遠い夏は旅の果てにある 汽車が鉄橋を渡って
青い駅に着いたら スカートを翻し
湧き上がる雲を見上げて 目を細める
見慣れた飛行機雲が 交差する


引込み線には 背の高い雑草が風に揺れ ....
海の向こうに
蜃気楼が見えたら
熱帯夜の中で
君の香りがしたら
お水の中に
海月が泳いだら

もう夏の終わり

あの日に
買った金魚は
傷だらけで元気がない
掬い上げた ....
楽しみましょうよ
今のうち
自分の足で歩けるうちに

林檎の果実の熟さぬうちに

自分の言葉で話せるうちに

自分の頭で考えて自分の声で歌えるうちに

怒りましょうよ今のうち
自 ....
戦火を避けて祖父の家に疎開していたぼくの
ノートや教科書と一緒に
街にあった家が焼け落ちた翌日 
父は硝煙クサイ鉄の筒を持ち帰ったが
それ以来 街の家のことは口にしなかった

道を挟んだ隣 ....
冷蔵庫の中でしずかになにかが貯蔵されているが
それはけっして常温の空気のなかにはでてこないものかもしれない

陽光のとどかない深いうみのそこで
眼のないいきものたちが生命活動をくりひろげていて ....
砂を両手でギュッと握ります
ハートの形になります
ていねいに持たないと
パラパラと崩れてしまいます

砂をギュッと握ったのはカミサマです
このハートをね
シワ ....
         150812

残りの足は
宙で停止したまま

顔が引き攣っているのか
それとも誰かを威嚇するのか
正面に回りこむ余裕が無い
スマフォを持たない貧乏狐め
腹立たしい ....
雨が降り始めた
何処で これ以上 笑えばいい
景色の感覚を剥ぎ取られて
白い足の子供たちが
死の石と兎の上を
水蜜のように歩いた
さらわれてしまう耳目
暗渠から招く文字のうねり
疑問と ....
発火する手前で
なんとか世界は持ちこたえている
そんな暑さだ

空へのばした緑の手は
もはや力なく横たわり
おそらく
何もつかめないまま
花さえ咲かすことのないまま
明日には
残骸 ....
         150810

名前なんてどうでも良いだろうと
本音を吐いたら、酷く叱られる
名前を間違えるのは、個人の尊厳を冒す
とても暴力的な行為なのだとも言われた
私は、酉年生まれ ....
手を伸ばせば届きそうな位置に一つの星がある。しかし手を伸ばしたら、なぜか手がつることばかり恐れて、結局どの星だったか、見失ってしまう。
探しあぐねて、必死に色んなところへ手を伸ばす。そうすると、ほん ....
いつの間にか齢が乗で増すかのように
蜘蛛の巣に向かって
痛い女を額に付けて前進ならぬ重い漸進に
哲学を日用品に出来ない冷汗で自身をクールダウン

させて
   いる

どの角度から見て ....
 
サインは明日につなげる送りバント

ホームランを要求されても困るけど

たまにはフルスイングしたいものだ




 
(踏切を 一滴ぬらす 金魚売)




一握りの午後の 、


その発声の凹の底で、手の皺のなかの風を冷ましながら
坂をのぼる男


黒ずんだ肌
蝉の腹のような太もも

 ....
     海だ
 荒れ狂い、渦巻き、
静まり返って包み込む
  青い蒼い碧い
  無限の広がりだ

私を呑み込んでくれ
  殺してくれ
  生かしてくれ

その波打つ柔軟な腹に ....
戦争を知らない世代の私にとって
原体験は高校1年の夏休み、先輩から渡された一冊の文庫本だった。
原民喜著「夏の花」
爆心地近くに居て奇跡的に生き延びた彼は
五感のすべてに焼き付いた惨状を克明に ....
人間は本能が壊れた生き物だから
自分で物語を作らないと誰も救済しないよ

淡々と生きることをくり返す
それで満足してちゃ面白くもなんともない
人間は物語を自分で造ってしか前に進めない
それ ....
今日はひとまず安眠しよう
ため息がひんやりとわたしをなだめる
もう十回読んだ小説はくたびれ
わたし自身と甚平もくたびれ
うながすようにクーラーが冷たい風をはきだす

見事なくらい夏は涼しい ....
大脳皮質は、
前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の四つに区分されますって いうじゃない
それって クローバーみたいなものかしら
だって 四つの葉だもん

鮮烈な夢が炸裂するとき
きっと 脳内の ....
奈良の大仏が涙を流したのは

今のような暑い夏の日

むわっと熱された空気が水蒸気となって

仏の涙袋にたまり

雫となってしたたり落ちたのだ

そんな風に思っていた

近代合 ....
昆虫採集の一団が
帰ってきた
今日は夏休み自然教室

予定の時間をはるかに過ぎ
バッタみたいに跳ねて
バスから次々おりてくる子ども達
汗だくの引率者が言うには
みんなそれぞれお目当ての ....
ドローンとかいうものが世界のタメになる気がしないのは
おれだけだろうか。アメリカでは早速銃を持たしてドンパチ。
ため息と屁が同時に出る。「どうして人間は動かなくなることを
発明だと信じて疑わない ....
炎は、
はちじゅうはち年の喉ぼとけを
紅蓮に染め、
煙は、
迎えにもこない夫をさがして
透明な森をただよい、
空の底をぬけていく。
 ( うつむく言葉たちよ

股関節のなかで
硬質 ....
書いて 書いて
消せるものは 消せばいい
心にはいつだって
鉛筆と消しゴムがある

あなたとのことは
強すぎる筆圧で
かすかに
残ってしまった
つめをきった
爪を切ったの
もうあの人のために
オシャレなんかしないように

そもそも塗るのがうまくいかないと
イヤなタイプだからさ、わたし
塗ったり落としたり
面倒くさかったんだ ....
『ダイパー・ドライブやっています』

“おむつのドライブ?”
丁寧な発音
穏やかなトーンの声に
思わず立ち止まる
行きつけのスーパーの入り口

『新生児用のおむつが特に不足しています。 ....
 
詩をかかない日々

日常が連続する日々

やはり、わたしは言葉を紡ぎたいのだ



 
夜は眠れない

淋しくて寂しくて
明日が怖くて 苦しくて

外はもっと怖くて
死ぬこともできず

喘ぐように呼吸して
無音の闇をもがく

せめて窓から月が見えたなら
せめて誰か ....
『蝉大合唱』

夏空に響き渡る
蝉の大合唱
耳が汗かき
体感温度2℃上がる



『蝉爆弾』

マンションの外階段に
蝉が落ちていた
そっと跨いで通ろうとしたら
突然!
 ....
どんな風に
過ごしていればいいんだっけ
どんな風に
過ごしていたいんだっけ
君と僕で
シャーベット食べながら
シャーベッツを聴いていたい
こんなに疲れた夜
デモクラシーについて考えた夜 ....
北大路京介さんのおすすめリスト(19150)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
入道雲- 藤原絵理 ...自由詩915-8-13
残片- 瑞海自由詩7*15-8-13
楽しみましょう- Lucy自由詩10*15-8-13
あの頃はもう…- イナエ自由詩8*15-8-13
もとかれもとかのに捧げる散文詩- 梅昆布茶散文(批評 ...1115-8-12
シワアセ- ひさし自由詩915-8-12
狐の三歩- あおば自由詩4*15-8-12
笑いの刑- ただのみ ...自由詩21*15-8-12
炎天- そらの珊 ...自由詩1915-8-12
名字を捨ててあげようか- あおば自由詩6*15-8-11
自己所有権- 陽向∮自由詩6*15-8-11
齢と弱さ- 朝焼彩茜 ...自由詩14*15-8-10
サイン- 殿上 童自由詩12*15-8-10
金魚売り- 末下りょ ...自由詩6*15-8-9
苦肉苦魂〇包容と放擲- たけし自由詩6*15-8-9
夏の花- Lucy自由詩13*15-8-8
これが人間- 陽向∮自由詩8*15-8-8
休息- 陽向∮自由詩7*15-8-8
恋かし蘭- るるりら自由詩22*15-8-7
仏の泣いた日- りゅうさ ...自由詩715-8-6
夏休み- Lucy自由詩16*15-8-6
コピーアンドペースト- もり自由詩5*15-8-5
火葬場にて- 草野大悟 ...自由詩815-8-5
鉛筆と消しゴム- もり自由詩6*15-8-5
さよならビビッド- 瑞海自由詩7*15-8-3
ダイパー・ドライブ- 夏美かを ...自由詩24*15-8-3
無題- 殿上 童自由詩12*15-8-3
眠れない過眠症- 愛心自由詩415-8-3
【_蝉_三詩_】- 泡沫恋歌自由詩15*15-8-2
シャーベット- ゴースト ...自由詩3*15-8-2

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 633 634 635 636 637 638 639