ひざまずく麓に
たけし
暗闇迫り
バタフライ飛び回る
紫と黄の鱗粉を撒き散らし
なんて美しいのだろう
どうして誰も気付かないのだろう
誰も居ないからだ
衣を剥がされ
さ迷う誰も
喧騒の街と悲鳴の肉
の裂け目に
深い深い淵
横たわる
響響響
私が私を失っていく時ですら、
遠い世界の骨格は潮騒響かせ律動し
鉄のシの必然を貫く
無数の声を呑み込みながら
この世界をいずれ光で充たすために
自由詩
ひざまずく麓に
Copyright
たけし
2015-07-26 19:29:37