欧州に向かう眼下に

薄くて冷たい鉱物色が広がっていた

女に尋ねると機長に聞いてまいります

しばらくして

シベリアですとのことだった

凍土に冷やされた大気が

そこよりもあたたかな場所を目指す ....
書こうとしたことを忘れてしまって
空をノックした
誰も出てきてはくれなかった

書こうとしたことを忘れてしまって
目を擦った
視界がさらにぼやけて
手からしょっぱい匂いがした

書こ ....
雨は校庭にアマゾン川をつくる
午後の授業は眠たい
窓越しに校庭を見下ろす
あれはきっとアフリカ大陸
あれはきっとオーストラリア

あの川にはピラニアが泳いでいる
友達がいないから
わざ ....
ひかりをみつけたよ

人が踏みゆく
黒いアスファルトのなかに
埋まっている
埋まっていた
だけど
誰も
拾わない
拾えやしない

だいあもんどなんかより



どこ ....
戦場へ赴く男たちの頬は
どれも蒼褪めて
眼だけが真っ赤な
獣のようにぎらぎらと燃えた
そして一様に
目指しているのだと言う
その先には
膨張しきった黒い太陽があった
女は男の眼 ....
うっかりすると 本人も見逃しそうな 直立だった
それは闇夜のできごとだった
神技(かみわざ)の域

幾重にも 青天の霹靂が重なった年がつづいた 
ある新月の晩
カワウソが 岩の上 ....
のんのさまに 手をあわせて
のの字みたいに 背中をまるめて
ちいさな 座布団に ちゃんこして
みらしらぬ 古民家にまぬかれて ちゃんこする
ちいさい人の みこころは
のんのさまみた ....
 
 
日本が軍隊を持つか否かの議論において、先進国の多くが軍隊を持っているのだから、日本も持つべきだ、という論があるのだが、それについて少し話しておきたい。
まずはじめに、日本は世界の防波堤で ....
 
 
国境線の上に魚が死んでいた
線に沿ってナイフで切ると
両方の国から猫がやって来て
半分ずつ咥えて行った
近くでは国境線を挟んで
男たちがチェスをしている
自分の陣地は真ん中ま ....
リズムをみつけよう
心地よいリズム

ゆっくりと歩もう
自分に合った速度で

いろんな街の匂いを
風が運んでくるから

時々立ち止まっては
立ち位置を確かめる

胸を広げて深呼 ....
目の前で強盗に母が犯されていた

母はぼくや自身の生命を守るためにそれを許しているのだと思った

だからと言ってふたりの命が保障されている訳ではないだろう

ぼくだけが今から逃げ出して後か ....
そしてライラックは飛んだのです
{引用= 恋人を探しに?
いいえ
思い出を探しに?
いいえ}
芽生える緑に、もうもたれかからずとも
新しい世界を知ることができるように
すり減った若さを残 ....
幼児並みの知能の

ばったり倒れ屋さん

自分の存在意味を

たずねる旅は続く

哀愁と友情とを友として


泣き虫の私は

どうしても涙する

同時に孤独の本質を知る
 ....
            ハラハラサイタハナノシタ
            キンギョハオヨグヒラヒラト
            アカイコロモヲフルワセテ
            ....
生きている痛みや歓び

どっちが

刹那や永遠だろう

ほんとのことってなんだろう

僕は馬鹿だから

あたまで考えたことは

信じてももらえずに

密かな証にしかしてもら ....
死がそこにあることを知る幼子も羽だけ残し逝った虫の

きょうもまた葬儀場に黒々と人は集まり人は集まり

病葉を冬のひざしに見透かして空のこんなに小さきことを

この世への未練を断ち切る日数 ....
      その横っ面を
      おもいっきり
      はり倒す
      
      約束をまもらぬ
      ろくでなしの
      
      横 ....
どこから説明すればいいだろう
寒い
風邪薬だ
酒瓶

すべての現象は冬らしくくっきりと
くっきりとしていてむしろ象徴に
ごらんよビルを
突き立っている
ごらんよ空を
磨かれてい ....
鍵をたくさんもっているのに
何番目かを忘れてしまった
それが生きることで
それを探すことが目的

そうだとしたら
鍵穴は逃げないね

それを早く知っていたなら
でもね
回り道が必要 ....
たとえば
悪意であったなら
オブラートに包んで飲み込む

たとえば
優しさであったなら
丁寧に蒸留したあと
春色のカプセルにして
冬に打ちひしがれた小鳥のために
蒔いておく

た ....
             130111


ぐい呑みの親分が丸呑みだと喚いたら
いきなり拳固が飛んできた
痛いと思ったので
殴り返す
10倍にして返したかったが
手が追いつかず敵わない ....
はい私ですと雀は言うた
「矢羽の羽はわたくしもの」
「何故に」と問う事はなかった
事実は人間の仕業であったから

誰がその死体を見たのだ?
死んだ小鳥の硬直した体を
ハエが言う
はい私 ....
好きはみんな違うから
わたしの好きと
軋むかもしれないけれど


明日行くよ



「隣はごめんです!」
と、叫んだけれど
本心だけど部分だから



だけど
 ....
めでたいと言って飲むお酒の肴には、何があうのだろう
悲しみに酔いたい時に飲む酒の、肴は何がいいのだろう

終電車で故郷のお葬式から帰って来た夫が、ネクタイを解きながら
「蕗をちょっと頼むよ」
 ....
これを知っている人は

とても少ないと思う

1981に廃止された食料管理法

それで意味を成さない

ただの小冊子となったから

労働者向けと種々

家族の氏名

生年月 ....
死ぬまでに 鳴らしたい響かせがある
きっと きっと 誰しもに

私はまだ受け取っていない 
私だけのギフト

 本当に欲する欲ではないギフト
 的がずれているのか 天を片目で見開く

 ....
「ママ!ママぁ!」

真夜中私を激しく呼ぶ声の元に行き
いつも通り右手を差し出すと
大事なお人形を愛でるかのように
それを自分の胸の前でぎゅっと抱き締め
再びすやすやと寝息をたて始める
 ....
 わたしは二階の部屋にあがって、鈴木さんのガラス玉を手にとって、しばらくながめていた。どこかでみかけた夜店の、輪投げの景品みたいな、ただのガラス玉だった。
 だいじょうぶかなぁ、なんだかニセモノみた ....
     雪がふる雪がふる
     音もなくふりつもる
     蝉たちは土の中
     耳を傾け夏をまつ
     あの日の麦わら帽子は
     いまも埋もれてい ....
陽射しは澄んだ冷気を纏い
静かに微笑んでいた
病床から起き上がる母親のように

すると蒼白い時と仄暗い人の群れで編まれるはずの朝が
心なしか ふと暖色に染まり
視線は飛翔してはまた憩う 小 ....
梅昆布茶さんのおすすめリスト(13739)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
シベリアから- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...213-1-13
書こうとしたことを忘れてしまって- 小原あき自由詩21*13-1-13
午後の授業は眠たい- 四角い丸自由詩8*13-1-13
雑踏- そらの珊 ...自由詩1213-1-13
黒い太陽- 衣 ミコ自由詩713-1-13
書こうとしたことを忘れてしまって- るるりら自由詩10*13-1-13
『_「_の_」_の_人_』_- るるりら自由詩6*13-1-13
防波堤の軍国論- 小川 葉散文(批評 ...4*13-1-12
国境スープ- たもつ自由詩813-1-12
【_リズム_】- 泡沫恋歌自由詩10*13-1-12
忘れてしまおう- 吉岡ペペ ...自由詩313-1-12
眠れぬ夜の下絵_(1- 瑠王自由詩6*13-1-12
正体不明で天涯孤独- ドクダミ ...自由詩5*13-1-12
ハルトキンギョ- 石田とわ自由詩9+*13-1-12
ハッピーバースデー- 吉岡ペペ ...自由詩913-1-12
死に触れて- そらの珊 ...短歌813-1-12
あしたのジョーになりたい夜に- 石田とわ自由詩10*13-1-12
三匹の豚- はるな自由詩513-1-12
たぶんあれが君- 朧月自由詩813-1-11
調剤室で- そらの珊 ...自由詩27*13-1-11
まるのみ- あおば自由詩6*13-1-11
誰が殺したコマドリを- ドクダミ ...自由詩5*13-1-11
こんにちは- 鵜飼千代 ...自由詩14*13-1-11
- 月形半分 ...自由詩10+*13-1-10
米穀配給通帳- ドクダミ ...自由詩4*13-1-10
未知のギフト- 朝焼彩茜 ...自由詩10*13-1-10
使命- 夏美かを ...自由詩20+*13-1-10
あずきの恋人_(連載⑨)- たま散文(批評 ...13*13-1-10
蝉たちの子守唄- 石田とわ自由詩13*13-1-10
稀有な月曜日/あたたかいもの- ただのみ ...自由詩21*13-1-9

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