証拠を埋めたシャベルの音が残っている おばあちゃんは栗をむく
背中を丸めて栗をむく
かたいかたい栗をむく

息子にも
娘にも
孫にも食べさせたい

むいたほうが食べやすい
ただそれだけで
もくもくと
真剣に

一 ....
たわんだガラス窓をひたすらに登ろうとしている羽蟻を見ていた。
同じ動作を飽きもせず繰り返している。
彼はなぜその小さな背に生えている羽を使わないのだろう。
よく見るとその羽は見る影もなく疲れ ....
今日も誰かの体にメスが入っていく
点滴の水滴が落ちていく

パルスオキシメータの音が止んでも
きみには帰る家もない

ふたりの子供はいないから

追いかけても追いつけないから


 ....
捨てる物が無いとは気楽なものだ
捨てる物がないから強きでいられる
ずーっとずーっといつだって捨て身な私だった
何も持たずに居いたらよい
あるのは本とペンとノートだけ
庵に籠もれば何もいらない ....
 一

 夜の水平線が
 両の腕をさしのべ
 その手で満月を挟み

 嘆く空から引き離し
 海の底に沈めた

 光が闇に溶けて
 波の下に燃えつき

 殺風景な夜空に
 取り ....
星のみえない夜にも
星は存在する
風にふれない丘にも
風は存在する
あなたが消えたあとにも
あなたは存在しつづける

両のてのひらを
まるくして合わせる
透明な卵だよ、ほら
始まりと終わりはどこまでも流れ落ちていくので
現在の幅に射し込む水の光だけで流れていく渓流
岩は感情のように水の流れを変え
木の葉は矜持のように水の面を彩る
僕はその川の方向のよう ....
うたうべきはポッケのなかへしまいこんで
なみだだけを友達に夕焼けを待つ
そんな女の子がいたんだけど
そうそれは十二年前のこと
その子にもしもまた会えたならきっと
今度こそうたってねって頼もう ....
絶望の谷に
叩きつけられたことの
ある人は

簡単に
浮いたり沈んだり
今日のメニューで
右に寄ったり
左に寄ったりはしない

眼を見てごらんよ
目が合っていても
捉え ....
 秋風に頬を染めあげ吾亦紅 小首をかしげあなたを呼んだ


 かくれよう さぁかくれよう、さみしさがやってくるまえ眠りのなかへ


 疲れたと膝を抱えるきみのそば あしたのそらの尻尾をつか ....
昔の思い出が不意によぎる
頭の中を
鏡の中として 部屋で 見つめる
友達がいたころとして
誰もいない 誰もが消えた 部屋は
孤独な誰もが 寂しい旅人
僕は 考えていた
そんな 窓は  ....
少ない数の河川敷への道のりがあって
少なくない枚数のなみだがあった
手の爪を切って足の爪も切って
生きている生きていると唱えながら夏を越えた

母さん、と
生者へ呼びかけることのなく
父 ....
アンドロメダ銀河内であれ
たとえオメガ星雲内であれ
大都会の水を飲んでみれば
大都会の味が分かるのだと
大田舎の少年は思いました。

大田舎の飲み方を駆使して
大都会の水を飲み明かして
 ....
やわらかい光のかたまりで描かれた
モニターで微笑む少女
RBGの明滅するパターンで
息をしている
ある男が思った
彼女を、僕の中に

6色インクのカラープリンタで少女を刷った
途端に失 ....
結婚してからも二人は別々の道を歩いた
二人の間が広がっていったとしても
二人は詰めようともしなかった

二人の間に他人が入ったとしても
二人の間を埋めることも
ひろげることもできなかった
 ....
空き地を渡ってきた風が
草の匂いを閃かせながら
耳もとで
ささやく
「ただいま・・・」

あっ
帰ってきたの?
君と出会ったのが
いつだったか
どこだったのか
思い出す前に
懐 ....
化粧箱や封筒の
中には宝石があるものだと
女の子はそれくらい知っている
馬の形をした雲を追いかけて
知らない道を行くと
その細道の先には橋が続いて
途中、別れの言葉を思い出して
しゃくり ....
出ていかなければならない
と知っている
部屋は
あなたとあなたでないものでできている
このまま朝は終わらずに
言葉もひとつも終わらずに
開かれなかった小説
届けられなかった手紙
呼ばれ ....
独りだけの世界・・・
それはとても狭くて果てしなく広い世界だ

それは和やかな静けさに溢れている
ふと湧き出す感情は【愛】のテーマ
だが敢えて【恋】に触れてみる。
たまには【恋】につい ....
大人になって良かったことは、
お酒に逃げられるようになったこと。

ただ、私はかっこいいお酒の飲み方なんて知らないから、
お婆ちゃんが送ってくれたキュウリにきつく塩をきかせて、
それをつまみ ....
現代詩の向こう側で
、君は大味の言葉を砕いている
現代詩の向こう側で
、君はいかにもな表現を潰している
現代詩の向こう側で
、君はそれらしい物語を消している

それは確かなことだ

 ....
ある日
道の真ん中で
ヒョイ、と逆立ちしたら

世界も一緒に
ひっくりかえり
地面が上、空が下、
積み上げた一切合財が
元の木阿弥、振出しに戻った

海から魚が落っこちて
滝のよ ....
二十歳になったばかり
一方的な失恋の末
浪人時代の
受験戦争に嫌気がさして
Cigaretteを吸い始めた

カリブ諸島原産のCigaretteは
大航海時代にコロンブスが
率いるアメ ....
何もすることもない
ひどく疲れ切っている この 人生


ペヤングを 開け 僕は食べていた


そして 考えていた 無意味な自分の存在について
詩を書く時間以外は何も約束されてはい ....
煤けた屋根裏部屋でまだ見ぬ宝物を探すような胸の高鳴りを感じる。
僕はトム・ソーヤであり、私は赤毛のアンであった。
一方に父方の威厳を、また一方に母方の愛情を持つ感覚。
目に見えないものを見、聴こ ....
休日の正午前、
あなたは図書館に向かう歩道を歩いています。
2メートルほど前にトロピカルピンクの半袖ポロシャツ、
ストレートジーンズの中肉中背、
22、3歳と思しき男性がふと立ち止まり
左脇 ....
終点で車掌に起こしてもらう予定で寝る いちまい

羽織って おゆきなさい

おつきさまも

羽織っているよ

いち せんちめんたるを






********************
 ....
彼岸花が
目から胸へと突き刺さり
赤い秋が
まっすぐにある

背中にある罪悪感は
この風には重いのだろう

まだとべないこの身の
清め先を
また探す道
梅昆布茶さんのおすすめリスト(13739)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
証拠を埋めたシャベルの音が残っている- 北大路京 ...自由詩913-9-27
まんなかの栗- 朧月自由詩613-9-27
ある社会の中で- ヒヤシン ...自由詩11*13-9-27
It_was_a_very_beautiful_photo.- mizunomadoka自由詩313-9-27
瞑想・・・- tamami自由詩513-9-27
波の下の月- まーつん自由詩11*13-9-27
わたしが消えたあとにも- そらの珊 ...自由詩22*13-9-27
無色の欲望- 葉leaf自由詩513-9-27
会いたかった- もっぷ自由詩613-9-27
ちりつも。- 鵜飼千代 ...自由詩14*13-9-27
Love_letter- 石田とわ短歌13*13-9-27
青い荒川- 番田 自由詩213-9-27
Word2010の場合- もっぷ自由詩613-9-27
時間を抱きしめる- ブルース ...自由詩3*13-9-27
青黄黒緑赤- 伊織自由詩6*13-9-26
夫婦- イナエ自由詩10*13-9-26
野を渡る風- Lucy自由詩13*13-9-26
かなしい唄- 春日線香自由詩713-9-26
水をかためる- はるな自由詩1013-9-26
独りだけの世界・・・- tamami自由詩313-9-26
どこに行ったの?- 時子自由詩213-9-26
現代、詩- 左屋百色自由詩19*13-9-26
逆立ちで、歩こう- まーつん自由詩313-9-26
Cigaretteが消していく未来と命- りゅうの ...自由詩8*13-9-26
詩といた日- 番田 自由詩413-9-26
ありがとうね。- ヒヤシン ...自由詩9*13-9-25
開口- salco自由詩5*13-9-25
終点で車掌に起こしてもらう予定で寝る- 北大路京 ...自由詩813-9-25
Tシャツでは_すこし寒い- るるりら自由詩12*13-9-25
赤い道- 朧月自由詩813-9-25

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