見知らぬ駅に降り立つ夢、駅の名も、電信柱に括りつけられたスピーカーから流れているローカルラジオの内容も、その時電話していた相手の名前も、その内容も、駅側のモニュメントのところで出会った年配の男のこ ....
ゴルフ好きの先輩に連れられゴルフ場手取り足取り指導が入る
飼い猫は私以外に懐かない大好きなもの見せても逃げる
コロコロと天候変わり落ち着かず雷も鳴り賑やかな日
マシュマロを三つ食べれ ....
信ちゃんはね。本当は信子と言ったんだ。
でもね、お世辞にも可愛くなかったし、美人でもなかったな。
ただ庶民的で気どらない親しみやすい女子だった。
信ちゃんはね、俺みたいな男にも気軽に話しかけてく ....
墓参り高台にあり景色いいご先祖様に近づいた気分
散歩して季節の良さを体感する頬を伝った風のメッセージ
以前から街で有名なたこ焼き屋食べ歩きして生み出した味
牡蠣筏広島湾に浮いている大 ....
辟易してしまう
理性的な頭でいられる
自分の中で粉散する
超越的態度を
現象に
そうだ
不条理な現象を
他人事として
語る自分のそれは
天才的正論を舌して
悦に没我して ....
お母さんは壊れています
だから私も壊れています
それは決して運命などではなく
残酷で客観的な確率の結果です
私が小さな赤ん坊だった頃から
お母さんは自分の狂気だけを愛した
空腹に泣き叫 ....
空間に貼り付いた言葉
人差し指ひとつで文字は消える
腸内視鏡/素描
それが私の詩
仮に詩人というカタチが図表に存在するならば
喜んでわたしは詩人を受け入れよう
何故ならば詩人と ....
改札口から人が出てくる
そんなこと言って
出てくるのが人である
時々そんなことがる
自分の部屋が改札口に直結している人は便利な反面
人の出入が多くて大変だし、退屈もするし
僕はそんな時
....
坂の下は霊魂の溜まり場だった
降りて行ってはいけない と彼女に言われた
彼女は二十四の歳に逝ったままの若さだった
その代わりにある家を見て欲しいと言う
二階に八畳間が二つ在るのだけれど何か変な ....
人は変わります
見えるものも
見えないものも変わってしまいます
時間の経過に
歳月に
貴方のお気持ちは嬉しいです
貴方の言葉は心地よくあたしの胸に響きました
貴方が一途にあた ....
ことばがぜんぶ死んで
人類が残ってしまった
だからぼくはきみを
ただ見つめることにした
白目に走る すこしだけ赤い血管
その茶色いひとみのなかの虹
ぼくたちは退化して
足がなくなって ....
固まった雪の中の
アスファルトは、なぜか、あたたかくて
歩道に車を乗りあげ
樹氷を断ち割ったあとの、氷雪を、踏み固め
青空を信じて、いく
白雪を撫でて、いく
世界を変える青 ....
月夜にしか会わないこと
愛してるとは言わないこと
そして、キスすること
君のほっぺた、むにむに、君の太もも、むにむに。
君のむにむに、君だけのむにむに、唯一無二無二。
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さよならさえも言えない
あの人は
何と戦っていると言うんだろう
その瞳に映る空には
青
が見えない
26
どこまでも続きそうなきれいな道路を走る
ど ....
君の顔が懐かしくなる
静謐な冬の午後三時
僕は最寄りのコンビニで
アイスコーヒーを飲んでいる
誰も居ないイートインに
西陽が優しく射し込んで
無数の影が踊っている
自分の影もその内に ....
てくてく歩くのに疲れたら、くてくて歩けばいいさ。
道中に見つけた酒場で、ぐでんぐでんになっちまおうぜ。
戸外にいる気分を味わいたくって、
セブンイレブンから缶コーヒーを買ってきた。
ああ、街中には僕たちが一息つけるところなんでもうわずかしかない。
(そうでない人たちもいるのだろう)
君は君自 ....
私が喫茶店の一隅に座ると
非人称の意識が渦を巻き始めた
)眼前のアイスコーヒーはシャリシャリ音を立てて波打ち
)ガラス張りの向こうは久々の晴天で
)遠くで笑う老人の顔はとても幸せそうだ
....
私が大嫌いなお正月を
母がどんなに楽しみにしていたか
考えると涙が出てくる
少しボケたせいか
鯛のお頭が二つ買ってあった
目の前の
馬鈴薯と玉葱の炒めものは
たった一枚の皿であれ
時と所により
どれほどの幸いを、もたらすだろう
進行速度の遅い
乱気流は鈴鹿山脈を越え
大阪平野にフェーン現象を招き
一月の最高気温レコードとなった
毘盧遮那仏よ
立ち出でよ
吐息一風
悪政を焼き払え
....
どれだけ着込んでも
どれだけ暖房を強くしても
寒さを凌ぐ方法をぼくはまだ知らない
寒いのは冬だからじゃない
寒いのは一人だからじゃない
氷点下を感じているのは
身体ではなくぼくの心
....
波間で
花びらを
持とうとする
すごい 忘却の速さで
水のように
貴方の部屋にいた
そのことのすべてを
分かろうとするけれど
とても ....
パンはもうすぐ焼けると思う
夜が来たり
雨が降ったりする
人間の気持ちを傷つけたくて仕方がないときがあり
着替えて
街を廻る
そんなふうに
蓋をして
砂みたいになっていく
....
悲しみを癒してくれるのは
時の流れなのかもしれない
悲しみを救ってくれるのは
寄り添ってくれる愛なのかもしれない
しかし
ぼくらはただ知らないだけなのかもしれない
もしかしたら
....
木立ちを抜けていくのが
私たちの木立ち
だからすっかり抜けてしまうと
教室がある
先生は、と先生が言うと
先生は、と復唱する私たち
やがて始業のチャイムが鳴り
つまりそれは
....
眼が在り映り凝視し続ける眼に
脳裏の戦場の消えない殺し合いか
眼前の草むらの子供らの激しい絡み合いか
展開され焼き付けられるその光景
草むらの草いきれも
左足にぐるぐる巻かれた包帯の ....
デートの日急な用事で駄目になる雨降りそうな心の景色
僕は今冬と春の間にいる中途半端な生ぬるい風
神楽見て昔の景色見え隠れ殻を破ったスーパー神楽
桜から魅力が溢れ出ていると周りから聞こ ....
見えていないから指先に触れて
輪郭を描く
知りえないものを
自明と思い込み
書き足さなければならない線など
もうないと
絵の具を塗る
好きな色
みなさんにお馴染みの色
私だけに
見 ....
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