木枯らし( 男の子の言い分 )
いつもの通学路
冷たい木枯らし ふたりの頬を打つ
僕の指先 ポケットで凍えてる
触れようとのばした 僕の掌を
君が冷たく払いのけたから
ポケ ....
明日を待っています
ターンテーブルの上で踊りながら
明日を待っています
レコードの傷は今日を繰り返すけれど
明日を待っています
ダイヤモンドの針を質屋に入れて
明日を待っていま ....
糸が切れた首飾り
はずむ毬のように真珠たちが転がっていく
この道のむこうに海があることをおまえは何故知っている
宝くじ売り場の横が男の仮住まい
ジングルベルを枕に凍えて眠る
....
葱のねっこを捨てずに水に挿しておく
数日のちにその断面からあおい芽が現われて
明日にむかって伸びていく
これは生きている{ルビ証=あかし}
多くのものは要らないという
水と
空気と ....
僕はだれにもあいたくはなかった
きみいがいのだれにも
僕にはうたさえなかった
でもちんもくにもたえきれずに
ことばをさがしていた
絶望なんてぜいたくななやみだった
くうきょよりはま ....
※遊び方.1
あなたが今日見る野球の試合で、あなたの応援するチームがひとつアウトを取るごとに、下の短歌から無作為に一首選び、声に出して読んでください。
雨天コールドなどによって短歌があまってしまっ ....
できるなら
現場(そこ)でも祝福の気持ちでいたかった
たとえば
生涯一度の自分の家なら
これに関わるすべての人に
笑顔で労してほしいじゃないか
+ + +
行きの渋滞を避 ....
雪の丘に
さびしさの吐息が あまりに
白いから
夜空の星を 一つだけ
拝借いたしました
忘却というそれを 手にすれば、
私の ちいさな家には、
いれものが みつからないの ....
明けきらぬ朝
まだ薄暗い空に
ブーメランのような白い月が落ちている
あれは誰が投げたのであろうか
キミに投げた言葉は
めぐりめぐって
自分に帰ってくる
受け止めて ボクは自分という存 ....
火のない部屋のなかに
あなたをさがしている
茶色く終わった時間がころがっている
あの日
海には
六羽の白いからすが
まるく座っていたそうだ
傷口は凍るので
わたしたちはまだ ....
遊女
太夫という名のあるいは
花魁という名の華があった
ほぼ大名や貴族あるいは富商といった上層の遊びであったらしい
歴史的考証は別にして
要するにスナックのねーちゃんだと思ってい ....
体臭は毛布のようだ
男臭い布団はそれだけで暖かい
男にとっては逆だろう
遠い子宮の記憶を辿り
疲れた胎児は体を丸めて
全てを忘れて眠るのだろうか
女の体の匂いの中で
私には子宮より
....
今が 日付を一歩跨いだのか
時が 向かい風のようなのか
昨夜から
今朝へ
光が溢れ
新雪積もって白紙に戻り
一文字人文字人間が
寒い眠いと起き出して
....
大通りを一本奥へはいった
ラーメン屋の先の三叉路の角っこに
その八百屋はあるんだ
狭い軒先に段ボールが並べられ
曲がったキュウリや
太さも大きさもまち ....
あっちゃむいて、ほい! あっちゃむいて、ほい!
たまには向きおうてもええんちゃうん?
こっちゃむいて、ほい!
暇だし、日曜だし、外出するのも億劫なので、趣味について書いてみようかと思う。
゛お前の趣味なんて、誰が知りたがるんだ? ゛と思ったそこのあなた。侮ってはいけない。僕にだって興味を持ってくれる第三 ....
ひとつ ひとつの
哀しみと
ひとつ ひとつの
喜びを
透明の結晶にして
華のように
星のように
この躯に降り注げ
言葉にならないコトバを
小さく折り畳んで
胸の ....
寒風ふきつける新年のころ
子どもは白いカイトをあげた。
冷たくはしる急斜へつよく
糸はするどく牽引する
指はきつく締めつけられ
羽根は烈風に呑まれ舞い散る。
こめかみを撃つ固い痛みが
....
人気の無い埠頭から望んだ街はただ灯ばかりが無機の光を放ち
まるで人間の営みとは無関係な顔をしているみたいで
かすかな海の匂いを抱いてそれでもふと
人を遠い空間にいざなって行く
僕に ....
手のひらを
空が ざわざわしている
手袋の上に舞い降りて
うっ、雪達は しまった まずいと むずむず
気が付いた
この肌に触れれば 飛べない水滴
水っぽい冷汗ならいいのですが
....
空から落ちてくるものたちで
世界が成り立つとしたならば
わたしたちはみな一部なのだ
遠い昔
かたわれを探し歩いた
海に続くこの道に
冷たい魂が落ちてくる
やっと逢えたと思ったら
....
天然酵母は妊婦ですか?
いいえ、それは「頑張り」です。
皆勤賞はトマホークですか?
はい、元気です
首の皮つなげたまま前回り、空が反転した時僕は
まだ生きていることを確認し、懇切丁寧 ....
前略 神社の境内のながい石畳の階段を歩いて きずきました
わたくし カドウ域フェチなのでございます
鳥はイキモノの可動域を知らせてくれる
「愛(う)い奴 もちと 近こうよれ」と おもうほ ....
己が一番美しい時に
化粧を覚えた少女は
素の顔を誰にも見せぬまま
女となり
老女となり
やがて
横たわる冷たい屍となる
その顔に
再び恭しく施される
化の粧
唇に置かれた紅 ....
ほら、風だよ
君のやわらかなほっぺをなでていったのは
みえないものは優しい友達
ほら、風だよ
みえないものは みえなくていい
みえないものは みえないからいい
ほら、風だよ
いつ ....
蛇がとぐろを解き始める まっすぐ進む為に
山々は賢者の年月を重ね 黒髪の若さを絶つ
純白の息を積もらせる この冬
爪垢の取れない曇り空 目に入る雪の棘
名残の竜は最後まで ....
イルミネーションに着飾った
賑やかな街をぬけて
ヒンヤリ静まり返った冬夜の住宅街を
君と僕は二人きり
ふざけあいながら歩いてる
頬に突き刺す冷たい風に視界の街灯が滲むけど
僕の ....
私は道についてよく考える
別にどうってこともないような
つまらないことをいろいろと……
フェリーニの「道」という映画を
レンタルビデオで観たことがある
ジェルソミーナという 頭は弱い ....
まどのこちらで膨らむレース
とぎれなく ひたながく
ひかりでいっぱいにささくれた
哲い うすみどりの風がおしいるのは
それは祝福ですわと
すずめたちがけたたましく喉をまっすぐにする
色とり ....
繋がりなんて無いと思っていた
見えないものは信じないと
決め込んでいた
飛び交うのは
想像したくないものだと
決め込んでいた
見えないものは
ふれあえないものだと
勝手に案じて ....
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