理由を捨てて
まーつん

 君は 優しすぎる
 
 笑いすぎる

 身体をくの字に折って 土砂降りの雨の中で
 ラリッたシャムネコのように 笑い転げて

 まるで その細い身体を濡らすのが
 冷たい水の滴でなくて 祝いのシャンパンかのように

 僕も つられて笑み崩れる
 君が発散する 喜びという名の美酒
 その思いがけない通り雨スコールに 乾いた舌を湿らせて

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 日陰で夢を見る僕と
 陽射しの中で踊る君

 違いすぎるよな 二人の生き方が 
 なのに なぜ 心地よい共鳴を起こすんだろう?

 指先で グラスの淵をなぞるように 君は僕の孤独に触れた
 噛みあう二つの感性の 微妙な摩擦が研ぎあげる 妙なる音色ねいろつるぎの刃

 街に溢れる憂鬱を
 僕らの笑いで薙ぎ払おう
 二人三脚の剣士になって

゛…それで人生が変わる?゛

゛…多分ね 吉か どっちに転ぶかわからない
 でもこの感覚を麻痺させる 倦怠だけは振りほどける ゛

 これから君と歩むのに
 御題目なんて いらないな
 絆だ 愛だ 友情だのと
 綺麗なレッテルは張り飽きた

゛退屈だけは しないから゛
 そう それだけで



 充分だ


自由詩 理由を捨てて Copyright まーつん 2012-06-17 00:03:57
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