やわらかな夜の入口で
関節のありかを
ひとつひとつ
たしかめていく
幾度となく
繰り返してきた
解体のための
いとおしい作業
継ぎ目よ
さようなら
肉体は部品となって
ていね ....
ふたしかさ。
たしかなふたしかさを持つ
それが彼のこころ。
みえるようで
みえない。
いつも家族が集まる夕飯時に
そっと背中を通って
硝子窓を覗く
それが彼の部屋 ....
とりあえず訳の分からん動物はしっかり加熱して食べようね
愛やら哀や食傷小町
茄子を揉み揉む{ルビ外法=げほう}のスアシ
アブラ{ルビ帷子=かたびら}文系ソバカス
{ルビ瞬=しばた}くひゃっこの黒蜜{ルビ空=から}して
{ルビ琴=きん}やら{ルビ ....
早く
早く早く
私のメーターの
ほんの少し先を
あなたが走っている
私は
追いかけるだけでいい
あなたの息づかい
乱暴な試み
私は
任せるだけでいい
私ののどが
低 ....
一週間前にがなりたてるように鳴いていた、蝉の死骸を見つけた。
こいつは実は長生きなんだ、騙されないぞ、と僕は思った。
この世は、騙される事が多すぎる。
ずっと彼氏は作らないと言っていた、大好きだ ....
蒸し暑い曇天にカミナリがときどき光っている
だいぶたってから音が聞こえる
町並みが湿っている
湿っている
悲しい気持ちが詰まってくる
戦争と疫病を向こう側に見ながら
....
誰もいない
風がいつも吹いている
そして 風が そうおもうときに
寂しく肩を 通り抜ける
そして ページをめくる
いつも 誰もいないから 本を読んでいる
僕がそこにいる
薄 ....
僕がもしも男なら
私がもしも女なら
君に抱き締めて欲しかった
そして殺して欲しいんだ
もしも私が億万長者なら、ね
殺し屋を雇って殺してもらうの
とびきり腕の良い人を雇って……
....
巫女のバイトしてご利益がない
もう家族には戻れない夜のハイウェイ
ワシは、国家を動かしている輩どもの腐った根性が気にくわんのじゃ。
あたしだってそう、ほんと馬鹿にしてるわ、あたしたち一般市民を。
ぼく、そんなこと思わない、高級官僚だって、代議士先生だって、 ....
昨日
テレビで大戦のことを
特集していたので
それをチラ見した私は
あんな悲惨な歴史を
繰り返してはならないという思いにかられ
試しに反戦詩を書いてみましたが
いまいちどうでもいい感じが ....
ホコリタケの仲間で
外見は小さな脳
これの老菌は食るに不適
胞子が未成熟のものを
「えっ?」と驚く程に美味い
色は淡い黄色でまみれ
少しピリピリとする ....
こういう気持ちの時は 誰かに会いたくなると 言うけれど
そういうものかな
それは まだ幸せなんじゃないかな
ほんとに辛い時は 誰にも会いたくなんか ならんわい
君が笑顔で食事している
僕は 朝飯は吐気がして食べる気がしない
友達が結婚したと聞いた時 僕はおめでとうも言えなかった
さらに 子供まで出来たと 思わず すごいねと苦笑いした
....
あなたの目はガラスのよう
誰も受け付けないのね 私だってダメ?
憎いやつ こっち向いて
でも そのガラスの目の奥 入り込もうと
近寄れば いつの間にか割れてる どうして
....
ぼくらがこの身体から発して
世界を考え感じている限り
人生にはいろんないやなことがある
それがこの世に生まれてきた証だ
でもこの身体からだけではなく
時代や文化をこえて
....
花 ふりつみて
若葉 ふり
蛍 ふりやまず
星 ふりそそぐ
みのり ふりはじめ
枯れ葉 ふりおわり ....
お岩さんを知っているでしょう
そう四谷怪談のひろいん
江戸時代
牡丹燈籠のお露さんと
番町皿屋敷のお菊さんと
三人で結成した
納涼しすたーず
せんたーでうらめしやをしていた
あのお岩さ ....
布団は ばあちゃんの香りがしている
少し脚が不自由だけど 元気で
働き者のばあちゃんが干しておいてくれた
布団は日向の香りが充満している
ばあちゃんは もう年だから
同じ話を ....
{画像=140817194714.jpg}
誰かが教えてくれた
逃げて / 逃げて / 逃げまくって
それで無事に済めば / それは
たしたことではなかったのだと
....
不機嫌なジャングルジムに傘さして水たまりにジャンプする夏
たしかです不確かなのはたしかです雨粒ほどにたしかなのです
雨粒をあつめて海をつくり ....
結婚の扉が海の底に沈んでいる
涙の跡が目立つ便箋を選んでいる
基本は三次元なのかもしれない
背伸びしても宇宙までゆけない
言葉のパフォーマー天の川で踊る
言霊の形を懸命に落としてゆく 地上へ
拾い上げる両手は才能 心は応援 魂は加 ....
原発関係者たちは
何度も何度も内輪にダメだしされながら
ついにその高く厳しいハードルを越えたのだ
このことはあれに似ている
ロンハーでやってる時間と金をかけたドッキリに似て ....
デタラメに並べた音符ソーダ水
ゆっくり飛ぶことを覚えると
世界中が振動していた
いのちは飛沫を上げて
たゆたいゆらいでいた
風が凪げばふわり
お天道様と池の間に佇んで
煌めきって残酷だ
元気なものへは恩恵
弱ったも ....
盆の入り
スーパーの店先にはたくさんの花が並んでいる
私は小さな白菊を一束買って
位牌も仏壇もないアパートのテレビの横に添えた
命の儚さに狼狽え
己の傍観者面に辟易し
せめて大切な人を ....
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