色覚半半
秋也

朝起きて
カーテンを開ければ
片目の右は色を失い
半分白黒
週刊少年ジャンプ55ページみたい
左から右
スズメバチが私の視界を横断する
鮮やかな黄色の体躯
右に移れば
腹の濃い黒と薄い部分がやや白く
縞模様美しく
世界の美しさは失われていなかった
安堵とともに
濃いめの紅茶を飲もう
味覚も聴覚も正常だ
スズメバチの羽音は遥か遠くに


自由詩 色覚半半 Copyright 秋也 2020-05-20 21:10:18
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