アイズ。 ....
ゆるやかに自傷
ゆるやかに
もぐもぐもぐもぐ
食べたくないけど 食べちゃうの
もやもやもやもや 晴らすため
ゆるやかに自傷
ゆるやかに
ぷちぷちぷちぷち
....
海よりもとおい海の
浜辺には声の真空があり
水と石だけがきざまれて在る
列島の等高線をきりおとして
おんなたちは口々に
あれが星の曲率なのだとささやく
だがひとえに言ってしまえ ....
有刺鉄線をいじっていたら
異常にこんがらがって溶け始めた
俺の熱のせいか、指先は既に燃えていた
閉じ込められたまま閉じ篭もったまま
砂漠に墜ちたプロペラ飛行機
赤いいきもの達が列を ....
そりゃあ
ガトーショコラのほうが
おいしいでしょう
もちろん
ザッハトルテのほうが
豪華でしょう
でも
毎日食べるとなると
チョコパイさ
値段も
パーティーパックを買え ....
また怒られてしまった
しかし、忘れてしまおう
いや、忘れられるものか
悟りを開かないと出世できんのだ
出世できんと生活出来ねぇんだわ
ぼくはさんざん血を吐いておりまする
でも、解脱 ....
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