巨大な宇宙の夕焼けが
今日も雨降りの向こうにやって来る
私も君も雨に濡れ
その時をじっと待っている
今日という日を取り逃さないため
在ることの不安に呑み込まれないため
祝祭の刻を、永劫の瞬 ....
わたしの大事な人形は
美人と言われた器量よし
ぬばたまの夜に家出して
レールに身を投げ轢死した
バカな恨みに身をやつし
身近な優しさ見失い
乙女の時を棒に振り
憂さを晴らしに酒浸り
昨 ....
大きな一頭のゾウの写真をこっそりと 
一人だけ見ることのできる男がいた

男はゾウを連れてきて
人々に目隠しをして触らせた

北の民はゾウの耳を撫でて
ゾウは耳だと言った
東の民はゾウ ....
  光に眩む草刈りの
  発動機の音
  青々とした虚無に吸われて
  日めくり捲る孫の手中
  また皆殺しの夏が来る


「頭のいい憂鬱はよろしくない 理屈っぽいのは特に
「そんなや ....
朝が来ると鏡の前でこい。を頭の中で漢字に変換をする。雑踏を歩くと踵が痛い、世の中に埋没する生き方を足し算し続けると、私は空を見上げない、結局地面を見下さない。黒板の文字がぼやけて、目を細めると現実 .... 湿度が高くて過ごしにくい
梅雨の重々しさが嫌

雨は嫌ではない
雨に濡れた大自然も
雨に濡れた街も好き

長々しく横たわる梅雨
出口が見えてこない

何もかもが
湿気に包まれて
 ....
天気予報は雨でした
なめられっぱなしのなめくじが繁華街へ向かう

あなたの名前は何ですか
えっ 名前 何だろう
名前のない なめくじ
かたつむりのように背負うものもない なめくじ

ガ ....
暑い
むしむしと暑い
〈病院の冷房は皆さんの健康のため26度設定です〉
自律神経失調症の僕は
ぼうっとしてしまう
ぼうっと遠い海を思う
青く涼やかな海原が
静かにたゆまず波打って
潮の ....
照明の脆い洋食屋

「鮪のスペアリブと海老のステーキを……あとジントニックを」
「かしこまりました」

それで、わたしは待ちました

待っている間、色々なことを考えました
仕事を辞めて ....
{引用=
かなしすぎてわたし
みちばたのたんぽぽのように首をたれて
ないています

さいごにもらした
ころしてやる
の、声が
しろい綿毛になって
神さまだっただれかのところに
とど ....
ぎらぎらと陽が照っている
草木が緑に燃えている
世界はゆらゆらと揺れている

折しも二匹の紋白蝶が
絡み交わり輪を描き
白々と視界を過っていく

いったい何処へ行くのだろう?
自ら描 ....
日々がどよめいている
宇宙が波打っている
『遠い遠い』と手を振る君

)何かが湧き起こり
)何かが沸騰して
)すべてが終わり
)すべてが始まろうとしている
)名状しがたい何物かが流動し ....
青い青い大空が
広がっているから安心して
僕は今日という日を歩んでいく

体のあちこちが故障して
傷だらけの魂を抱えても
此の世の光に包まれて
生きる歓びに貫かれ
今日という日を生きて ....
吹いている
もう風が絶えず
吹いている

私は空の青みを見つめる
やがてその底の方から
貴女の声が木霊するまで
漆黒の闇に手を伸ばし
混沌の夜にひざまづき

吹いている
もう風 ....
 *

川沿いの萌え木はふるえている
見えない愛を実感したくて
目を閉じて 身をゆだねた

 雨の弦 爪弾く眼差し

貝殻を拾う仕草で
またひとつくぐる風の裳裾
昨日も今日も 
 ....
くまたちが春をわすれると
街はわあっと暑くなる

なんでもない顔をして
生きていかなくてはならない。
箱が産卵する
そして部屋には
部屋のかたちの夜がはいってくる。

眠れずにい ....
「今日逢おう」急な仕事で駄目になる合わない時は合わない流れ

風強い今日は一日曇り空台風がくるもう近くにいる

福山の鞆の浦の古い町居心地の良い風吹き抜ける

果物屋甘い香りを漂わせる商店 ....
まどろみて 千里言う謡 山くだり
里村の鬼を眠らせ 夜祭り
人の声 聴こえぬ 言の葉 天高く
千早ふる 神代の舞いへ 降りそそぐ
雨となり 蕭々と 場を鎮め
発句 ペダルからぬげし紅下駄村若葉 草田男

脇 耳をすませば 月島雫
三句 生活の 音が聞こえる 多摩丘陵
四句 調べの和音 西風に乗る
五句 間に合わぬ 焦る気持ちの 坂登り
 ....
【公園】
躁鬱な白熱灯が
葉桜のささやきになだめられて
たわわに実った涙を
鳥が、祈るように啄んで
焦げ落ちた空へと死んでいった


【狭い路地】
ヨモギ色のトタンの一軒家
も ....
ねぇおじいちゃん?
何だ?
何か話してよ
お前が話しなさい
私は手を動かしてますから~
う~ん…
昔切ってもらったんでしょ?
そうだな婆さんにな~
どんな時に?
お前の父さん母さんの ....
{画像=190420191329.jpg}

{引用=
詩とかわいいイラストを融合できないかな~と考えていました。
詩の説明のためのイラストではなく、
イラストの説明のための詩でもなく。
 ....
長い連休、借りてきたDVDも底をついた。祖母の家を訪ねる。といっても同じ敷地内にあるので、徒歩三十歩くらいの旅だ。
祖母は祖父が亡くなって、三十数年未亡人だ。未亡人はモテるのよ、と、八十歳になった今 ....
あんまり心体しんどくて
行き場を失い裸になる
そうして編み戸から入り来る
夜風をひんやり肌に浴び

生きてるなあ 生きてるなあ

私は自分を取り戻し
静かに目を閉じ胡座かく
何処にも ....
  なつぐも
{引用=―エミリ・ディキンソン " AFTER a hundred years --"に基づく―}

ともだちがだれもいなくなったとき
わたしはその野原にいき ....
全てが終わり
全てを失い
命は保たれ 
風が吹き

この静けさのなか、
この透明のなか、

私は深い井戸の底に居て
寒さと闇に震えながら
一日に一度の来光の
その瞬間を待っている ....
季節はつぎつぎ仕舞われて
ま新しいシャツの朝、とびはねた分だけ沈む靴

いつ吹雪がきてもいいように準備しておくんだよ。
たんぽぽを乾かして瓶詰めにして
転んでも泣かないように、いつもすこ ....
「君の名は?」
そう繰り返し語りかけることで
僕は自らの不安と焦燥を紛らしては
歩き続けたことがある

幼少の頃の思い出は
柔らかくて温かくて
ちょっぴりくすぐったいものだった

砂 ....
青空の月の白さ
距離を縮める嘘と幼子の足どりで
君の春は靡く
裏地には満天のプラネタリウム
湛え切れずに流れて落ちて
爪先に当たる石ころたち
祈りのように置き去った
今そこにある過去
 ....
やわらかな緑の丘の上に
少年たちが一列に並んでいる
一人ずつ順に
チューリップに化けてゆく
そしてまた順に
少年へと戻ってゆく

少年たちの頭上には
半透明の心臓がひとつ浮かんでいて
 ....
梅昆布茶さんのおすすめリスト(13739)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夕焼け(改訂)- ひだかた ...自由詩519-7-1
わびぬれば- Lucy自由詩4*19-6-30
ぞう- 為平 澪自由詩319-6-30
内出血- ただのみ ...自由詩5*19-6-30
No_spring_chicken- かんな自由詩3*19-6-30
梅雨の海- 夏川ゆう自由詩219-6-29
なめくじフェスティバル- 松岡宮自由詩17*19-6-28
看護士と海- ひだかた ...自由詩819-6-28
今日という日は面白いのか- 印あかり自由詩7*19-6-27
わたげ- 羽衣なつ ...自由詩19+*19-6-25
揺動- ひだかた ...自由詩13*19-6-14
予兆- ひだかた ...自由詩519-5-31
walk・on18_今日という日に(改訂)- ひだかた ...自由詩519-5-30
吹いている- ひだかた ...自由詩519-5-27
音叉- ただのみ ...自由詩11*19-5-26
くまたち- はるな自由詩819-5-25
鞆の浦- 夏川ゆう短歌219-4-23
まどろみて_千里言う謡_山くだり- 足立らど ...川柳319-4-21
勝手にひとり半歌仙/表六句- 足立らど ...伝統定型各 ...219-4-21
夜の散歩- 印あかり自由詩919-4-21
祖父の後ろ髪- しょだま ...自由詩219-4-20
測候所_焦がれる_ナナホシテントウ- ふるる自由詩2*19-4-20
まにまにダイアリー②サザーランド切手- そらの珊 ...自由詩719-4-20
只此処で(改訂)- ひだかた ...自由詩619-4-19
なつぐも_他二篇――エミリ・ディキンソンの詩篇に基づく(再掲 ...- 石村自由詩18*19-4-19
待つ- ひだかた ...自由詩619-4-19
たんぽぽ- はるな自由詩1219-4-18
君の名は?- しょだま ...自由詩3*19-4-17
反応援歌- ただのみ ...自由詩3*19-4-17
春の脈拍- 塔野夏子自由詩6*19-4-17

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