空と海の境に重ねあう嘘 はなふぶきのように
紙吹雪のように

空間を埋めて
ゆっくり舞いながら

アスファルトの路面に
散り落ちては消える

そう
こんなやわらかな雪の日だった

長男の
次男の卒業 ....
わたしたちはそれを知っている
わたしたちはそれについて知らない

刈り入れたものを幸と不幸に仕分け
四角四面の境界で善悪のチェスをする
しかも恣意的に
晴れた日に傘と長靴で出歩く者への嘲笑 ....
日向の床の足もとで
埃を被ったプラグが、独り
あの電流につながる場所を探してる

――僕は、プラグだ  
テレビの台に、よじ登り
画面の前で「おかあさんといっしょ」を
見ていた3才の周が

  ぴょ―――ん

次の瞬間、ケガの防止に備え
台の下にずらしておいた、ソファが
後ろに飛んだちっこ ....
日々の道に転がっている
いくつもの…丸石や尖った石

どちらを拾うか問われているが
世の重力に押され、屈む私は
つい、感情に流れ
尖った石を、手にしてしまう。

尖った石を拾いそうにな ....
やぎさんの
くさのにおいの
するおちち

ぎゅうにゅうより
こい

ちーずにすれば
おいしい

やぎさんをころして
くう

かっておちちを
のんだりすれば

とてもへい ....
途上の果てに途上が永遠に続く程

過程こそ命だったりするのかもしれない

結果の全てを錆びれた勲章のように刹那の時代に留め

天へ行く虫の息を深呼吸の懐の泉 澄む結びに憧憬の界

今を ....
サラリーマンが命を担保に金を借り
建てた家々の集落
書割のような中流階級
文化を支えたピアノ

音の断片が集落の中を
誇らしげに 恥ずかしげに
歩いていたのは何時のころだったか

口 ....
あなたはまだ波をしらない
もみじをふくらましたような幸福な手のひら
でもそのうちにわかるようになる
あなたのなかにも潮があって
みちたりひいたり するのを
そうしてそれが
あなたのから ....
新月 


  新月の夜 一つの石を 拾い上げる 
  波打ち際にいる者は他に誰もいない
  静かに拾い上げると遠い星の
  みたことのない惑星の記憶が めくるめく
  展開し ....
ひと足の途絶えた
深夜の商店街
わずかな気配にも
センサーが反応して
ひとりでに機械が喋りだす


 イラッシャイマセ
 パネルノ番号ニ、シタガッテ
 操作シテクダサイ

 番号 ....
黄色い西日が
うっすらと
家々の窓に手をかざす頃

いよいよ濃くなる
鉛色の空の下
次第に風に削られていく
私は冬

傷ついては修復し
和解しては
なお打ち倒され
ざらざらに荒 ....
たいていは
洗面所に置いてある
プラスチックの小さなコップだ
うっかり注ぎ過ぎると
すぐに溢れてしまう

もちろん
茶碗や湯飲みでもあるけれど
哀しいくらい量産品だから
いつ取り ....
{ルビ九十九=つづら}に折られた時の束ね
行きつ戻りつ
差し挟まれた幾つもの文から萌えて
息吹く面影がある

月が像を失い
奔放な青と黄が眼裏を揺らす夜に
散り積もった悲色の花びらから
 ....
また明日! 笑顔で別れいなくなるどこかで生きているような、死

朝と夜ぼくらは器用に行き来しておはようおやすみおはようおやすみ

死ぬことの本当なんかえいえんに教えてくれずまた春が来る

 ....
庭の片隅にある金柑の木
棘の生えた枝の先に
その日もイモムシがいる

太い緑色の胴に
胸には眼の黒丸
突っつくとオレンジの角が
にゅーっと
その日もイモムシがいる

イモムシはじっ ....
私を吐き出し
それを紡ぐ毎日のような
繰り返し繰り返し
季節と同じように
私もあおあおしてきて
めきめきにょきにょき
新しい私が
生えてきたらいいのに
そうはいかない
それでもじっと ....
夏でも冬でも昼飯はこれが良い
薬味ネギに
わさびを効かせた付け汁で泳がせ
一気にすすり込む

長く伸びたまま食道を抜けることなど
所詮無理な話 かたまって
食道の途中で速度を緩めた
 ....
白い季(とき)の帳は
突然目の前に現れ
薄いスクリーントーンのように
視界を屈折させる

肌に訪れる
乾燥の刺激と
氷点下の憂鬱
眩い雪原の幻惑は
うなだれた首元に
重くのし掛かる ....
グアテマラ

無漂白フィルターの中に入れた
二人分の茶色い粉に
静かに熱湯を回しかける朝
柔らかくふくらむそれらから
好ましい香りが立ち上る
何秒かのち
珈琲がカップに透過していく
 ....
 今日の私の幸福は、朝早く目覚めること。昇る太陽を感じることに感謝する。

 
 今日の私の幸福は、朝御飯を食べること。食べることが出来ることに感謝する。

 今日の私の幸福は、野鳥 ....
 ラムネのガラス球に己の姿を投影する。
 それは映るか映らないかの刹那の希望であった。
 希望は行為である。
 ガラス球には変形した己の色が映し出されているのみであった。

 私はその色 ....
 
わたしらしいわたしがいるらしい

わたしらしくないわたしもいるらしい

わたしは、どちらも知らないけれど



 
あまりもう
友達と呼べる人はいなかった
私はひとり
同世代の家族連れと すれ違う

無印良品には
いつもと変わらない商品
来るべきではなかったと思わされる
いつものアーケードの人混 ....
自由でありたい
重ねている空気層が
体から 心へ触れる

自分を生きる
思い出せ 思い切り

太古の渦に チカリと開く
無遠慮に 絡まり 呑む眼

告げられるのか 否 告げろ
何 ....
一滴の言葉が零れて戯れる水面
幾つもの円が現れて小刻みに揺れている
小さな痛み
やがて拡がっていく苦しみ
透明な水も湖底の泥に掻き混ぜられ
無邪気に太陽を愛したあどけなかった言葉も
汚 ....
1km四方のプールの真ん中で
溺れたふりをしている男
水深はせいぜい膝小僧くらい
懸命すぎるバタ足で
足の親指の生爪を剥がしたのは
まったくの誤算だった

プールサイドのデッキチェア ....
たかじんのさくら

すこしだけほんとうの悪意を混ぜておけば

あとはぜんぶ嘘でも善意に見えてしまうのだ


つるりとした少年のような

興福寺の阿修羅像のような顔をしている

た ....
ひとりでダンス?
いいえ
風がわたしのパートナー
わたしを見つめてください
あの方の姿が
見えてくるでしょう

わたしは木
いいえ
わたしは奇異です奇行です
見えない何かを
可視 ....
梅昆布茶さんのおすすめリスト(13736)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空と海の境に重ねあう嘘- 北大路京 ...自由詩915-3-15
卒業の日- Lucy自由詩10*15-3-14
_それ- ただのみ ...自由詩17*15-3-14
黒いプラグ- 服部 剛自由詩615-3-13
父の祈り___- 服部 剛自由詩515-3-13
石の顔- 服部 剛自由詩415-3-13
やぎさん- ドクダミ ...自由詩115-3-13
過程の空- 朝焼彩茜 ...自由詩12*15-3-13
ピアノの去った日に- イナエ自由詩16*15-3-13
- はるな自由詩515-3-12
つきのない日に- るるりら携帯写真+ ...9*15-3-12
【_無人の街で_】- 泡沫恋歌自由詩17*15-3-12
私は冬- Lucy自由詩11*15-3-11
- nonya自由詩16*15-3-11
こぼれる- ただのみ ...自由詩18*15-3-11
リ・ターン- そらの珊 ...短歌815-3-11
幼虫- ……とあ ...自由詩9*15-3-11
紡ぐ私- 灰泥軽茶自由詩1415-3-10
年を取るとはこういうことかーざるそばー- イナエ自由詩15*15-3-10
晩秋から- ……とあ ...自由詩7*15-3-9
世界のどこかに存在しているあなたへ- そらの珊 ...自由詩15*15-3-9
今日の私の幸福は- ヒヤシン ...自由詩6*15-3-9
遠吠え- ヒヤシン ...自由詩10*15-3-9
知らない- 殿上 童自由詩16*15-3-9
- 番田 自由詩215-3-8
燃える杖- 砂木自由詩9*15-3-8
アラベスク- 乱太郎自由詩12*15-3-8
呪縛- nonya自由詩10*15-3-8
たかじんのさくら- 吉岡ペペ ...自由詩215-3-8
ダンス- ただのみ ...自由詩15*15-3-7

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