わたしには、
嫌いなものがある
それは自動ドアに映るわたしの姿だ
内股歩きの巨体が
いくら進んでも前に行かない
こ ....
                  121128


困難に打ち勝つのが試練だと
プールの中でしがみつく
泳げない子の手を離したら泣かれてしまった
時期尚早だったかなと反省したが
それ以 ....
  
             
眼の中の
草を刈る人たち
そのふむ土に
灰はあるのか
黒く固まる
もうひとつの眼
形状に
手をくわえれば

内部へと
身体を沈めていく

 ....
いろんな天気があって
いろんな空があって

自分で選べるわけじゃないから
ただ黙って歩くしかない

ひとりだと思えばさみしい道も
みんなおなじと思えばがまんもできる

不特定多数のだ ....
虹は空を
支えているいきものです
わすれてはいけない

私のこころが
空にのぼりたがっても
足ふんばってとどめる

まだまだまだ
やることが
やりたいことが
あるから

虹よ ....
冬の季語は陽だまりの猫
私は三匹の寝子の母親だから
人間だけどまどろんでしまおう
北風の中を歩いたところで
ろくな事はないよ
みっともないほど着膨れしてても
身ぐるみ剥がれた樹分でみじめだ ....
気がつけば周りは全部女なり

料理好きいっそ女に産まれれば

女々しいと優しい違い分からない
異国のひとの後ろに並んだ。 
ぷうんと異国の匂いがした。 

異国のひとはその前の背中から 
日本人の淡い匂いを嗅いだ。  

他人の匂いは良く嗅ぐが 
自分の体臭は知らないもの 

 ....
ぼくは右でも左でもなく、ましてや真ん中ではなく、ひとり途の端をいく。 その日消えそうなわたしは
透明になって歩いてた
通りすがりの犬が
おん!
と、高いような低いような声で
わたしを見ながらひとこと吠える
“しっかりしろよ”

曲がり角を曲がったら
突 ....
今年のさくらは覚えていません
きみを想い
あふれる涙を隠すため
うつむいていたから

きみと出会った春でした
あまりにも嬉しくて
あまりにも情けなくて

母さんの力は
この両手だけ ....
見つからない自分を探している              121127

余っても繰り越しは駄目ですよと187億円を使い切る
あっ! 間違えた188億でした・・。
値下がりした国債を買い戻すには少しばかり不足ですねと金融に無 ....
葉書は、
白い壁の長方形の紙の家
うすい、
厚みしかないためにひとりで立つこともできない家
寝転がったまま まだ見ぬ遠い街を夢みているのだろうか
小さな窓がある
そこに灯されるのは あかり ....
両手をそっと前に組み 
瞳を閉じる少女は 
窓から射す日に照らされた母が 
膝の上に開いた本の言葉を 
じっと、聴く―― 

   * 

数十年後、大人になった彼女は 
街中のとあ ....
私は亀ちゃんを生んだ

亀ちゃんとは本人の前では決して使わないあだ名

亀ちゃんは本当にゆっくり成長していく

初めて歯が生えたのは一歳三カ月
初めて歩いたのは一歳八カ月
二歳になって ....
閑散とした海辺のペンションのように

広々と逸脱した時が迎えてくれるのなら

片手間に解いてみるのも良い

この絡まった七色の意図を


だが

雨の指で打たれ続けることばは嘘
 ....
濃い目の紅茶をひとくち舐めて
すすけた砂漠でくるくるとステップを踏む

気をつけて
地雷に触ると危ないよ

金ぴかのさそりに心を噛まれたら
白かった地図がなんとなく退屈になっている

 ....
手のひらを
つかのまだけ
離れてみせる、と

誇らしそうに安らいで
黒髪すやすや

あなたの隣



小鳥の言葉は
拾ってきます

かけらに
なり果てる手前の
懐か ....
あたし ハイヒールの
似合う女になりたかった
白い開襟シャツのブラウスと
黒いタイトスカート
BLUE NOTE クール・ストラッティングの
レコードジャケットみたいな
美しい脚の女に憧れ ....
のぞまれない悲しみは
きっとある

のぞまれない優しさも
きっとある

ひとつ残らず
のぞまれなくても
わたしはここに
立っている



言えず終いの
いたわりがあ ....
           121126



教育期間が終わったんだから
うろうろしていてはいけないよ
オイオイどこに行くんだよ
そこらへんは危険だよ
注意書きもあるだろう
未必の故意で ....
 貿易商の吉田氏は婿養子ではない。
 三十二年前に悩んだ末、帰化の際に夫人の姓を選択したのだ。 
 実際問題、外語表記は簡素に限る。姓のサッタラジャハンニを漢字に直
せば最低五文字を要し、それで ....
バイクの後ろに乗せられて バイバイと
母の実家に行った 四歳の頃
家族と離れて 初めて一人
そんな自覚もないままに
しーんとして広く感じる居間や台所
少し高い所にある黒電話をみつめた
しば ....
四十を越えてややこしいこだわりを見せて引かない女はいない

四十を越えて結婚しないならヘルスを一生の伴侶と思え
 
 
昔、秋田の実家を出て、仙台で暮らしはじめた時に、父が大切にしていたラジカセを、私にくれた。
私は、父のラジカセを、しばらく使っていたけれど、CDプレイヤーもついてなかったので、時代の流れ ....
あなたが珍しく
自ら自分のアルバムを持ち出してきたから
少し不思議だった
「なんとなく」
なんて言うけど
これまで一度も
開いて見せたことなどなかったのに

あなたのアルバムには
当 ....
              121125


急げや急げ
のろまなノルマを追い立てて
波路から陸路を隈無く回れ
クチやかましくせわしなく
イソゲヤイソゲの杖突き立てて
乱暴者がやってく ....
あたしの爪が赤いのは
マニキュアを塗ったからではなく
あなたの身体を突き刺した血で赤いのだ

あたしはいつも
爪に尖った金属をつけている
あなたとこの身を交わすときは

あ ....
食べ物をあてがわれ、私は幸福だった
六畳のフローリングに頬をつけ、わたしはしあわせ

粉末状の光が降り注ぎ、わたしの家もろとも午後2時の町を覆った
その中には学校があり郵便局があり、路地で玉遊 ....
梅昆布茶さんのおすすめリスト(13739)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
『すがたみ』- あおい満 ...自由詩7*12-11-28
試練- あおば自由詩1*12-11-28
声_—デッサン- 前田ふむ ...自由詩612-11-28
あるこう- 朧月自由詩812-11-28
虹の柱- 朧月自由詩512-11-27
北風- salco自由詩5*12-11-27
女に産まれたら?- ペポパン ...川柳6*12-11-27
ひとの匂い_- 服部 剛自由詩412-11-27
- HAL自由詩2*12-11-27
曲がり角の金木犀- miruki自由詩7*12-11-27
うつむいて- 小原あき自由詩6+*12-11-27
見つからない自分を探している- 北大路京 ...自由詩3*12-11-27
習性- あおば自由詩1*12-11-27
紙の家- そらの珊 ...自由詩21*12-11-27
母の声- 服部 剛自由詩612-11-27
私が生んだ亀ちゃん- 夏美かを ...自由詩23+*12-11-27
七色の意図- ただのみ ...自由詩17*12-11-26
なんか本棚で寝ちゃったみたい- カマキリ自由詩7*12-11-26
淡雪- 千波 一 ...自由詩8*12-11-26
【_ハイヒール_】- 泡沫恋歌自由詩11*12-11-26
夢なかば- 千波 一 ...自由詩18*12-11-26
義務- あおば自由詩2*12-11-26
インド人_吉田__(前)- salco散文(批評 ...2*12-11-25
幸せは眠っている- 砂木自由詩15*12-11-25
四十短歌- 花形新次短歌212-11-25
父のラジカセ- 小川 葉散文(批評 ...612-11-25
アルバム- 小原あき自由詩14*12-11-25
フリージア- あおば自由詩5*12-11-25
『鎖』- あおい満 ...自由詩6*12-11-25
平和台マンション- まきしむ自由詩6*12-11-25

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