香る。見える。
金木犀と遠く突き抜けるような空
何年経とうが鼻の奥に、目蓋の裏にあるのだから

泣くほどのことでもない。
「思い出す」と書くには頻繁すぎるほど
些細なことが引き金になって
 ....
せまい壁と壁のあいだを行き来するボール、失速しながら遠のいていく。
そのようにして日々が行く、茂った葉も黄色く力尽きる。
もう二度と会わないと決めた人には簡単に遭遇してしまうのに、続けようとも ....
八朔が食べたい
いまは季節じゃない
けれどそう思ってしまった
こうなるともう
居ても立ってもいられず
ただただ八朔が食べたい
近所のスーパーにも
コンビニにもデパートにも売ってない
遠 ....
青だ
眩暈するような青空が
地震の翌日に広がって
雄大な弧を描き
流れていくいわし雲
金木犀の大木が
あまやかな匂いを散布して
のどかな秋の日を彩ります

街の機械工場の昼飯時
サ ....
スーパーから貰ってきた氷を入れた
砂糖入りのアイスコーヒーを飲みながら
これからの未来について思いを馳せる
日本の食料不足の問題が
深刻な状態にならないことを強く願いながら
食品の値段が上が ....
 仕事を終え
 帰宅した父は  
 酒とテレビと新聞で
 眠りました

 引っ越しの際には 
 3階への踊り場から
 下りていきました
  
 車の運転席に戻ると
 静かに ....
 

 嘆く人の呟き
 呟きのなかの

 きみはきみの
 多様を生きる
 
 その眩しさの
 一つ眼を閉じ

 指に照らすは
 その人の見る
 行ったことも、きっと行くこともない都会の駅は
 そのことばで
 ジャックとやらをされたのだという

 〈今日の仕事は、楽しみですか。〉

 はい、わたしの揚げているこのコロッケが
 今 ....
夜の空気
夜の雰囲気
夜の独特な世界

窮屈に感じない静寂
寧ろ開放感に浸れる

不思議な夜
独りでも寂しくない
想像力が豊かになる

テレビはつけていない
つけると気が散って ....
戴帽式だった。
みんなが楽しそうに浮かれているなかで、
1人この時間を呪っていた。
時間か過ぎることは知っている
それなのに嫌な時間というのは、逃げ場がないだけに、
永遠に続くかのように感じ ....
タバコも
甘いソイ・ラテも
氷入りのコーラも
あるのに
何故か、心は晴れない
今日は嫌なことから片付けよう
ご飯、食べたくなかったら
食べなければいい
コーラ、飲みたくないなら
飲ま ....
昔、新卒で入った会社のことを、時々思い出すことがある。研修のため、倉庫でcという男といつも品出しをしていたことを。千葉県の柏にあった倉庫で、良く晴れた日には、時々、林の中を遠くに歩いていったものだった .... ときの過ぎゆく速さを
だれに
訊ねれば、いい?

嘘ついてんだろッ!
ってくらい
今もう秋になってる

優しくて、暖かい人もいた。
私の最愛の。


うそみたい。

 ....
パブロはそこで待っている
ディエゴと向かい合って
ホセがやって来るのを
フランシスコは鏡を見つめ
デ・パウラはコーヒーをすすり
ホアンは角砂糖をかじり
ネポムセーノはタバコをくわえ
チプ ....
開かずの間とは、既に中身を失った空間のことをいう。
脱出成功した私の前のドアの向こうにもはや過去は存在しない。
あの人は少なからず蜂蜜のように私の心に残っていて、
私は時々それをこそげて舐めてい ....
明日なんかもうなくなってもうた後の
最後の郵便局へ
俺は行ってきた
それでも速達で送る小包を
預けて帰ってきたんやった

もう朝起きんでもよくて
今日夜寝んでもええとなると
不眠症なん ....
いちまいのやわらかな和紙だったね
わたしたち
淡い夕空に星の 輝くような
やぶられて
ふわふわの 端っこが
互いに 手を差し伸べても
又 一枚になれることは
わたしたち
ないのだね
 ....
ときおり
訪れる
叫びの衝動
だけど
そいつを
信じてしまったら
たぶん
終わりの始まりだろう


暖かいとも
冷たいとも
言いがたい
どっちつかずの夜
寝床の中で
 ....
ちょっとした工夫で
大変だったシェーバーの手入れが

驚くほど楽になった

使っているのは
PHILIPSのシェーバーで

小さな円形の刃が3つのタイプ

剃ったひげクズが
すぐ ....
犬が吠えている
熱する陽射し
蟻たちが隊列を組む
したたる汗

動かない空気
ぼうと
天を仰ぎ見る
眩めく視界
どよめく一日

過ぎゆく時の間に間に
救われない思いを浮かべる
 ....
だれに泣き言をいえばいいの?

気がつけば、そういうことをいう相手が
いなくなっていた
たったの一人も、だ。

うそみたい。

この夏になって気づくなんて。

今まで、 ....
僕は昔、中目黒からの帰り道を、土屋という名の男と歩いていた。上司に連れられて行ったバーからの帰り、交通手段はなく、タクシーに乗る金もなく、五反田までの一本道を必死で歩いて二人で事務所にまで僕は戻ってい .... 靴が脱げた
いや
脱げかかっている
右足だけ
白いスニーカー
薄汚れている

このまま脱いでしまおうか
立ち止まって
立ち直って
履き直そうか
左はなんともないのに
右だけ脱げ ....
一日が
沈む

美しすぎる
ぱすてる
暴力のない家庭で育った子どもたちは幸福だが、おそらく今も昔も世界中の子どもたちが厳しすぎる躾けや暴力の犠牲になってきたのだと思う。そういう心に傷を負った大人たちが、この世界に光を、あるいは闇をもたらそ .... こんな日に君を思う意味はある
こんな日に君を思う意味、
もう会えない確率の方が高く
嫌われてしまっている現実を差し引いても
好きな人が居たことの記憶に
すがれるなら
こんな日に君を思う意味 ....
小麦が世界的に不足していることを
昨日、ネットの動画で初めて知った
農林水産業従事者の高齢化と
後継者不足と外国人労働者依存の現状が
とても厳しい状態にあること
その為、日本の農林水産業の未 ....
樹間から
覗く秋晴れの青、
ふるふる震え
金木犀の香が舞う夕べ、
時はすっかり透き通り
遠い記憶の余韻が響く

)何があったか
)細かいことは忘れちまったが
)ただ喜びと懐かしさだけ ....
空は曇り


街は曇り ビルの谷間の 冷えたぬくもりに躓き  吹き抜けるかぜ  なぜ と  灰とかげ──背広の音色が波のように行き交う歩道に落としたピルは
奈落の白い底


騙したあとの ....
君の翅を食べた
君がそうすることを望んだから
君の翅はよくできたお菓子のように
心地よい甘さで
もろくあわく溶けていった
最後に君の背に残る
翅のついていた痕をそっとなぞると
それも夢の ....
梅昆布茶さんのおすすめリスト(13736)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
秋の。- 印あかり自由詩12*21-10-8
メモ- はるな散文(批評 ...221-10-8
八朔食べたい- 坂本瞳子自由詩321-10-8
地震の翌日に- ひだかた ...自由詩421-10-8
ほんの一時の快感に酔う秋の夜- ジム・プ ...自由詩2*21-10-8
父のこと- 津煙保存自由詩2*21-10-8
人の光- 津煙保存自由詩5*21-10-8
コロッケ譚- 平瀬たか ...自由詩4*21-10-8
不思議な夜- 夏川ゆう自由詩321-10-8
戴帽式- 杏っ子自由詩221-10-8
煤けた部屋で一人、唇を噛みしめる- ジム・プ ...自由詩2*21-10-8
Cといた会社- 番田 散文(批評 ...221-10-8
ただ、過ぎゆく時の速さを- 秋葉竹自由詩121-10-7
ピカソに寄せて- 坂本瞳子自由詩121-10-7
開かずの間と蜂蜜と- 杏っ子自由詩121-10-7
明日なんかなくなってしまった- 奥畑 梨 ...自由詩321-10-7
北へ- 田中修子自由詩521-10-7
ありがとう、おやすみ- ホロウ・ ...自由詩4*21-10-7
楽になったシェーバーの手入れ- st自由詩321-10-7
熱射- ひだかた ...自由詩421-10-6
こぼすな、涙- 秋葉竹自由詩121-10-6
夜の山手通りを- 番田 散文(批評 ...121-10-6
剥き出しにしたい踵- 坂本瞳子自由詩321-10-5
いんすた- 津煙保存自由詩2*21-10-5
修羅の星- atsuchan69自由詩3*21-10-5
こんな日に君を思う意味について- 杏っ子自由詩221-10-5
未来- ジム・プ ...自由詩1*21-10-5
残響- ひだかた ...自由詩621-10-5
- 末下りょ ...自由詩6*21-10-5
君の翅- 塔野夏子自由詩13*21-10-5

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