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あなたがいなくなってから
なんど桜が咲いてなんど散ったでしょう
花びらはアスファルトに川面に誰かの頬に
あなたが好きと言ってた
日本の春は今も変わらず風を乗せて
....
つま先を磨いたら
おまじないをかける。
赤く染まったハンカチ。
黒く濁っていく涙。
美しい人に
美しい花を。
総て枯れてゆく未来に
祝福と声援 ....
あの頃わたしの精一杯で生きていた。
遠い記憶は優しいものではなかったが
大きな怪我も病気もせずに
三十年以上生きてこられた。
親には感謝すべきなのだろうが
生憎ずいぶん前 ....
心を込めても
君に届かないのなら
無いものと一緒だわ。
ミモフタモナイけれど
ソレが現実だわ。
愛を語っても
最後に嘘になるのなら
ペテン師もご苦労様。
約束なんて
ソンナものだ ....
海を見渡すと
決まって悲しくなる。
波の音が
泣き声に聞こえるから。
砂の色が
灰の中のようだから。
けれど私は海を選ぶ。
波の音も。
砂の色も。
ただ広い海 ....
『いつの日か魚になってあの人に食べられることそれが夢です』
海草が足に絡まり動けない傷付け合った二人の代償
唇は奪うものだと知った時魚の情事を悲しく思う
つま ....
波打ち際で花束のような人
野にある姿は幻だったの
手の内を隠して
笑いかけるだけ
振り向いたら負けと言いながら
波に呑まれて魚と愛し合った
夕立の前に
....
いつから
奥歯を噛み締める癖が
ついたんだろう。
こんなにも
自由なのに。
そう、悪くない毎日。
長電話をたまに。
時々朝までファミレス。
4月からは昇進。
晴れた日はドライブ。
山の上は星もきれい。
そう、悪くない毎日 ....
さよならの時期を知らない振りをして私あなたを殺していたのね
もう二度と愛に傷付かないように私あなたと心中します
気移りをしたなら行って構わない影だけ私に残してください
味噌汁 ....
永遠の少女になるため三つ編みをきつく結んで貞操とする
今日君にあげた愛など明日には棄ててくれてもいいと思った
ライオンがアンドロイドに恋をして心臓抉って食べさせたっ ....
諦めなければ叶うなどと言う
夢物語は成功者だけのお話で
大半の事柄が叶わない現実は
それでも私の足首を掴んでて
一瞬の気の迷いのように夢を
今日も見せよう ....
くまのぬいぐるみのなまえはわすれてしまった。
いたみよりしーつのしみがきになった。
へやばんごうはしゅっせきばんごうだった。
いきづかいだけがいつまでもか ....
煙草の煙は揺れて登る。
あなたの無言の言葉に変わって消える。
灰皿と吸殻と
濁った空気だけを残して。
運命は手のひらに
降り積もる間もなく消えてゆく
熱に蒸発し続ける
白く冷たい雪のよう。
耳たぶを赤くして
出会った夜から。
霜柱が降りる朝に
日向を選んで歩いた頃に
私は確かに
恋をしていた。
雪解けは早く
花色の風は強く
私は確かに
恋を失った。
そうし ....
マニキュアを塗って
少し特別な気になっていた
真っ赤なマニキュア
小指だけは黒
趣味が悪いと笑われた
それでも
特別な気になっていた
あなたの ....
心から心から心から
だから何も要らない
見送った背中を思い出しながら食べたケーキはしょっぱかったの
謝らない代わりにケーキを買ってくる君をやっぱり許してしまう
大きめのプリンをふたりで分け合った夜は月さえ ....
優しさだけで、生きていけると思ってた頃。
どうしようもなく、若かった頃。
けれど限りなく、輝いてた頃。
影法師影法師
あの人を返して
朝焼け宵闇夕間暮れ
あの人を連れて来て
雨星月風
あの人に伝えて
わたし待ってる
わたし待ってる
....
優しい人達の笑い声を消したい
近付いて来る足音から逃げたい
差し出された手を払い除けたい
独り善がりな不幸を味方につけ
勘違いな孤独に酔いしれてた頃
僕は本当は幸せだった ....
愛が欲しかったわけじゃない
拠り所が欲しかっただけ
優しくしたのは優しくされたかったから
愛を情熱に換算できるとして
私にはその余力さえも残っていなかった
....
あの日あなたが何気なく
捨てた言葉を後ろから
こっそり拾って生きてます。
あの日あなたとすれ違った
独りよがりな愛してるを
こっそり胸に抱いたまま眠ります。
あ ....
置いてけぼりシンデレラ
ボロボロの服はドレスにはならないし
かぼちゃは馬車になんかならない
それに気付いた灰かぶりは
自分でドレスを縫って
自力で馬車を作っちゃうかもよ? ....
雨の日はビー玉に
世界を映して覗き見た。
このビー玉をくれたのは知らないおじさんで
両手に溢れるほどの色とりどりのビー玉をくれた。
雨の日は透明。
夕暮れは橙 ....
――――夏の初めだった――――
おばあちゃんが他界した。
おばあちゃんは、どこにでもいるような
ごくごく普通の田舎のおばあちゃんで
真面目で頑固で亭主関白な大正生まれのおじ ....
風邪をひいたと言う人の見舞いには行かない きっとまた迷うから
真昼間に蛇口から出た熱い水「お湯じゃなくてさ」と言う君が好き
放課後の少女は三つ編み解きつつ運命などを未だ夢見る
あ ....
さよなら
はちみつのような思い出たち
あなたのほほの熱を
忘れられないままに
さよなら
はちみつのような思い出たち
あなたが決めた道を
....
愛するほどに遠くなる
貴方は私をやさしく傷付けて
飛ぶ鳥は振り向かないからと言って
背中だけ向けて私の知らない世界へ歩き出す
あの花束は
もう枯れたでしょ ....
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