子供に絵を描いてみせるのは難しいよ
辛辣なんですよ子供って
でね
自分が子供だった時の
残酷なまでの無知と
まっさらな網膜の鋭敏をほんの少し
思い出したりするのです ....
自転車を走らせながら
夜空を眺める
近くて軽い
感触が迫っている
もう少しで届くよ
立ち上がり私は伸びていく
ビルよりも高く
今日食べたラーメン
箸です ....
雨降っていたけど
傘はいらない灰色の夕暮れ
窓越しに眺めていたが
なにかに恋い焦がれ
外には出たが
どこに行ける気もなく歩く
日当たりのよい植え込みと
車のあいだ抜けて
....
あの歌が気軽に歌われていたころ
あの歌のことはみんなが
わかっていた
あの歌が
気軽に歌われていたころ
あの歌は
線路の上で寝そべったって平気だった
あの歌は
いくらお酒を飲んでも
....
無量無辺のこのことを
寄る辺なき時代の卵白が包んでいる
さかさまつげを背にして眠る
わたしたちの
やさしい負けはいつの日も決まっていて
いつか必ず
だれの目にもとまらない場所で
....
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは関係ありません
佐藤:私の名前は佐藤亜美。この物語の主人公。
北大路学園に通う17歳の高校3年生。
これはある日の教室 ....
あたたかい
舌が落ちる
膜の内側
このまま
撃ち落としたい
叶わないけれど
愛くるしければ
朽ちる様を見たい
この左手を引いて
ひとときの
おわりのはじまり
海まで歩いて五分
日当り良好の
離れの寝室の
大きな窓辺から
隣の国が見えてくる
そんな気がして
今日は霞がないから
風来坊になって
紙切れのように
軽く飛ばされてみた
....
他人の骨 わが身の深く 埋め込んで スペア育てる 未来のバイト
人造の 安い臓器は よく止まる リアルはみんな 売ってしまった
産廃の 森発熱し 犬の肉 溶けてなくなり 白骨となる
子供が生まれて初めてのクリスマス・イブの朝
旦那がプレゼントは何を用意したか?と訊いたので
「絵本とぬいぐるみ」と答えると
「そんなんじゃ、全然足りない!」と言い放って家を飛び出して行き、
ま ....
ロマンティックが好きである
もう恋をする年ではないけれど
恋をした思い出なら
心のポケットにいっぱい詰まっている
怒りでベッドに
携帯投げつけたことも
男の背中をグーで
思いっきり殴 ....
暖かい所を探す 本能のままに我儘に
日向の窓辺 現在のテリトリーにマーキングはしないが
暖かい所を探す 倒れたロールケーキの様に包まる
日向の窓辺 洗濯物の揺れる影 本能のままに追いかけなく ....
{画像=121225074437.jpg}
Man shall not live by bread alone.
わたくしの
神はいないか
或は死んでしまった
かと云 ....
朝日の足跡はみんなのあくび
夕日の足跡はみんなのただいま
とことことこ
雪の足跡は清水
花の足跡は蜜
夏の足跡は実り
北風の足跡は落ち葉
ぱたぱた ....
ゾウのすむ森
という名の運動場
いちばん小さいウタイは
頭を振っている
振り子みたいに夕暮れ時
歩いてやり過ごす二頭をよそに
空中に鼻をしならせ
耳朶で風を鳴らすよう
右に左に頭を振り ....
‐‐‐‐ 悪いゆめより その魚は生まれた
風は
葦原のなか
{ルビ老女=おうな}が こっくり
こっくり
囲炉裏に ゆれている
それは、川瀬の流れに ながされ ながされ
....
何のことはない
君自身が落し物なのだ
たとえば君が左のエレベーターに乗る時
右のエレベーターから降りてくる
すれ違ってばかりの斜に構えた運命が
今日も君を捜してい ....
わたしにある
他者の相
他者は正月にもちを食い
他者はゆっくり風呂に入る
他者は身繕い
他者は出かけ
他者は恭しい
他者は賀し
他者は帰り
他者は脱ぐ
他者を脱ぐ
ひ ....
きみの産声は
午前6時のものだったらしい
かつて手帖があったころ
盗み視た
かすかな記憶
その時きみを照らしていたのは
夜明けという天然のシャンデリア
きらきらとさやかに
祝福はあった ....
外山先生はまた、立ち上がるとホワイトボードのまえでしばらく考えてから、青い字で、
わたしはここにいます。
……と、書いたの。
「たった、一行ですが、これでじゅうぶんだと思います ....
光について語ろうとして
君について語ってしまうわたしを
どうか許してください
闇の中を歩くのは怖い
すくんでしまう足を
立ち止まる背中を
導いてくれる光
君はやっぱり光なんだ
....
サンタクロースの
魔法がとけるころ
子供は無邪気な子供でなくなり
世界のファンタジーは
魔法使いになれなかった
大人が作っているものだと知る
ネズミーランド
幼いキミは
ディズニー ....
I wish my wish I wish my wish
宗教や人種の違いで 人々が争い血を流さないように
I wish my wish I wish my wish
幼い子供たちが ....
ミッキーマウスは ビックマウス
ほんとうのネズミは 目が ほとんど見えなくて
光と影くらいしか分からない
見えなくても見える方法を 知っていたり
いや 知らなかったりする
オーストラリア ....
{引用=〜2012年備忘録}
1月
九時過ぎ、テレビを点けると石岡瑛子が映り、すっかりお婆さんになって
いて驚いた。堤清二のPARCO、その尖鋭的広告の仕掛け人だった。
山口はるみ ....
紅白歌合戦に誰がでるのかとテレビは繰り返し
コタツに老婆がひとり
印刷された年賀状に「今年も健康でありますように」と、娘に書き添えた
大海原は苦手だ
小さな滝壺を庭にしてひっそり暮らした
時々、「見晴らし岩」に座り、遠くを眺めた。
渡り鳥のような大空は苦手だ
見捨てられた小さな神社が裏庭だった
時々、「千年杉」の枝から ....
君を抱きしめる
折れそうなその細い体は
案の定
折れてしまった
添え木になるものを探しながら
僕は君の名前を呼び続ける
あなたが悪いんじゃない、と
君はできるだけの笑顔で言う ....
積もった雪が奏でる
静寂の夜の世界
凍えた闇を彩る幾億の星に
惹かれ、誘われ
輝く鼓動
真冬の空に駆け抜ける
吐く息は今
月の明かりに反射して
銀色に煌めいて
....
法則を聞いてみる
雲のうえに
青空に
ひかりに
法則を
発見せずに
決めつけずに
雲のうえに
青空に
ひかりに聞いてみる
市電がとおる
....
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