ひとが名前ではなく
番号で呼ばれたとき

そのひとの生は無意味になったと
いうことであり

そのひとはもうこの世に
存在していないことと同じなんだ
役者は
媚びてしまった

目の前の毒リンゴを
食べてしまった

役者が
安っぽい悦楽で
身体中を痺れさせている間に

観客は
優しい嘲笑を浮かべつつ
足音もたてずに去ってい ....
大きく伸び縮みする時間、とポプラのあの不穏さ
を 考えているときに隣で編み
込む 糸を巻き付けて束ねて吸い込んだ製糸工場の裏


中心部分の球体をゆっくりゆっくりなぞりあげる
指の先 ....
ししゃもししゃも笑う
ししゃもししゃも笑う

社会に馴染めず
街を追われ山の中の
小さな穴蔵に住む者たちは
カラスたちに目をくりぬかれ
身体はだんだん干からびていく

生きているのか ....
まひる、白い、アスファルトのうえ
くるくるまわり、昇っていくむしの群れ。
らせんを描き、そらへはしごをかけていく。
きっと遥かな静寂に届くまで(たとえば、海王星の近く、とか)。

暢気に渦巻 ....
蝶を呑んだものの肌に
蝶が現われ
真昼の終わりまで
話しつづけている


小さな音の
まわりだけの冬
鳥は追う
羽を忘れる


石の径の影
曇のなかの声
 ....
わたしは失格者
子供の頃は子供として失格
いまは大人として失格だ
夫として
父親として
男として失格なのだ
当然女としても
地獄に堕ちる者として失格
天国に入る者として失格
社会人と ....
お父さんの部屋は半分おなんどで
机の横にさびたバス停がありました
お父さんが3年前
会社の近くのがらくた市で買って来ました

私と妹は大喜びしました
お母さんは
「何考えてるのよ、こんな ....
キッチンからいい匂いが漂ってきた。
大掃除の今夜は彼の得意なビーフシチューだ。

「おいしそうだよ」
リビングのソファでふて寝をしている彼女に声をかけてみるが
返事がないところを ....
本を読み 本に読まれる 前のめりで啜る珈琲 もう何杯目?


おっちゃんらおばちゃんらみな話好き 知らぬ間に 関西語のレッスン


一度きり言葉を交わし 約束もないまま別れ 言 ....
その日は珍しく彼女の帰りが早かった。
「何食べたい?」
帰って真っ先に冷蔵庫を覗くなりそうわたしに問いかける。
           
頭をめぐらせ冷蔵庫にありそうな食材でなおかつ ....
 回すハンドル

 ワークは踊る

 きちんとチャックは

 コーリャコラ

 締めてアラヨノ

 出来上がり

 削ってなんぼの

 どっこいしょ

 切粉も愛しや
 ....
本日八度目の生まれてきてゴメンナサイ 掛け違えたボタンのまま一日過ごすことにする もう冬休みに入り部活へ行く以外は毎日家にいる。
こうして彼女とふたりで休日を過ごすのは夏休みや冬休みの
彼女が休みの平日しかない。
          
「ねぇ、いい加減起きた ....
その痣を
消そうと
擦ってみる
乾いた布で
擦ってみる
乾き切った布で
擦ってみる
乾き切った表情で
擦ってみる
侮蔑の唾で湿らせて
擦ってみる
羞恥の涙で湿らせて
擦ってみる ....
想いの花咲く季節なら
じめり気の有る梅雨は避けたい

されど紫陽花 美しく
一輪挿しで 満たされたい

葉に積もる 一滴
きらきら光る 太陽が

掌の上 すっぽりハマる
心と心 繋 ....
先生が僕を卑怯者と呼んだ
その名前はおでこに貼りついて
やがて
僕の皮膚になった

月日が過ぎて
周りが誰も気づかなくても
僕の耳には
先生の声が時々聞こえた

先生 僕は先生のよ ....
声がする
崖っぷちに
かろうじて
爪を立て
呼んでいる
誰かを
よるじゅう
求めている
雨に打たれて
傘も持たない
家もない
母もない
優しい思い出も持たない
痩せた猫が
 ....
やわらかな陽の差す日曜日の午前中、
朝食の片づけをする私の背中に彼の静かな声がかかる。
         
「そろそろ買い物に行くか?」

彼女は今朝もぎりぎりまで寝ていて、慌て ....
i am not worker
but i must do many thing
heart of people is difficult
knowledge is not real
玄米の歯ごたえが かすかな非凡を生む
それでも昼寝をし 覚えていない夢に脳の神経を疑う

春の特番を拾えるものだけ 目を通す
心の表皮だけを滑り 忘れる内容
それでも明かりを灯すテレビ 凡の ....
埃っぽい倉庫街の一角
赤煉瓦造りの古風な倉庫
その中で熱心に壁の穴を覗く者
それは老人だった
グレーの草臥れたジャケットを着た
老人だった
櫛の通っていない白髪の
老人だった

老人 ....
朝の近くで
鳥はそうそう、何ごともなかったように
空の下 奏でている
わやくちゃになった己こころ
沈めたいともがきつつ
ただ座っている
朝が近づく

やっと明ける不安からのかいほう ....
「ねぇ、この本の表紙知らない?」
           
彼女は読み終えた本をわたしに見せる。
その顔にはどうしてないのかわからない、不思議でならないと
いった表情がありありと浮か ....
ラッキースター

暗闇にまぎれて 人知れず夢を見る
誰にもバレなきゃいいやと
喋らないで終わらせる ひっそり心の奥で
勝手に決着をつけて

後に残るものは空しさだけ それが積み重なって
 ....
 
混沌とした水が透けるとき

言葉を釣り上げる喜びといったら


あぁ、まだ詩をやめられそうにないよ



 
四月
夜来の雨が軒を叩いて
やんだかと思うと強まって
千の靴音を撒き散らすと
再たふと空のどこかに引っ込んで
猫のように耳を澄まして
南の果てから吹く風の
雄々しい声を聞くようで

 ....
陸では息継ぎも困難になり
私は海に潜ったのです
息の詰まる人波を泳ぐには
シュノーケルでも心許なくて

長湯に逆上せないようにと
私は冬を選んだのです
ふやけた心臓は張り切って
蹴り出 ....
 
 
吐き出した言葉が
気泡になって
無人のブランコを揺らす
 
目を瞑ると
魚たちが
瞼を触りにやってくる
 
部品を捨てながら
自転車は走る
ただ一つの
点になるために ....
梅昆布茶さんのおすすめリスト(13739)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
名前と番号- HAL自由詩5+*13-4-13
役者は夜になった- nonya自由詩14*13-4-13
石女- 自由詩313-4-13
ししゃも笑う- 灰泥軽茶自由詩3*13-4-12
はしごの先へ- 凍湖(と ...自由詩313-4-12
午後と冬- 木立 悟自由詩1413-4-12
失格三昧- ただのみ ...自由詩20*13-4-12
バス停- salco自由詩27*13-4-11
彼と彼女とふくれっつら- 石田とわ散文(批評 ...2*13-4-11
記憶- 深水遊脚短歌7*13-4-11
彼と彼女とワインの夜- 石田とわ散文(批評 ...4*13-4-11
職工哀歌- ドクダミ ...自由詩3*13-4-9
本日八度目の生まれてきてゴメンナサイ- 北大路京 ...自由詩313-4-9
掛け違えたボタンのまま一日過ごすことにする- 北大路京 ...自由詩1113-4-9
彼と彼女と綿ぼこり- 石田とわ散文(批評 ...6*13-4-9
青二才- 花形新次自由詩413-4-9
じめり気- 藤鈴呼自由詩2*13-4-9
ルピナス- Lucy自由詩27*13-4-9
痩せた猫- そらの珊 ...自由詩21*13-4-9
彼とわたしとぶり大根- 石田とわ散文(批評 ...5*13-4-9
people_do_not_dream- 番田 自由詩113-4-8
玄米- 朝焼彩茜 ...自由詩14*13-4-8
壁の穴- ……とあ ...自由詩11*13-4-8
朝の近く- 唐草フウ自由詩14*13-4-8
彼と彼女の本棚- 石田とわ散文(批評 ...11*13-4-8
ラッキースター- itukamitanij ...自由詩1*13-4-8
やめられそうにないよ- 殿上 童自由詩26*13-4-7
- salco自由詩9*13-4-7
おさかな_おいしい- 中村 く ...自由詩2*13-4-7
夕暮れは- たもつ自由詩1213-4-7

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