光溢れる夏の午後
庭の梅の木が微かに揺れて
三才の僕はその瞬間、
〈じぶんは自分なのだ〉と不意に気付いた
なにものにも替えられ得ない〃この私という存在〃
その認識が僕を稲妻のように打ったのだ ....
雨に
濡れる
緑の丘を
白馬たちが
次から次へと
走り去っていく

その響き また その響き
凄まじく獰猛で限りなく繊細で
全ての白馬達が視界から消えた後
深く異様な沈黙が この界 ....
滅菌室に芽吹いた
一本の葦

畳、開け放たれた窓、ほほをなでる風
庭に咲くキンモクセイ
高校の制服
ボールを蹴るときの足の反動と
ふくらはぎからふとももの筋肉の
機微

酸素と ....
夏深しコーヒー缶の銀光る


哲学書にコーヒーの染み夏の果


コーヒーのカップを探した夏終わる
持ち場のパートナーに「気持ち悪い」と言ったら、
言われた人がどう思うと思いますか?と返事が来たけど日本語が苦手な日本人のようで
「あなたが嫌い」が伝わらなかったよう

面倒くさ。

小学校 ....
嵌まる
虚の時空
実感無き生
ふざけるな!
鉄槌を打ち込む
固い硬質なビート
過去の影を蹴散らせ
執拗な愛着や温もり
脳髄を垂直破壊し
虚脱の生に力を
内在する何か
を賦活せよ
 ....
彼女は持つ
花を 花に似た見目姿を
その花が育ってゆく時間を
温かい自嘲を 揺れるブランコを
隠している本当の名前を
潮の満ち引きを 
握り拳の中にあるものを
下降と上昇と停滞を繰り返す ....
8月9日。国民年金保険料の免除申請の仕方がわからない。それから、雇用保険の手続きに必要な事の一切がもの凄く煩わしい。最近は色々な生活処理能力が目に見えてガクンと低下してきている。大事な郵便物や書類の類 .... そこまで惨いことをしてみせなければ
わたしたちが
気付けなかったとお思いですか
それほどまでして
ただ懸命に生きていた人たちをいたぶり苦しめなければ
地道に生きることの大切さと
命の尊さを ....
暮らしの貧しさは容易に数字に出来るけど
人の心の貧しさは容易に言葉や文字には括れない

日々の仕事に心底疲れながら
休日にそれを癒せない
そこには命の貧しさが潜んでいるからだろう

平凡 ....
八月の不思議の果ての白い靴


昨日より少しふんわり星の秋


初嵐キッチンクロスが飛んで行く
何かおかしいと思うことのひとつは
庭の紫陽花のことだった
八月を迎えても その子たちは
いまだつぼみのままである
長すぎた梅雨のせいで
ウエハースはたちまち湿気り
紫陽花は許容力をはるかに ....
肩幅で生きる
肩に幅があって良かった

夏は草の履歴と
雲の墓場
ただいま
おかえりなさい
言葉が影になる

初めてできた影だ
子供たちに見せてあげよう
昨日いた犬にも見 ....
この星の何人かは
ちいさめの正方形の紙を見かけると
戦争が終わった後だというのに
戦争のせいで病み 快癒を折り紙に託しながら
亡くなった少女のことを思い出す

紙の角と角を 合わせて
鶴 ....
光に貫かれ
すべてが踊り出す
この八月、
白い波しぶきを浴びながら
旅人は麗らかな海辺の街をいく

静かに客人を待つ庭先には
石と薔薇、薔薇と石
石に刻み込まれた眼は
鬱屈を宿しなが ....
コロナ感染者が
人口の99%を越えたとき
巷では
こんな会話が囁かれるに違いない

「ねえねえ、あの人
まだコロナになってないんですって」
「えーっ!嘘でしょう?
今どきそんな人いるの ....
ほんとうは、たたかうほうが好きです
若いことを踏み潰した、地続きの傷
なぞると忘れた横顔に似たきり、
痛みにしがみつくことなく
目を閉じます


白い配りもの、光って、子に散る声 ....
1)癌と診断された彼女の
ふわふわと帰路に着く足取り
おかあさんにあるがまま言ったらと
想像して
抱えることを選ぶ

2)
親の下の世話をし、食事を食べさせ
洗濯機をまわし
エアコン ....
縁側で
ぷっと
西瓜の種飛ばし
放物線の先を
追っている
幼い子供が
独り居て

遠い夏の日
夏の午後
その日を生きる
幼子が

風に吹かれて
風に吹かれて

名無しで ....
{引用=散歩道}
彼女は二つの嘘を連れ歩く
いつも同じコースで
一つの嘘は人懐っこく誰にでも尾を振った
一つの嘘はところ構わず吠えたてる
どちらも夜のように瞳を広げ
油膜で世界を包んでいた ....
これから病院です
おかしいところを治す病院です

暗いスマホの画面に映ったわたしの顔その後ろの車窓その向こうの電線と青空が、とても綺麗で
6.4インチ、好きな分だけ好きな景色を切り分けたような ....
つま先にあたった石ころが

ころころ

ゆるく転がって川に落ちる

何の音もしない

七年前

職場のわたしの歓迎会は

小ぎれいな洋風レストランに皆集まった

こ ....
そのとき
両脇に親が眠り
その真ん中に
自分が横たわっていた

三歳の私は夜中突然目覚め
それから眠れなくなった

〈今、両脇で死んだように眠っている親達がいなくなったら
自分はこの ....
午後十時日々を耕す中休み私は自由に夢を耕す 本当は存在しないもの
駄菓子の当たり
国境線
赤道


本当は存在するもの
自販機の当たり(たまに当たるんだぜ)
戦争
ひとり


地球儀にキャプテンがいる
片言の日 ....
言ってやろうか 聞かせてやろうか
俺を産んだ女は無学で
字もろくに書けねえ読めもしねえ女だった

昭和二十年
この国は戦争でぼろ負けになり
東京辺りは焦土と化してしまったけれど
嫁ぎ先は ....
日暮れ前
誰も彼もが瞑り合掌し
高く掲げた花
   賜りものか捧げものか



            《2020年7月26日》
{引用=首}
なだらかな午後
ただそれ自体の円みと感性で
転がって
吸血する問いとなり
落下する 分裂の暗い谷へ

隠匿されていた
真っ赤な夜が溢れても
目交いすらなく
過る夜鷹に ....
一日にふたつ詩をスマホに打ち込んでネットに投稿しても

何も変わらない
何も起こらない
何もスタートしない

この寂しさ
この空しさ
このやりきれなさ

嵩ましをするばかりだ
 ....
答えにたどり着く気がして
川沿いをひたすら歩く

午後九時
一瞬雲の切れ間に輝いた二等星
願うことから始まる絶望が
いつでもおいでと笑っている

仲間は裏切者だった
でもそれでいいじ ....
梅昆布茶さんのおすすめリスト(13739)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ある夏の光景- ひだかた ...自由詩6*20-8-17
白馬- ひだかた ...自由詩720-8-14
薬にも毒にもならないメディカルスタイル- wc自由詩820-8-13
(藍と銀)- もっぷ俳句120-8-11
さよなら- 鵜飼千代 ...自由詩3*20-8-11
クラーク- ひだかた ...自由詩420-8-10
谷へ降りてゆく- 滝本政博自由詩9*20-8-10
未日記- 道草次郎散文(批評 ...4*20-8-10
平和の祈り- Lucy自由詩1120-8-9
傘の下に降る雨- こたきひ ...自由詩1220-8-8
八月の不思議- もっぷ俳句220-8-8
八月の紫陽花- そらの珊 ...自由詩14*20-8-7
終戦- たもつ自由詩1120-8-7
花束と折り鶴が少しだけ風に揺れる、ように- るるりら自由詩8*20-8-7
八月の光- ひだかた ...自由詩520-8-6
イソジン- 花形新次自由詩220-8-6
- 星 ゆり自由詩1020-8-4
インスタントポエム- wc自由詩820-8-4
童夢- ひだかた ...自由詩13*20-8-4
なしごころ- ただのみ ...自由詩4*20-8-1
コミカライズ- 印あかり自由詩620-8-1
_重い紙袋- 自由詩11*20-8-1
ループ- ひだかた ...自由詩720-7-31
かおるのおと- もっぷ短歌320-7-29
地球儀- wc自由詩1020-7-28
言ってやろうか。聞かせてやろうか。- こたきひ ...自由詩1020-7-26
ねむの木- ただのみ ...自由詩2*20-7-26
早贄- ただのみ ...自由詩4*20-7-25
一日にふたつ詩をスマホに打ち込んでネットに投稿しても- こたきひ ...自由詩420-7-25
川沿い- TwoRivers自由詩9*20-7-25

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458