何かに包まれているこの感触
   背中から気泡の溜まり
  次第に全身が温かく
 ジワジワと熱く
そう、
背後から背後から
 くんにゃりと曲がり溶けながら
  流れ込んで来るコレハナ ....
白い駅のベンチに
坐っていると
うつろな心臓を
ひとつの喪が
列車のように通過してゆく

それとは関わりのない
やわらかな事象として
少し離れたところに
色とりどりのチュ ....
鉢植えはすぐ枯れてしまった
だから爪を切った
爪はすぐに伸びてしまう
だから穴をあけた
穴はすぐに乾いてしまう
だから夜を買った
日はあっという間に登った
だから日傘を買った
 ....
絶望に負けたくない、と
娘が言った

絶望を知ったのかと
私が絶望した

悲しみにも負けたくない、と
娘が笑った

娘が隠している涙に気づいて
私が泣いた

この子は
強いん ....
石の中から掴みだし
ほとばしる火の
洗礼により
おまえ打たれ
錬られ砥がれ
握られた人と共にあって

土を切り開き
木を切り倒し
人を切り裂いて
国を興しまた滅ぼし
繁栄と文化
 ....
きみはぼくの知らないところで、ぼくの知らない人と知らないことをしているってことを、ぼくはきみから教えてもらった。スイッチはぼくが切ったはずなのに、きみは自由にオンオフできるようになったんだね。いつ ....      朝目覚めると空のコップが
     ひとつ置かれている
     わたしは満たす
     さわやかな空の青さ
     もうすぐ咲くだろう蕾の息遣い
     少し焦げた目玉焼き ....
吐き気を呼ぶバロックが
鍵盤に叩きつけられている
CDジャケットを見ればピアニスト
理由に気づき 音を消した

やすらぐためにそつなく選んだつもりだった
その曲がその曲のせいではなく
弾 ....
青い空、激しく吹く風に森は揺れ
緑に照り輝く光の中を
子供が一人、走り回る
嬌声を上げ一心不乱、
お手上げ顔の母親を中心に
笑顔弾けてグルグルグルグル
生きている歓喜が円を描く

銀の ....
鳥は、
空を空と名づけない。
鳥たちにとって空こそが、
果てしない大地だから。
鳥たちは、
彼らは翔ぶことを意識しない。
彼らは空を駆けている。
全速力で、遠く、遠く。

魚は、
 ....
言の音の流星群、
押し寄せて来る押し寄せて来る
それぞれの重力圏から脱却し
自由に宇宙に自由に煌めき

アメーバ状に広がる歪な触手、
力溢れる造形立ち上げては
離散する透明雨滴と流れ
 ....
カラン
カタン
コトン

いろいろ集めた オノマトペ
どれが 似合うかなあ

鏡の前の少女に
トンネルを差し出す

暗がりの中
ちょっと 寒いけれど
勇気は あるかい?

 ....
地上の夜がすぎさって
ぼくはずっと散歩してた
ように思う
すべては 夜の中

さびしいひと
無理でもげんきになって
また、体を出しにいく

夜の中で
あすになるまで待ってら ....
空を歩く音
屋根を歩く音
鏡に残る
ひとりの光


夜の蓋を投げ捨て
ふたたび拾い
わずかに溜まった雨をすする
冬しか居ない水紋を


夕方に飛び 夕方に降 ....
憎しみが始まる
気づかぬうちに

理由も動機もないまま
操られ

私の敵は
君じゃない
君が憎むのも
私ではない

互いに見えないのだから
気にすることはない
なのに
君の ....
ぽろぽろあまだれ
跳ね蛙スローモーション
滲む文様から浮かんだ島
鳥に紛れ白髪女ひとり
永い束ねを千切る声震わせて
ふたつみつの影を漉く
ひと筆の青さもない
そら背負ってうみは来る
  ....
かつてきんいろの風渡る風景を持っていた胸には
いま寂寞としたはいいろのさびしさのみ置かれ
泉のなく息吹のなく色彩もない体温のない
さびしさのみ置かれ

帰りたいのに果たしてふるさとがない私、 ....
互いにハシゴをはずしあった

ぼくらはあまりにキズつきすぎた

想像してあげることが愛ならば

愛はもうぼくらのからだにはキツすぎた


アスファルトを低く花びらが渡っていく

 ....
王様は旅の途中だったようです

お付きの者たちはみな逃げてしまったのだそうです

王様のいびきがものすごいので
ただ歩くだけの旅がつまらないので
王様一人でも大丈夫そうなので
実際悪人に ....
もみの木のてっぺんで何してやがる
季節外れの煤けたお星様って訳じゃあるまいし
カラスのくせに風見の真似か なに
風は見るものじゃない 乗るものだって?
違いない 世のなか乗ったもん勝ちよ
だ ....
トマト
セロリ
タマネギ
ニンジン
ジャガイモ
インゲン豆
マッシュルーム
鶏モモ肉
ベーコン
ニンニク
ショウガ
パセリ
ローズマリー
タイム

大地の恵みをシチュウ鍋 ....
  朝の肌にはずむ、
  夕暮のような愛 水いろにゆがんだ
  その痕 わたしたちの歌は 数えきれない
  むなしい花びらで埋れた これ以上、
  あなたにはなにも云わない
夜、おしっこに起きたときの
ベランダの外に広がるたぷたぷと波打つ闇や
満員電車でとなりあう
湿った背広のすえた臭いなど

そういうものを
とん、とん、とん、と踏んで

住宅街を俯瞰し
 ....
               

玄関へのアプローチはバリアフリー
歳経ればひび割れるコンクリートより
割れ目を隠すタイルが良いと  
ベージュとエンジの市松模様
両 ....
視覚を失った思考、
わたしのなかで解放される
盲目となったわたしに、
新たな光景、生き生きと立ち上がり

凍結した大雪原
輝く満天の星達の
巨大な光の眼また眼が
明滅し爆発し流れ渦巻き ....
見上げて月のない星に生まれる  淡い太陽とそよ風が流れる五月。
 森を抜けた小高い丘から見渡せる大海原。
 キラキラ光る波間に浮かぶカモメ達。
 沖合には大きな帆船が漂う。

 新しい季節の到来に胸が高鳴る。
 自 ....
垂直な疑問符を諳んじる水晶体に
「お前は誰か」と問われれば
動揺はあらわな宣誓を開示する
ありふれた病名さえ二重傍線に埋もれ
白いハンカチで覆われれば
ありふれた終末期を万年筆が叩く
その ....
鉛筆で、ノートのページに横線を引く。
上に白い入道雲を描く。
太陽は紙の外側にある。
雲と横線の間にもう一本、水平線。
横線と横線の間にあるのは、青い海で、
白く波打つのは風があったから。
 ....
    目を閉じれば
    いつだって自由に
    本を読むことができる
    そして本たちは折にふれ
    少しずつふえていく
    二年越しのラズベリーが
  ....
梅昆布茶さんのおすすめリスト(13739)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
感触- ひだかた ...自由詩6*16-5-1
春の駅- 塔野夏子自由詩6*16-5-1
00- はるな自由詩116-5-1
- ガト自由詩11*16-5-1
- ただのみ ...自由詩8*16-5-1
ロボ- 阿ト理恵自由詩8*16-4-30
日常- 石田とわ自由詩8*16-4-29
バロック卿- もっぷ自由詩416-4-29
命の疾駆- ひだかた ...自由詩5*16-4-29
遠く深いものたちへ- あおい満 ...自由詩716-4-28
現像- ひだかた ...自由詩4*16-4-28
鏡前の少女- 藤鈴呼自由詩2*16-4-28
あけて- 唐草フウ自由詩14*16-4-28
みどり_うたかた_Ⅳ- 木立 悟自由詩316-4-27
所属- Lucy自由詩14*16-4-27
あめふらし- ただのみ ...自由詩9*16-4-27
さびしさを剣山で- もっぷ自由詩216-4-25
ぼくらのからだ- 吉岡ペペ ...自由詩616-4-24
王様- ふるる自由詩5*16-4-24
風談義- ただのみ ...自由詩13*16-4-23
晩祷- レタス自由詩7+16-4-23
恋のかなしみ- 草野春心自由詩316-4-23
もう怖くなくなった- 平井容子自由詩816-4-23
タイルに段差があるなんて_歳と取るとはこういうことか⒗- イナエ自由詩6*16-4-23
思考の眼- ひだかた ...自由詩8*16-4-23
見上げて月のない星に生まれる- 北大路京 ...自由詩516-4-23
五月~憧れ- ヒヤシン ...自由詩3*16-4-23
◎奇術師- 由木名緒 ...自由詩916-4-23
ひとりでスケッチ- 光冨郁埜自由詩18*16-4-22
愛撫- 石田とわ自由詩5*16-4-22

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