膝を抱えて
太陽が昇るのを
見ている
手もふれない
恋の終わりと
今日これからに
絶望しながら
地球の裏側では
真っ暗な中
少女が泣いてるんだろう
今は泣けない
わたしの代わりに
ころがる
しずかな すいへいせんの上
あさ
お茶をわかしながら
てのひらで
背骨をなぞった
恐竜のように
そらへとつづく梯子の ように
あなたが
つづいている ....
詩のなかでは
ほんとうのことを言おう
どうしていつも
口を出ることばは
わたしをうらぎるのだろう
わたしからとおざかるのだろう
つたえようとするきもちから
どんどんどんどん
つ ....
(ベートーヴェン
最後の弦楽四重奏曲、第十六番
三楽章によせて)
土にもどったといったところで
だれも
これがあのやわらかな若葉だったと
気づくものはいない
虫の寝床となりな ....
打ちのめす
あなたの言葉聴いている
知らん顔して
咲いてる白梅
心の底の声を
君は聞こえるかい?
手を伸ばせば
助けてくれる。
世の中はまだまだ
捨てたもんじゃない
生きる事を大切に
人に心を与える楽しさ
優しさを取ったら
何も残らない
....
8月の太陽さえ迎え撃つ照明弾が脳を真っ白に染めていき成り行きを見守っていたオーロラがその輝きを潜めても
butという接続詞がとても嫌いでBecauseの後にクリアな透明が取り戻せ ....
ムーミンといわれれば
確かにそうだけど
クロネコが
座ってるようにも
見えない?
あなたは笑って
あたたかいうちに
召し上がれ、と
砂糖を差し出した
では
頂きます
形
壊れないように
そっと ....
ひかりがひかりに逢えるように
そうであったうたに戻れるように
ひかりがひかりになれるように
そのままの水を飲めるように
足にからまるまだらな音
消しても消しても残 ....
あまい
だけ、じゃない
ビターなきもち
とどけ、とどけ!
いい?
てれくさい、から
いちどしか、いわんよ?
『いつもありがと』
わたしから
滴ったものの
壜詰めです
寝かせて
おいしくなります
壜の鈍色ラベルは
モザイクで見えないと
あなたはいった
あなたから
....
月が落ちた。
空が白み、日が覗く。
夜は静かに走り去り、
朝が明朗に声を上げる。
人々はその下で瞼を持ち上げ、
安らかな夢の腕から起き上がった。
一日の始まり。
暖かな色した
おれんじ
深い色した
こん
空は何時でも
こころと
りんくしてる
くり返す波に
届かずじまいの手を思うとき
ようやくかぜを
聞いた気がした
この世にひとつの
具象のような
二本のあしで
すれ違えるものを
まちがえながら
ここにいる
....
中国の森の
奥深く
誰も見た事の
ない、動物がいた。
空を飛び
川を泳ぎ
馬のように走り
変幻自在だった。
サルノコシカケを
食べていた
それでも幸せだった。
四千年生き ....
あなたは
そんなもの
ないって笑ったけど
ほら
あったでしょ
なないろのばら
悲しみのいろ
憎しみのいろ
そんないろしか
思いつかない
自分がきらい
そう言ったら
ほら
これは
喜びのいろ
....
虫のいどころでも悪いのか
いつまでも押し黙ったままで
あなたはテレビの画面を眺めるでもなく
そっと箸を置く
テレビのなかには
つまらないギャグに笑い転げる顔があり
テレビのそとには
....
笑っている
見下ろされて恥ずかしくなる
毎日は
知らないところで進んでいた
取り残されたような寂しさが
独りぼっちみたいで悲しかった
あの、
昼間に薄く青くなる
広大な陰 ....
空をさす小枝のような
父の指に
赤とんぼがとまる
お父さん
声をかけると
赤とんぼを残して
父は飛んでいってしまった
驚かせるつもりなんてなかった
いい年をして、と
笑われるか ....
写真にない記憶の中で
四つ葉のクローバーというものを
探し当てた
四つという概念に覚えがあり
クローバーというものをすでに知っていた
だからこれが
初めての記憶ではなかったのだろうが
初 ....
コンビニで子供たちが
小島よしおの話をしていた
小島よしおが好きだと
言いあって外に出ていった
それがなんともかわいらしかった
べつになんにも変わりやしない
一 ....
たとえば
履き潰し
捨てるつもりだったスニーカーを
いまだに車へ立てかけている
何度も体温を通わせた
足に馴染みきった身体を
物を
肉体を
引きずって
これは道具なんだと
....
今日は
とても暑い
夜風に
吹かれて
風鈴が鳴る
「チリーン チリーン」
家の窓に
つけている
風鈴は
風にあおられて
くるくる
回っていた
夏も
....
話す声が小さくなっていく、朝
きみは一冊の
ノートになった
軽くなった身体をめくって
話の続きを書く
これからは大切なことも
大切、とは少し違うことも
こうしなければきみに届か ....
そろそろかなと思い始める十月の終わり
会社が休みの日には 生家の林檎畑へ行く
林檎の収穫は九月から始まっているが
十一月にもなれば 雪が降り始めるので
積もって身動きがとれなくなる ....
きっといつか小さなアパートの二階のベランダから
この世で最も醜い青と橙の冷たいグラデーションを眺めながら
冷え切った珈琲を流し込んで
ゆっくりとベッドに沈む
とても美しいその一連の仕草 ....
さて詩を書こうといきごんだ。
でも、
すぐに、
ボクはとってもかしこいから、
詩を書こうは
いかんなと思った。
ボクはそいですぐ、
これまたやはりボクらしく、
書こ ....
悲しいと誰にも言えずにトイレの中 ひとりトイレットペーパーを千切る
ゼロでいいむしろマイナスでもいいよ 大凶の可能性何パーセント?
後れ毛を引っ張り君をつかまえて触れるうなじの柔ら ....
あなたを失いましょうか?
この失敗したサバの煮付けと一緒に
ポリ袋にまとめてしまいたいの
隣の芝生は青く見えるのでしょう?
あたしにも見えるんです
あたしも雌ですから
どうか忘 ....
もう少しだからと笑って嘘をつく僕を泣かせられるのは君だけだ
窓から見えてるあの水色は何という名前ですかって君が尋ねた
「窓ガラス割って飛び出してしまえたら」ここからじゃカーテンすら開けない
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