正義と正義のせ
めぎ合い 置き
去りにされる血
と涙 見え透い
た手口のイカサ
マ 手札は不条
理のフルハウス
パンドラの箱の
隅を 爪楊枝で
つついているの
は いったい誰
....
ささがきに思い出すのは小刀で鉛筆削った美術室/午後
ごぼうのささがきは、どこか鉛筆の芯を削ることに似ている。
違っているのは、ごぼうに求めるものは皮と実の部分であって、鉛筆に求めるものが芯の ....
大きなひとかたまりの石の下
あたしたちはゆっくりと
水を
手放している
昨日より
今日
ことさらに
ひたむきに
あたしたちはゆっくりと
命というものを
凝縮させている
救急車が 走り回る
寝静まった街を 音もたてずに
誰かが 泣いている
悲しい出来事は もうないのよ と
地下街の換気口から ため息
焼かれた鶏の モツになった牛の
生暖かい ....
西の山に陽が近づいて
1日が終わろうとしていた
男は川面すれすれに延ばしていた竿をあげ
帰り支度を始めた
ゴカイを川に返し 椅子をたたむ
通りがかりの人が声を掛ける
「連れましたかね」
....
とりどりの人がいる
顔、瞳、髪の色はもちろん
おそらくは心の中や
境遇までも
透明の涙が私を取り巻く重いものを流してくれる日もある
透明の涙が
さらに粘度を増して醜いゼリイになって ....
詩学園は人工惑星にあった
右手に夜で
左手に光があった
脳と繋がれず魂のみで生きていた
詩学園に属していた僕たちは仲良しの友だった
詩薀蓄の授業は必須科目だったから仕方のない潰し時間 ....
賽の河原にて
幼児の地獄 賽の河原で鬼がぼやく
この頃河原に来る幼児の数が減って
たまに来ても 石積み遊びを知らない
石投げばかりしていて危なくて近寄られせん
ケルンつくってみせ ....
卵と牛乳
砂糖を入れて
シュコシュコかきまぜ
食パン浸す
フライパンにマーガリンを溶かし
焼いたらシンプル出来上がり
小さな頃に初めた食べた
異国の香りは
本物ではないけれど
う ....
リンゴを木の枝にうまく乗せることができない
その人は寒空に部屋着のまま 油断したのだ
やっと乗せ終えたところを見計らって挨拶すれば
かじかんだ「コンニチワ」と鼻水少々 そそくさと家の ....
光がどんなに早くたって
地球を廻ることはありません
もし一秒に7回半も地球を廻ったら
ぼくの陰はずーっと伸びて
延びて のびて
ぼくに後ろから覆い被さり
また延びて 延びて のびて
....
バースディケーキの上は綺麗に飾られた素敵な世界。いつもはジミィな醤油色に彩られたばあちゃんの食卓が、がぜん夢見がちな乙女色になるから不思議。白いくりいむからは甘い香りがしてきて、苺はまるでお姫様みたい ....
詩作をするときのお供、今回は音です。
詩作のお供にBGMを流す方もいらっしゃると思います。
わたしはというとダメです。聴いてしまって集中できません。
そこで今回ご紹介するのは「Noisl ....
オイラおっさん猫2003年生まれだからおっさん猫
同年にあかねちゃんに拾われたから毛食住セレブ猫
時が流れておっさん猫 でもかわいい健在の猫パン チ
最近は赤ちゃんがオイラを ....
猫砂に埋もれた二人の思い出は
一部は綺麗に乾涸らびて
形だけくっきりと存在している
一部は砂がかけられずに
異臭を発して、未だ砂の上の鎮座する。
軋む心と身体を引き摺って
ほん ....
めざめは はるかとおく
めざましは なりやまない
汽水域からの 電話の呼び鈴が
あんなに激しく鳴っているというのに
あらたな就職口からの
電話だというのに
めざま ....
私が不治といわれる病気になった時
学校のことや
子供会のことなんか
代わって引き受けてくれたママ友に
「いろいろごめんね」と謝ったら
事情を知っている彼女は言った
「そんなこと、気にし ....
ポケットは好きだ。
もし、この世界からポケットがなくなったら、ぼくはきっと、お猿さんになっちゃうだろう。いちばん好きなポケットはダウンジャケットなんかについてる、ハンドウォームポケットっていうや ....
わたしを見て
瞳に映るわたしだけがわたし
わたしがわたしでいるために、わたしを見て
大陸を渡り海を越え
渦を巻き
街を空を
夜を冷気をかき混ぜる
降り落ちた闇を雪をまき上げ
小枝を折り幹をしならせ
あらん限りの嘆きを呪いを
憎しみを籠め
声を震わせ
吠える
呻る
....
『お母さん、最初から一緒に寝てほしいの』
『あのね、お母さんは忙しいの。
後で行くから、最初は一人で寝ないとね』
今夜も娘は
テディベアを抱きしめて寝ている
その規則正しい寝息を確認し ....
己の罪の数だけ
要らぬ蕾をつけるがために
言葉と孤独を闇に吐きつつ
切ない光合成を繰り広げる
届かぬ時空に
半端な想いを投げ上げて
何もつかみ取れない握力を
夜毎くどくどしく恨み ....
日本にはね
本当の荒れ地も 砂漠もないんだよ
確かに
火山の荒れたガレ場や 海浜の砂丘は
あるけれど
それは 緑豊かな大地のツマ
それがあって
それも含めて
大地は一層美しくなる
....
*与ひょう(仮)
あなたのいのちの陰影を
はきだめから拾い集めた
{ルビ文字=もんじ}の墨と二枚の舌で
なぞりたいのです
顏の砕けたおつうさん
どうか一編の愚行と
淡雪のよう ....
歩き始めたのは いつだったろう
曲がり角 いくつこえただろう
何気なく 左に 曲がってしまって
迷い犬よりも 途方に暮れてた
別れ道で あることさえ
気がつかず 通り過ぎてた
いくつも ....
人には全裸になっても
見えない部分があります
隠しているわけではありません
母は江戸と背中を見て死にたい
と言っていました
その頃
江戸はもうありませんでしたけれど
背 ....
細々と清らかな
自我を削ぎ落したような声の集合
僕らはみんな生きている
生きているから歌うんだ・・
なにかもっと
違う歌を歌えばいいのに
コミュニティセンターの廊下に
西日はさし ....
夜な夜な隣の家から
変な呪文と甘ったるい匂い
お化け屋敷に住むのは
お婆ちゃんに化けた女の子
大鍋に入れるのは
吸血鬼の冷蔵庫から盗んだ
ラズベリージュースと
人魚と取り ....
セロリくん
臭いから苦手だっていう人
あんがい多いんじゃないかな
触感はシャリとして蕗みたい
いたって淡泊な味なのに
強烈な野菜臭で
やたらと自己主張している
漢方薬みたいなあの ....
数え切れない
手に負えないくらいの
幾千枚の白いはなびらが
ほとんどいっせいに
枝という枝を離れて
舞い踊る
まるで蝶のように
儚げであるのだけれど
或る意志を持って ....
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