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  章魚の 小道に
  イデアの 紙吹雪く

  わたしは歯
  あなたは顎
  おおいかぶさる
  ぬるい 数

  おそい 雪
  わたしは峠
  あなたは蹄
  云 ....
  順々に
  液状の名詞が
  格子に垂れてしたたる
  世界のおおよその大きさが
  張られている 複数の 頭蓋
  額縁にぶつかり 欠けてしまった
  顔のような 意味

 ....
  青空はずっと振るえている
  時が かげになって路にこぼれてくる
  壁のうえにそっと 黒い木が枝葉を撒く

  思うということ
  街にいくつも街を重ねていくこと
  あなた ....
  見えないが それは
  熱の蛇が 這っているのだ
  かんぜんな 石を湿らせ
  なにもかもが黙る

  
  熱の蛇が
  這っていくのが見えない
  街はいつも 叫んで ....
  瞳からのぞくと
  馬たちが みえた


  日が薄ぼやけ
  あたりは冷えて
  草の においだけが
  ほそながくかがやいていき
  わたしたちの
  愛はきえた
 ....
  波が
  たちあらわれる
  形たちが 昏ませる


  黄色いセーターの
  喜劇的なふくらみ
  勇敢な笑い


  あの時の光
  花弁がひらくように
  ゆ ....
  擦られた マッチ
  よる 路地のしかくい
  たくさんの 白い足もと
  物がたる言葉が
  網膜に掛かる
  引き攣れる
  句読点
 菜の花を食べて
 咳きこんだ


 あの日の熱は
 そのあたりに置いてある
 曇り硝子
 ロー・テーブル


 けれども 一体どこなのだろう
 ぼくはきみを見たことがある
 ....
  波間で
  花びらを
  持とうとする
  すごい 忘却の速さで


  水のように
  貴方の部屋にいた
  そのことのすべてを
  分かろうとするけれど
  とても ....
  あの時のきみがずっと
  ぼくの傍でねむっている
  少しだけ、雨の匂いをさせて

  笑いながら喋りつづけた
  言葉はむなしい闇にのまれた
  若く優しいだけでいられた
 ....
  おおきな臓器になり
  わたしたちはつぶれている
  区議会議員のちらしが机の上で
  三・四枚重なり 曇っている
  寂しさを測る ものさしの
  目盛になったような気分

 ....
  枯木のまえに坐り
  わたしは次第にあなたになる

  滲む
  たくさんの色たちのように
  あなたも次第にわたしになるのか
  河のかげにうつろう赤茶色の葉

  昼の ....
  あなたを思うと、
  わたしの心に幾つもの
  穏やかな図形が描かれる
  熱い珈琲をかきまぜながら
  窓の向うの樹をあなたは見ている
  たぶん、世界じゅうのすべてのものが
 ....
  どこかの駅で
  列車や言葉や人影など


  待っていた
  観念的な雪を肩に
  積もっていくにまかせ


  けれど沈む日の悲しさだけは
  わたしたちを灼いてい ....
  水子たちの
  うつろな口から
  明日が よだれのようにこぼれた
  舗装された道をわたしたちがあるく
  霧もないが月もない夜
  大声で笑いながらあるく
  午後の壁で
  冷たい粉を拭う
  わたしではなく、
  あなただけが白い
  子供になっていく海
  無色透明な硬いさそりのようだ
  一回きりの
  嚏
  かたむいた胸を
  祭太鼓が踏みかためていく
  永遠へ向うあなたの黒髪の隙、
  円形・方形の一群は街を滑落し
  ひかりとかげを揺れ模糊となっていく
  わたしのさびしさの刹 ....
  なにかに似たなにかが
  わたしの緑色を這って{ルビ滑=ぬめ}る
  朝陽も入り込めない太い闇を
  しずくのような眠りが円く湿らす

  
  葡萄味で棒状の鬱
  なにか ....
  見えつつ
  あるものの内壁へ
  つたう光へ、冷えた天使をみつめていた
  腫れ房を成す、{ルビ硝子景=ガラスけい}の、あなたがたの
  優しさから眼をそむけた
  見えつつ  ....
  透きとおった女に
  殴られた男の傷から
  ながれる血は透明でなかった
  

  くろい鍋がはっきりと置かれた
  江東区亀戸二丁目のキッチン 
  言葉のかわりだという ....
  一機の ヘリコプターが
  交わりをひとつずつ置いていく
      海色の稜線、わたしたちの
      茹だり、かげ沿いに膿んでくる、疼痛の粘り気
      冷えすぎた{ルビ ....
  祝日、
  見あげたところに
  日の丸がはためいている
  木蔭では 優しい五月も笑う
  大切な人からの最後の{ルビ詞=ことば}のような
  陽射し…… 僕は思う、いつまでも ....
  朝の肌にはずむ、
  夕暮のような愛 水いろにゆがんだ
  その痕 わたしたちの歌は 数えきれない
  むなしい花びらで埋れた これ以上、
  あなたにはなにも云わない
  水辺。{ルビ蟷螂=かまきり}はひらき、
  へちまの軟さの かれのかげは
  朝、をそのままたたんだままにあかるく
  ハズムばかりに道化嗤いし、南の果物さながらに、
  マアケッ ....
  剥がされた ああ、
  犬 も……ひとつの
  呼吸から ああ、もうひとつの
  ことばへと いつわり (靴のよう) 
  さびしい (想うこと のよう)


   犬 も、 ....
  ペンシル 一つぶんの
  沈黙が 突っ立っている野 
  ことし二度目の雪が敷かれる
  蛇と蛇と蛇と蛇と蛇と蛇と蛇と蛇が
  それと蛇と蛇と蛇と蛇と蛇と蛇と蛇が
  わたしたち ....
  おまえがはいっていた容器の
  蓋のうえに丸い芋が置かれ
  あとひとつなにかあれば
  あればいいが、何故か
  都合よくいかない
  お古みたいな
  冬のさむさ
  今日も、枯れ草の
  帰り道につれていく
  柔らかいあなたよ
  プレリュードを贈るよ
  まもなくはじまる
  長いリボンのような夜に
  かれらが、一体なにを
  言いたいのかちっともわからず
  ことばのなかにひらめく暗闇をさがした
  目を凝らして 耳を澄ませて 鼻をとがらせ



  けれども本当はかれら ....
  驚くに値しない
  あなたの指のなかに
  古い町がひとつ埋まっていようが


  青い部屋でわたしは 静かなチーズを齧る
  散らばっていた 丸い 悲しみの粒を
  一列に ....
梅昆布茶さんの草野春心さんおすすめリスト(139)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
章魚- 草野春心自由詩321-9-16
格子- 草野春心自由詩521-9-16
ある隠喩- 草野春心自由詩321-9-16
- 草野春心自由詩621-3-7
馬たち- 草野春心自由詩421-3-7
あの時の光- 草野春心自由詩220-5-26
酔客- 草野春心自由詩220-5-26
菜の花- 草野春心自由詩620-5-17
波間へ- 草野春心自由詩1020-1-26
海からの光- 草野春心自由詩719-7-21
ものさし- 草野春心自由詩217-10-7
滲む- 草野春心自由詩517-3-12
穏やかな図形- 草野春心自由詩8*16-12-3
冷たい駅- 草野春心自由詩416-7-18
水子- 草野春心自由詩216-7-18
- 草野春心自由詩3*16-7-16
かたむいた胸- 草野春心自由詩316-6-9
- 草野春心自由詩316-6-9
冷えた天使/見えつつあるものの内壁へつたう光- 草野春心自由詩816-6-4
- 草野春心自由詩4*16-6-2
交わりを置く/そらという球体/見ることの稜線- 草野春心自由詩3*16-6-1
波光- 草野春心自由詩3*16-5-7
恋のかなしみ- 草野春心自由詩316-4-23
kamakiri- 草野春心自由詩216-3-21
inu- 草野春心自由詩116-3-20
suu- 草野春心自由詩215-12-13
imo- 草野春心自由詩215-12-12
前奏曲- 草野春心自由詩115-5-31
かれら- 草野春心自由詩415-5-24
並べる- 草野春心自由詩16*15-5-23

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