きいろい秋の街道で
あなたも僕をおもうだろう
灰色がかった青空を
見上げて僕をおもうだろう
あらゆる準備ができているよ
なんだかせえせえしているよ
もう傷つくこ ....
駅へ降り立った時
まだ空は青みを帯びていた
ちょっと買い物をした隙に
すでにとっぷりと暮れている
荷物を提げて
街灯が薄く照らし出す歩道を急ぐ
呼ばれた気がして
見上げると
鎌のように ....
なんにも傷つけもしない風が吹いています
秋は秋であることに自由なのです
暑いぐらいのことで
ことしの秋は短いだとかないだとか
決めつけるやつらがいるけれど
虫がみんな ....
わたしが
命をもらった日から
吸って吐いて
繰り返されてきた
呼吸の仕組み
その息は
かじかんだあなたの指を少し温め
その息は
幼子の風車を廻し
その息は
ケーキに灯されたろう ....
早朝
寝ぼけ顔で庭に降り
如雨露を取りに飛び石伝いにゆけば
いきなり顔面を覆う蜘蛛の糸
悲鳴こそ上げなかったものの
粘っこく絡みつく網に息を止め
指を立て取り払ても
容易には剥が ....
私には二人のにーちゃんがいる
ただならぬただのみきやにーちゃん
と
双子で5つも年上のお花にーちゃん
がいる
憧憬のキアラキアラした念が 翼を広げて飛んでいる
頼もしい にーちゃんたち ....
みずいろの雨をききながら床に入ると、雨がふる
ぽっかり空いた穴を補完するように、雨がふる
決して満ちることはないんだけど、それでも雨がふる
*YouTube み ....
記憶の扉の鍵は締めないほうがいい。
綴られた思い出に机上のペンは饒舌で、
蘇る風景は良質な硬石のようだ。
不変の美が穏やかに語りかけることもあるだろう。
共に生きた証は残したほうがいい ....
健全な夕暮れに秋の冷たい風が吹く。
私は人生の喜びを一人の詩人に教わっている。
心の師は人生を達観している。
そのため私は私の境地を再確認出来るのだ。
疲れた頭に師の言葉の数々が染み渡る。 ....
雲海に沈む太陽に心が沸き立つ時、
私はもはや一人ではない。
この道はあなたも通った道。
過去に飛翔する魂を私は許した。
生への鼓動がこの道をゆく。
私の視点の先には常に未来が横たわる ....
大津の町に
煎茶会妻のとなりに座りたり
二人して妻の口紅選びけり
湖べきて妻の指さす三上山
今日の日は大津曳山妻とみし
書展にて阿修羅とう字を妻とほむ
八年前春は過 ....
足先の冷たさ
こごる肌
だから
空間が
分断されるごとに
秋を感じよう
今年は
石油の匂いが嗅ぎたいので
ストーブを
購入しよう
樋にかけていた
紗を仕舞おう
白ッ茶く ....
春のあいだ
君は私から離れて過ごした
色鮮やかな四月が晴着を着飾り
あらゆるものに春の息吹を吹き込んだので
君の姉妹たちは皆
笑い声を挙げて一緒に踊っていた
だが、鳥の歌を聞いても ....
駅に降りて
商店街のアーケードを走りながら
雨に濡れて、重たい洗濯物の後始末を計画した。
(雨だから、濯ぎだけでいいや。。)と
思いつつ
お気に入りの服が無かったか?
....
久方ぶりの帰宅に
カップ麺を買い込んで
メータが振(ぶ)れないガスで湯を沸かす。
(それは、帰宅と言うより出かけるに近い。。)
…家ノ中ハ、他人事ノ様…
緑の無い中庭と
....
横たわる本州に見えた気がした
乾いた 毎日
夏の 終わり
少年ジャンプを手に持っていた
大人でいることは
たぶん 少し
くたびれるから 僕は
遊びたいな
校庭の匂い
埃が ....
誰も死なない
何も爆発しない
青い空と適度な仕事
学校にいた頃の延長の様な平和な日々
麻痺したまま食べられて行く
ずっと
この街はケツの座りが悪いと言う
惜しまれながら死んで行く ....
今日は横浜詩人会賞の授賞式。
司会を務めるわたくしは
天の恩師の形見を
スーツの内ポケットに忍ばせ
会場ホテルのトイレに入り
シャツの襟にゆるり、巻く。
ネ ....
月が半分です
じっと見ていたら
うす半分が見えてきます
神様からのテストはいつも突然です
おぼえてないことばかり出てきます
月が半分です
じっと見ていたら
....
色変えぬ松や官僚的答え
若気のいたりを老いても続ける
私の脳裡は「無」の世界にいる
ただ何も思考せず「無」の扉を
自動通過して中に入って行った
時の過ぎるのを待っているのか
時の来るのを待っているのかと
思考する気力さえ無力に変えた
....
前のワゴン車が35回目のブレーキを踏んだ
そのうちの24回は自分を守るために踏んで
残りは、修理費と野良犬のために踏んだ
「ア・イ・シ・テ・ル」のサインなら7回分だ
愛するよりも死んだり殺した ....
『秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 』
確かこの歌を見かけたのはいつだっただろうか?確か高校生の時に古典の授業の時に副教材か何かに載ってたやつと思ったが、秋が来るという意 ....
131012
メタボ検査をします
看護師が
恭しい手つきで巻き尺を取りだし
臍の周囲を丁寧に計測した
見るからにやせっぽちなのに
なぜ計るのだの野暮なセリフ ....
猫っぽいものが
あなたっぽい暗がりへすり寄って
休日っぽい一日になった
下腹あたりに
あなたっぽくて
わたしっぽいものを抱えながら
とりあえずいまは
手足がとても熱い
朝早くに
古臭い詩をわたしは書いた
潮水に濡れた岩間を縫って這うように歩く
数匹の蟹の節足のことなどを
カーテンのあちら側で降っている雨が
薄笑い ....
サラサラと嘲りながら
指の隙間から
零れ落ちていったのは
砂で出来ているのを
忘れかけていた
いくつもの季節と朝焼け
パタパタと蔑みながら
手のひらから
飛び立っていったのは
....
部屋の中君と二人で雨の音寄り添いながら朝を迎える
虹を見て君が呟くこの虹は幸せの色全部あげたい
本当の彼の心は純粋今の内面素直じゃない
絶対に言わないけれど運転をしてる横顔何度もチラ ....
夏をたたむ
両手でしわをのばし
ていねいに
色濃い影をおとした夏も
洗濯され、たたまれると
頼りないほど薄っぺらだ
....
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