何故か去年の梅雨が気になった
今は梅雨の真っ只中
濡れたままの街の景色
去年の今頃は梅雨の中休みだった
晴れ晴れとした気持ちだった
雨に濡れた植物
葉っぱの色は鮮やかで
埃の ....
青く照らされた砂浜に
微かに残した面影は
君が海へ帰る時
足跡は波間に消えて
涙だけが満ちてくる
「私を探さないで」
砕けた波飛沫は呟いた
寄せては帰る海の鼓動
君への ....
どよめく夜に
意識持つ
風がちりちり
肌を刺す
ざわめく、さざめく
わたしのこころ
今夜はこんなに孤独に耽り
己の在ることを感じている
(遠い遥かな思い出は
廻る銀河の旋回音 ....
『5わのアヒル』という子供の歌をききながら
水溶き片栗粉をこしらえてる
トロミというのをしっかりと扱えたら
いろんなことが
すこしはマシになりそうなので
だから
水溶き片栗粉なのだ
....
深い緑の
瞳に牽かれて
その影を追った
遠い夏の日
忘れたままで
終われたならば
何の問題もなかったけれど
あなたの暮らす
この国のために
命を賭ける
疑問の余地はない ....
守らなければならないのですよ
汚れた手はそこで拭かないとか
そこに座ってはいけませんとか
守らなければならないのですよ
夢のような時間
夢のような言葉
夢のような貴方
夢が私 ....
おととい 小さなせせらぎを見つけて
家に帰ると
網戸に黒い揚羽蝶がとまるのを見つけた
そして
蝶も私を見つけた
気配の優しさ
遠い記憶の静かな切なさ
完璧な蝶の姿で
再び会いに来てくれ ....
ペットボトルの口が開いて
水蒸気舞い上がればイルカが波に乗ってやってくる
街のカラスが餌を探す
幼虫は産声を上げるその時をじっと待っている
怪しくもない人々が夜を擽るのは 塵
....
海を見つめながら砂漠のことを考えているのだ。海は目の前に確かに存在するのだが。砂漠を歩き疲れて倒れた僕は昔のことを歩き疲れた体の中で思い出させられていた。でも、家を出るときは健康そのものだったあの日。 ....
「よぞら」
星のひかりとぬくもりを
お湯に照らした星たんぽを
かぜをひいているあなたの
足元に
しのびこませて
消えていく
のを、桜の花びらを
鼻にひっつけてしまった
黒 ....
海と旗
僕は空を見ている そして
遠い浜辺の上で
その音楽を僕は聴いている
神秘に貫かれ
漆黒の夜が来る
ただ唯物の
儚い世を散らし
永遠が口を開く
ちりちりと吹く風
脳髄を縁取る陰影
意識清明に保たれ
夢は胎動する
静かに
いつしかの
岸辺を目 ....
二〇一六年七月一日 「ヴィーナスの腕」
コンクリート・鉄筋・ボルト・ナットなどなど
構造物の物質的な素材と
温度や重力や圧力や時間といった物理的な条件や
組み立てる技術や出来上がりの見 ....
十四の時にはじめて詩を書いた
校庭の桜がこわくて仕方なかったから
衝動買いの寝袋はけっきょく
使わないまま
今でも行けない場所がある
ぼくはいまだに同級生がこわい
世界の終わりに立ち会えるか
立ち会わずとも
その前に
自分の世界が先に終わるだろうね
誰でも思いつくし
考えつく事で
世界が存在してる
みたいだ
海で一人ぼっち
僕は言葉をなくしていた男
でも 風は何を語りかけてくるというのか
波の残していく 光と音の狭間で
「
そうして
真面目になった赤鬼のお話しは
危なげもなく
誰もついていけなくなったとさ
おしまい
」
今まで掴んで来た
大切な人の腕が
光を遮るから
明日は切り落とさなきゃ
さよならが通った道は
もう歩きたくないのに
どうして最後は
花を探してしまうのか
ハサミやノコギリの
....
{引用=どうしようもないこと}
絶望を綴ることに何の意味があろう
だが綴ることで絶望は虚構に変わり
また綴ることで希望すら捏造し得るのだ
詩は演劇性を持つ
演劇は祭儀であり呪術である
....
両祖母は国後島、樺太出身である。
現在国後島は北方領土としてロシア実効支配下にあり、
樺太は正式なロシア領土である。
戦時は幼少期ということもあり、両祖母の当時の記憶は非常に断片的である。
し ....
越冬のことはなにもいえない
あれから僕の身体には青空が広がっていて
雲もない
なにもない
誰にもなにも
いいたくなくなってから
人の言葉が
まるで湖のようにきこえる
僕は両手を
....
子供の頃からずっと写真に撮られたくなかった
自分の顔や姿
卒業アルバムの集合写真には
集合から外れて丸枠の中に写っていた
まるで空中浮揚してるみたいに
三十代半ばに結婚を焦った私は自 ....
あめいろの
時が過ぎ行く
この夕べ
わたしの孤独は宙に溶け
一閃する光の海
瑪瑙の渦は天を駆け
静かさだけが降って来る
気の遠くなるよなこの時に
静かさだけが降って来る
....
蒼ざめた霧が流れる
旗は透明
静止
巨きな空虚
渡るべき河の音
静止の中を
巨きな空虚の中を
いくつもの星が通過する
見える星
見えない星
蒼ざめた霧のつめたさ ....
若い頃はよくおんなに一目惚れした
俺はとびきりのいい女より
少しかたむいてるくらいのおんなの方が好きだ
大柄より小柄が好きで
要約すると
母親ににているおんなが好きだ
顔や姿ではな ....
私は今年六十六歳。
押しも押されぬ前期高齢者。
ワクチン接種券届いた
五月下旬ごろから予約開始と明記されてた
五月になって予約始まる日に居住してる市の役所に電話して尋ねたら
コロナ予約セ ....
ふと思うことが 直観だと
最近知ったんだ
満月から燻るオーラ 煙たげに窓の外
見上げてみても もう降りて来る者はいないよ
私の汲み上げた三人称だから
対話をトランプのように切って 神 ....
別れて月日が経っても
あなたが抜け切れていない
好きだった砂浜は
今も全く変わらずそこにある
想い出があまりに濃くて近づけない
潮風に溶け込んだ愛
自然な形で愛を育んでいた
....
売れない絵描きは
売れない絵ばかり描いてしまう
売れない女優は
客の入らない舞台でばかり演技している
ペットショップで売れ残った犬や猫は
ダンピングされても売れなかった
ペット ....
わなわなふるえる
ひびの、よろこびかなしみよ
それがこの世のさだめなら
汝のコインに息を吹きかけ
明日の行方へ、投げてやれ!
くるくると…裏表見せる
放物線のその先は
道 ....
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