「ひとはなぜ生きているのかなぁー?」
「うまれたからさ」
まつりごともかみさまも
しんじないあなたはそういった
戦争に反対するお父さんとお母さん
こどものわたしは
ベトナム帰還兵とおな ....
おれの素晴らしき我家の隣には狂人が住んでいて、朝から晩までこちらの暮らしに聞き耳を立てている、頭を掻く音、鼻を掻く音、耳を掻く音、歯を磨く音、すべての音に文句を言って、それでまともだと思ってい ....
「疼痛発作の周期が短くなっているんですが」
私がそう言えば
「疼痛発作で死ぬことは
前から言っている通りあり得ません」
カルテを見ながら無表情に応える医者
死んで新例作ってや ....
上を向いて歩こう
が
BGMに流れてる
もう
最後の花束は
貴方の胸に飾られた
貴方は
生粋の大阪気質で
ほら おととしの父さんのとき
斎場の菓子パンを
残らず全部持ち帰っ ....
脳の誤作動だったのだ
満月がこんなにも喝采されるのは
月は暦を変えられないことの杭を打ち込まれているかのようで
好きになれなかった
あなたの中に住まう狩人は
おぼろげな兎の陰に矢を放 ....
光を打つものの影が
空に映り揺らめいている
二本の穂の墓
影が影に寄り添ううた
切り落とされても切り落とされても
見えない部位は羽ばたきつづけ
音の無い風が生ま ....
冷たい雨音を遮りながら
仕事帰りに紺色の雨傘は
静かに溜息をついていた
鉄道駅に着いたので
ちょうど雨傘をたたもうとして
夜空を閉じるときに
満月がみえると本当はいいのにねと
何か反実仮 ....
さよならを告げた記憶はないけれど自転車はもう錆びついていた
お返事を書くか書かぬか迷ってるヤギはいくぶんヒツジに似てる
降り注ぐ光のすべてうけとめるここはあまりに硝子張りです
みなぞ ....
東京にゴジラが現れたとしても
北の国ではいつものように雪が深々と降る
明日は猛烈な突風も予想されるからと
二日分の食料品を備蓄して下さいと報道されたが
それは遠くアルゼンチン沖のせいなのだ ....
秋。
夕日がくたあーっと疲れてて
その肩を
もみもみしてあげたいなーなんて
でも夕日の肩なんかもみもみしたら
あったかくて思わず
夕日の背中に抱き付いちゃう
「ちょっとーちゃんと ....
踏み付けられた
つぶされた
わたしはそれでも
生きている
揉みくちゃになり
みっともない
姿になっても
生きている
茎が折れて
羽根のような葉もちぎれ ....
詩作においては
私今とても
低迷しております
気取ってそう書いて
自問
低迷・・って わかる?
低く迷うって書くんだよ
たしかに
では
高くまっすぐ行きたいのか
青空を横切る
戦 ....
むかし
凍えて死にかけた野良猫を
お風呂で温めて助けた
その猫はそれから
私がお風呂に入ると
いつもお風呂場にやってきた
洗面器にお湯を入れてやると
自分からお湯に浸かり
静か ....
この夜に目が覚め
この夜底に触れる
私にはもはや
親兄弟家族親族はなく
現世的無縁仏だ
円やかな現世孤児だ
そこでは
私という存在が剥き出しで
そこでは
私という存在が真っ裸 ....
さようならアメリカ
たぶんぼくはアメリカが好きだった
ジーンズが好きだった
コーラが好きだった
ポテトチップスも好きだった
さようならアメリカ
自由と平等と人種差別の国よ
民主的で覇権的 ....
こんな俺だからこうなんだ
どこまで我慢したら我慢になるんだ
すべては生き方のために
どんな歩みだしになるとしても
まっしろな紙のうえで転がる石のように
ほっさなう
....
東京にいるときゃ
キッコと名乗ったの
逗子では
ブラックマンと
名乗ったの
名前を変えても
変わらぬ残り香が
いつでも
私をマユミにするわ
昔の名前で出ています
私の意識の後ろで
踊る私がいる
簡素な服で
裸足で
踊りつづけている
その踊る身体は
現に此処に在る私の身体よりも
ずっとしなやかで
烈しい
私の奥に散る火花のありさまを ....
お伽話
銀河の向こうに君がいた
禁断の実は渦の中
迷い込んだら逃げ出せない
小さな小さな恋のお話しで瞼が閉じて
朝の雫が落ちたとき
ぶらんこに揺れながら笑う君
....
大口病院の類いが
死にかけた
ジジイババアでは飽きたらず
コンビニおでんに目をつけたらと
その無防備な姿を見るにつけ
いつも不安に思う
死なないまでも
鼻くそ入れて
ほくそ笑んでい ....
161016
モンブランに登ったきり
息子達はまだ帰らない
静止衛星も知らないと言う
3番茶を飲みながらしみじみと語る
和菓子屋の正面にはケーキ屋さん
栗の季節を迎え ....
大切な人が死んだとき
勿論、ぼくは生 ....
昨日久しぶりに友人に会い
私はカフェの片隅で 私の そして
あまり面白くはない話をしていた しかし
あたりは暗くなった
オープンテラスのカフェだった
いつも賑わっていた
しか ....
立てかけたエレクトリックベースの
三絃のペグが反射して
眼球の面をにわかにすべりながら
谷底に微かな光を届けている
祈る女の言葉に
二つに引き裂かれたのだ
気が付けばカエルやコウモリばかり ....
沈殿する鉛の溶液
筏の上を旋回する風
雨燕の航跡に
月の光を編み込んで
透かし見る夕暮れの
押しボタン式信号機
「おつきさまはついてくるんだよ
ほらずっとみててごらん」 ....
自分を赦せないほどに朝が好きで
自分を騙せないほどに明日を待っている
償えない森羅万象への数数を軽く、靴で踏みながら
今日も生きていくことを
省みるようにと
春の梢が歌っても
腰のまがった老人はめったに見なくなった
まがった腰で
ヨッコラショと
風呂敷をしょった爺ちゃん婆ちゃんは
わたしが子供のころの爺ちゃん婆ちゃんだ
農村や漁村では今だって
腰のまがった老人 ....
どんなことを言おうと
そりゃまあ 自由ですけどね
だからといって 妄想したことを
有ったようにしゃべりちらしちゃいけませんわな
妄想だよってしゃべりゃいいだろうな
想像だよってしゃ ....
言葉を持たずにふわっとなってふわっとした場所にふわっと帰る。
あるいて帰る。さんぽしたりひきこもったりして帰る。
帰り道、言葉にひらひらと手を振って、「さよなら」と言った。
ふわっとした ....
ぼくには海がある
山がある
大地がある
宇宙がある
じぶんに都合がいいところに行けばいい
深夜
腹痛で目をさまし
あなたのなまえを呼ぶ
神のなまえ
....
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