回り続けて乾燥しきった〆鯖を見つめながら
ロイドは生物が嫌いだった事を思い出す
チキンラーメンに入れる卵でさえ
トロトロしてるのが許せない
そんな女だった事を思い出す
不器用にカクリカクリと ....
俺の家の前に

小さな君の足跡

続いている

ついてってみよう

エレベーターじゃなく

階段で上へ昇り

屋上で途切れた

そうか ここまでだ

君が別の人の元へ飛 ....
田舎暮らしに馴れきってしまい
地下街が怖くて僕は
東梅田のビルの隙間
歩道をとぼとぼ駅に向かう
汗がにじむのは
気温のせいじゃなく
コンクリートに染みついた
あの夏の影の照り返し
不快 ....
道路に捨てられた タバコ
雨で濡れてふやけて溶けた

日々吸収してゆくコンクリートは
ついにニコチン中毒となった
それは
お祖母ちゃんが乙女だった頃の 地面のハナシ


私は縁側 ....
ピアス穴に通すえんぴつ去年今年

門松に祖父の植わっておりにけり

探偵は白紙の賀状握りしめ

雑煮餅世間知らずでござんすよ

この町は海市に合併するんだとか

春らんまん桃色うん ....
アイタイキモチを結句に
歌えるようになったとき
恋が始まるのだと誰が言ったのだろう
2002年5月8日


あなたは今、幸せですか
リフレインしてやまない君の問いかけに
若 ....
時計台の上で
大きく手を振りました
その時に見た花びらは
鮮やかで忘れません

きっとこの草原の
緑色に隠れて
僕たちは
未来を見ていた

どんなに美しいものよりも
君と生きる世 ....
《宿題は涼しいうちに済ませましょう》 お前の胸は痛むだろうな


ぢあぢあと蝉が鳴くのを外に聞く お前の胸は痛むだろうな


世を嘆き人を憎んで夢の中 お前の胸は痛むだろうな

 ....
ある日事故にあったぼくは
人間に助けてもらった
人間は親切にも
ボロボロのぼくを刺激しないように
そっと離れたところから
痛いところはないかい?
お腹すいてないかい?
寒くないかい?
 ....
暴風で倒れたトウモロコシ畑の
その隣で新しい工場が建て始められ
太い鉄骨がまっすぐに立てられた
まだ収穫されていないままの
その実を背中にした
作業員の目は悲しそうだった
鉄骨は太陽の光を ....
強く握れば
つないだ手が
痛く、切なく軋む
でも、離さない
どこまでも
一緒に行きたい
なんだか怖い夢にうなされてから目覚めると
ぼくは部屋いっぱいのテディベアに埋もれていた

毎晩毎晩君だと思って抱きしめながら眠ったテディベア
一緒にさみしさのしょっぱさを分かち合ったテディベア ....
 ひんやりとした湖の底で
 青を反射しているハートの指輪
 の持ち主など、はじめから居なかった
(その周りで
 目を濁らせ漂う魚たち
 は、
 宛ら、雑踏でせめぎ合っている
 吐き出され ....
やさしさは 甘い復讐 美しく 
       
別れの理由を 想う毎日
理由など探せないけれど
赴くままに尋ね行く旧家
急ぐように古びゆく様を
呆然と眺めることしか出来ず
異空間の佇みに安心を覚える

理由も探せぬまま
歪む扉をこじ開けた
古さを物語る音はあの頃のまま
荒 ....
この
小さな野花を摘み取っても
だれも気がつきもしない

手折ってしまえば
すぐにしおれること
わかっているのに

わたしは小さな罪をおかす
間違ってもいない公式を
何かおかしいな
疑って消してみた
 
もう二度と正しい公式はたたなくなった
 
 
暗くもない部屋の電気を
何か違うな
怪しんで回してみた
 
もう二度と ....
山間の小さな村の入り口

20年という年月は
視線の高さと
肌の感覚 そして
静寂の形すらも
変えてしまった
所々に見つけていく面影
巡るコントラストは
“芯”という部分を揺さぶって
映し出す風景に ....
あなたは私を見抜いてるでしょ?でも私は気にしない。

自転車で並んで走るっていうのはいい。歩道を並んで走るととっても迷惑でごめんなさいって思う。

自転車で並んで走ると手をつなぎたいって思って ....
歌うような朗読を

独白のような朗読を

破壊しなければならない

たたみかけるようなものを

積み重ねてゆくようなものを

破壊しなければならない

薄皮を剥げ

じぶん ....
赤い屋根まで のびるものが蔦葉であり
方解しないように 白い壁に這わせたのだ
おとうさんの書いた 詩を
おかあさんの書いた 詩を
小さな僕は
理解できないでいました

船旅は航海 ....
日常の破片が 通り過ぎる車を眺めている
日常の破片が 四角い空を見上げている
日常の破片が アスファルトの憂鬱を凝視している
日常の破片が 街路樹の根元で焦点を見失っている


 ....
君の言葉はまちがいなく真実なんだけれど
僕が目にした現実が全てを否定する



確実にこの想いは存在しているはずなのに
否めないありのままの宇宙の真理は 
梅雨空に本来の姿を映し ....
この朝の広がりを
この朝の色彩を
この朝の香りを

ともに感じられるひとが
すぐそばにいたら
それだけで
僕の心は世界だ
大草原をあらゆる動物達が太陽目がけて走り抜けていく
ポケットの中に入るぐらいのサイズの宇宙を携えて
現実で大空へ羽ばたこう
照り付ける真夏の太陽が眩しい
心の世界を現実にする ....
爪先からそっと
静寂へと、沈めていく
触れた境界面から
私が溶けていくのは
見て、見ぬふり
 
緩やかに
波紋が広がるさまを
眺めながら、私は
磨り硝子の向こう
手を
伸ばして
 ....
校長先生のお話は
いつもとても長く
生徒が一人、二人と崩れてゆく

背筋を真っ直ぐ伸ばしたまま
音もなく倒れ
そのまま影となる

「これで、校長先生のお話を終わります」
その瞬間
 ....
あたしの周りは、こんなカンジ。

殻に包まれて、暗くて、光がわからない、淋しい心。

誰でもいいから、あたしの殻を破って。あたしをここから、掬い上げて。

ママの体のように、あたしを、包みこんで欲しい ....
夜の列車から見るその風景は
何も動いていなかった
駅を出発してから
ずっと走り続けている
次の駅はもうすぐなのだろうか
それも定かではない
四人がけの座席に
自分だけかぽつんとだけ
窓 ....
あとひとつ
問題をとけば
あなたは
無傷で
頂点に立てます


これが
問題です



え?
難しい?




あなたらしくありませんね

どんな問題も
 ....
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