雨上がりの朝 音楽会は終わり あたりは拍手のように光っていた

──終演

濡れた落ち葉は閉じられた楽譜 土に還る日を待つのだろう

    ──静謐

鳥は何の疑問もなく冬へと向かう ....
自分に
向けた 背で
生きて
何を思うべきだろう

金は何も 人に与えない
街をさまよう旅人である僕は今日も知らない
夏の駅に戻って 歩きたい 強い日差しを浴びながら 
緑の中で青 ....
地図を広げて電話を片手に話している
相手は叔父だ
ある地名の場所がわからないという
三文字の漢字で表す地名
「興味の興、という字がつくの?何?聞き取れないの?」
歳老いた叔父の声はしゃがれ、 ....
ここをもう少し南に歩くと大きな柿の木が見えてくる
手入れなんてされていなくてばさばさの大きな木が見えてくる

まだかけ算が苦手な時に、そこの汚い倉庫みたいな家には
ガラクタばっかり集めているお ....
ウツウツしつつ
鬱憤はらし
クヨクヨしながら
苦を昇華する


ビクビクしては
吃驚ぎょうてん
クルクルまわる
狂った脳天


タンタンとして
耽溺する水
モヤモヤして ....
教室から飛行機が見えた
窓の向こうでは轟音が聞えているはずだ
潮のにおいも混じっているはずだ
この町の大人達の自慢は この学校の窓という窓は
二重ガラスで 外の音が 全く聞えないこ ....
寝た子を起こすのは癖などではなく
男の本能なのだ
自分の子も、ひとの子も
猫も鼠もすべからくたたき起こし嫌がられる

朝になれば食卓のししゃもに
やれ早く起きろ、やれおれの相手をしろとわめ ....
口に含んだルビーを
少し、見せて
彼女は深い眠りへと向かった。
天蓋から垂れたベールの外に立ち尽くし、
私は窓から夜を見る。

月はあった。

もはや天体の月までもが、
彼女の言うま ....
あらゆる辛酸を舐めようと
水だけで一週間暮らそうと
敬意を抱く親友が逝っても
愛した女が他の男に走って
全財産を盗んでいかれても
会社でリストラに遭っても
倒産・自己破産しようとも
痛み ....
虹の始まりが
何処なのか分からない

虹の終わりが
何処なのか分からない

出所もなく 湧きあがる
雨上がりのイリュージョン

七色の光のスペクトルを
キラキラと反射させて

 ....
 
あたいの前には、立ち入り禁止

あんたの前には、Uターン禁止

標識、ちゃんと見てよね!



 
朝、職場の一日の初めに同僚たちが
コーヒーを啜っている一角には
充填しそこなった活力が
辺りに漂い出している

それに与りたいと
自分もカップにコーヒーを注ぐ
一日の仕事をやっつけるため ....
小さなあまりにも小さな


小さなあまりにも小さな
ことにかまけて
昆虫針でとめられた一羽の蝶のように
僕は身動きひとつできない
僕のまわりを
すべては無声映画のように流れてゆく

 ....
夜に、バレエのおけいこから帰る道で、
もうすぐ家につくというとき、
住宅街の隅で、若草色のネグリジェを着た女の人が猫と喋っていた。
ふたりは向かい合って楽しそうで、とても、きれいだった。
車の ....
あなたがいても あなたが淋しいと淋しい 夜汽車の音を聴きにいく
眠れぬ夜のなぐさめに

長く尾をひく汽笛
行く人のさよならのように

旅のゆくえを指し示す
線路のむこうは闇に溶けている

行かない者のさみしさを
私はぼん ....
癒してくれる。
助けてくれる。
理解してくれる。
会ってくれる。

世の中を光り輝くものに
してくれる。
勇気をくれる。
生きる希望を与えてくれる。

自分に自信を与え
その気に ....
私は油性ペンが好きな時もある
泣きながら書いた手紙
泣きながら書いた詩
涙がこぼれ落ちても
にじまないから

私は油性ペンが嫌いな時もある
「これは私のものです」という印に
布に名前を ....
寒さのあまり目が覚めて

気がつけば、職場で椅子に座ったままで

くしゃみが鼻先で誘爆すると

まるで冷たい水中にいるのではないかと思うほど寒かった。

いつの間にか、窓は真っ黒に塗り ....
コスモスを見に行こうよ。とキミが言うから

その日、僕らは旅に出た。

思いつきで、旅に出た。



できれば、車はオープンカーの

アメリカンなおっきな車が理想だけれど  ....
膝までの深さの
泥水のプールに
君と潜ってはしゃいでいた
君と潜ってはしゃいでいた


僕たちは19歳で
怖いものなんか何もなかった
僕たちは無敵で
青春は永遠だった ....
雨がやんだ
塹壕に 糞尿のにおいが」もどってきた
雨のほうがましだ



        ・



複葉機が雨雲のしたを飛んでいきやがる
俺たちのことを 見棄てるのか 

 ....
             121112



輪切りにされた風景
などくとどくがが
買ったばかりの風景に溶け込んでは
ふうすけと鳴る
ふうさくになり損ねる
ふりんとうのう ....
両親を持たない
孤児はさ迷って
乳が欲しいと雌の裾を掴む
だのに女は乳房を持たない
大聖堂の聖母も大通りの花売りも路地裏の娼婦も
まるで育むことを拒むように
首元までボタンを閉めて
 ....
風に戸口を叩かれた冬が
一斉に開かれようとしている夜に
凍えるようなアスファルトを踏む
裸の爪先が何処かを目指してさ迷っている
たくさんの色彩に恵まれた
この祝福された大地で
夜の闇にさえ ....
{画像=121112003029.jpg}


人はみな心の中に
自分の花園を持っていて
色々な花を育てている

私は一つの花壇に飽き足らず
ネットを彷徨い
この花園を見つけた
私 ....
僕が降ってきたよ
無数の

堪え切れずに
僕が

地面に突き刺さろうとして
ザザズ

濁った悲鳴をあげているよ
無数の

僕が降ってきたよ
止めどなく

所嫌わずに
 ....
人の心に耳を澄ませた金曜日
聞こえてくる様々な声に
目頭が熱くなった

人の声に耳を塞いだ土曜日
何度も繰り返した同じ言葉
口にだしてしまえば、泣いてしまいそうで
唇をぎゅっと噛みし ....
ラジオで誰かが言っていた
「小さなことからコツコツと」を
「小さな琴から骨骨と」なんて変換していた翌日
ご近所でお骨発見のニュース

家族すら知らないうちに家の中で骨になるのなら
たぶん友 ....
がらんどうの箱
窓枠から向こうの風景が見える

いや

もはや窓枠ではなく
ただの開口部

風通しがよい
では済まされぬコンクリートの塊


荒涼としているのは
今にも泣きだ ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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かけらの詩- 番田 自由詩212-11-15
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タイムマシンおじさん- カマキリ自由詩312-11-14
風来坊- シホ.N自由詩612-11-14
個と場- るるりら自由詩21*12-11-14
寝た子を起こす- かなりや自由詩312-11-14
宝石- 小鳥遊儚自由詩412-11-14
笑うもの- HAL自由詩2*12-11-14
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夜汽車- そらの珊 ...自由詩1912-11-13
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- 衣 ミコ自由詩9*12-11-12
よわさ- 衣 ミコ自由詩512-11-12
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週末- 三奈自由詩1612-11-11
小さなことからコツコツと- ただのみ ...自由詩21*12-11-11
解体される団地- kauz ...自由詩11*12-11-10

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