金があれば と言うけれど
あったらあったで目先のものに使ってしまう
時間があれば と言うけれど
あったらあったで無駄な時間も増やしてしまう
もっと自由があれば とも言うが
自由の ....
成分非表示
1本のソーセージを自我とする
貫く串はリビドー又は時間軸だろう
小麦粉と溶き卵、それに砂糖
このブ厚い衣が自尊心
適温の食用油で適宜に揚げる
これは処世術 ....
ことしは少ないような気がする
旅の途中や旅先で
なんかあったのだろうか
それともこの国が
嫌になってしまったのだろうか
なにを感じて渡り鳥
どっちがふるさと渡り ....
わが一歩 一応は一歩進む
道に穴だ 二歩さがる
すこしずらして 一歩進む
空気がない すごすご引き返す
しゃがんで一歩 こっそり出す
いきなり水の中だ 鰓がなくて溺死
科学は日進月歩 ....
うちのベランダに
よさげな苔が生えている
コンクリートのひびから
もこもここと
ふさりふさりと
緑色からエメラルドグリーンへ
鈍く光っていき
それはなんだかシ ....
あたしは あたしの 速さで
あたしの 歩き方で
あたしの 気ままな お気に入りのルートで
今はまだ ぼんやりとしか見えない目的地までゆこう
のんびりゆったりキョロキ ....
{画像=120624184853.jpg}
突然の雨に読みかけの新聞を掲げ
歩き出すと
ポタポタ
新聞紙に残る雨痕は
不思議に一定方向に跳ねが伸びて
跳んで
僕は誘われて歩いて行 ....
ばいばいアリス
叶わない夢はもう見ない事にしたの
ばいばいアリス
ウサギには到底追いつけなかったの
ばいばいアリス
わたし今日女になったの
....
抱き寄せるために
回した左手が
肩に届かず
女子自由形
中国の
重量級に
押さえられ
抵抗できず
もう好きにして
鬼太郎と
ねずみ男が
ラリーする ....
あなたはまるで
サボテンに触れたように
優しくわたしを傷付けました
作った笑顔は見飽きたし
優しい嘘は聞き飽きました
あなたわたしを殴ってください
そし ....
笑えない世の中だ
煙を吹く原発
横転する旅行バス
国営の犯罪者用ホテルに泊まるため
行きずりの他人を切り刻む失業者
約束をほごにして 胸を張る政治家
不眠に悩む中学生に 身体を売る女子高生 ....
道に沿って歩いていくときに
目を閉じた
東京タワーの寝言が聴こえた
おやすみなさい。
安らかに
誰の優しさ汚すこともなく
眠りに就くあなたを見守ろう
昨日見た飛行船の夢が
今日 ....
あらゆる人類が
少しずつ消滅してゆく
それぞれがそれぞれの
夢を貴く見ながら
きっと生物というのは絶滅する時
慌てふためいて醜く今のように様々な事を叫びながら
消えていく ....
よう、あんた誰だい
俺のことを知りたいのかい、たとえば俺がどんなやつで
どんなことをして暮らしているか知りたいのかい
俺は皮剥ぎさ
毎日人間の皮をはいで暮らして ....
{引用=
ひとつの魂でゆける距離には、限りがあり、人が泣きたくなるときには、
そこにたどりつけないことを既に知らされている、夏の舌を通過する中
央線、転がる発泡酒の空き缶、そのなかには、いくつも ....
<破れた紙片に文字が記されている……>
まず両足を肩幅に開いてまっすぐ立ちます。
次にアルタ・マヴラ水行式を起動します。
ベッダ部分をアーレイ位置からワンギュラ位置へ移動 ....
不意に、息子がおれの手を握った。
思い返すと、おれが父の手に触れたのは、三回、その時を、今でも鮮明に覚えている。
はじめて父に、釣りに連れて行ってもらった時、土を掘って、ミミズ ....
紫陽花の色が変わってゆく様を観察してるきみに言われて
カラコンをしている違うきみの目に映る無数の紫陽花の色
思い出す豪雨の海辺で見た脚と深い紫いろの紫陽花
六月の ....
目が覚めると、またあの頃の夢でした。
そうね、ちょっと歪んでいるけれど、
僕が、居ました。
皆、居ました。
まどろっこしい試験なんて受けて、
腹が寂しがって泣いていました。
僕は恥ずかしさ ....
電車の
先頭車両の
運転席の
後ろに陣取って
景色の中に
割り込むように
のびていくレールを
眺めるのが好きだった
クハ モハ クモハ サハ
駅に
着くたびに
一息入 ....
ゆきちゃんは あさ
かさをさし 長靴をはいて
雨のなかの花にあいさつする
話しかける
おじぎをする
おはよう さようなら
きょうなにたべるってたずねている
....
ウンコして
流さないのは
嫌がらせ?
それとも誰かに
見せたいのか?
【作者あとがき】
変態短歌シリーズも99という大変切りのいい数に達し、めでたく終了の運びとなった。
言う ....
夜の街から朝の街へ
区切りをつけずに酒三昧
朝の街へと出掛けてみれば
誰もが皺も寄らないスーツ姿
僕はよれよれスーツで
満員電車と反対のがら空き方向
毎夜毎夜じゃないけれど
....
おまんま喰わせてあげると
嘘吐いて 漸く手に入れた
幸せの砂
砂の重みは一人分
風に吹かれてさらさらさらさら
綺麗なべべ着せてあげると
嘘吐いて 漸く手に入れた
幸せの砂
....
壁に吊されて
忘れたいことなどありはしない
色とりどりの画鋲が
それぞれの過去を留める
僕は整理できない
だから
貼っておきたいんだ
伝言板のように
メモみたいな思い出から
....
梅雨時になると
もうそろそろかな、と思う
雨上がりの庭で
もうそろそろかな、と思う
君と
言葉を交わしたことはないけれど
君のことは
勝手にトモダチだと思ってるから
カエル ....
同じ格好した仏像さんが二、三十
指の腹で撫でながら
ひょいっとひとつ持ち上げたら
あぁこのおもさがちょうどよい
ひんやりどくどく
てのひらの中から身体の中へ
巡る巡 ....
美人にもブスにも無言皐月富士
軸足に体重のせて茄子の花
ケータイが鳴らないままで梅雨入りす
焼酎を焼酎で割り狭い部屋
ビードロに息を吹き込む人魚姫
境内のいたるところに蝉 ....
舌を切られた者はともかく
一度口に放り込まれたら
二度とキャンディーの味は忘れられない
どんな果実よりそれは甘く
どんな甘味より刺激が強く
思うだに唾液が溢れ
食べ続けても満腹感は決して来 ....
愛する雨 自由を解釈させる雨
掘り下げても 憂鬱になんてさせない 自由を解釈させる
愛する雨
問えない芸術が化けてる細胞の核
幸い瞬きに 遅いと感じる瞳
愛する雨 物語 ....
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