真夜中に子供は眼を覚ます、
覚醒する、息を止める
父親も母親も
今日はもう眠りについていた
いつもはもっと遅くまで
呼吸を荒らげているというのに
しん、と耳の中でなにかが残るような気が ....
{引用=月夜の{ルビ泡沫=うたかた}
ひらいた辞書に
針をおとす}
夜の端を
そっとめくると
月は
その裏側で
輪郭をにじませる
言の葉は
月影を背負い
蝉時雨の風と
果 ....
(1)
掛け声と干物の臭いに押し流されるようにして
昼下がりの賑やかさに身を委ねてみる
所狭しと商品の並んだ店先を覗けば
一見かと値踏みする手練の客あしらいに
思わず半歩後ろへ下がりつつ ....
音が耳に飛び込んできた
窓を開けただけですぐ
世界の動きがわかる
工事してビルを造る
飛行機の飛ぶ
車の徐行して走る
子供たちの笑う
烏の飛ぶ
自転車の走る
人々の話す
犬の吠 ....
暇つぶしに読んでいた夫の漫画本に
ヒミツが挟まっていた
それはちょうど主人公が
携帯電話のメールを確認している場面で
お札と同じくらいの紙切れだった
(本当のお札だったら良かったのにな)
....
風に吹かれ髪がひるがえる
ただ、風を受け入れる
きらめく波頭が目を奪う
ただ、光を受け入れる
潮騒と木々のざわめきが耳に届く
ただ、音を受け入れる
僕はいまここにいる
ただ、 ....
俺はビールにしろ冷えたのが好きで
居酒屋などで冷えてないビールが出てると若干静かに腹が立つ
うちでは冷凍庫にコップを冷やしているので
うちよりぬるいビールや冷酒に金を払うと思うといろいろなものを ....
特急の追い越しのため
列車の停車中に
駅の端では若い女の車掌が
さりげなくにこやかに
初老の車掌と交代していた
ちょうど明日を
告げようとする頃に
常夜灯の近くを飛び回る
一匹のコガネ ....
あれから2週間が経ったっていうのに
なぜいまも頭が膨れ上がってるのか
理由は自分でもわかっていて
そのうちのひとつは、トーキョー 打ち上げの席でもと子さんが話してた電車話が
私の旅路にふりかか ....
{引用=
オーデュボンの目が映した、まるで日食のように昼間を暗くするリョコウバトのその大群にも、最後の一羽にも、わたしはもう二度と会えない。
会えない。
減少する熱帯雨林の隅のほうで誰の記憶 ....
もうだいぶ短くなった青鉛筆を
今日も必死に削っている
先を細く細く尖らせなければ
気がすまないんだ
そのくせ
極度の尖端恐怖症なものだから
どれほど尖っているのか
目で見て確かめることも ....
1.
すき
きらい
どちらでもない
ひとひらの
花びらを海辺にすてに行く
指先が君を呼びかけていて、長袖を捲ることが
できない
もう知ってるんだ
この先で
海辺の声 ....
何をおもい
何をみつめ
紅が
雲をとらえ
空が
紅を受け入れた
同化していく地上に
根を張り
弱ささえ伺えるような一輪
それなのに深い桃色は
紅に包まれてもなお
奪われることなく凛と成し
魅了して ....
青空 曇り空
茜空 夜空‥
コロコロ変わる
止まらない
コロコロ変わる
留まれない
どの顔も
みんなどこかへ
行っちゃうんだ
ずっとココに居る緑色の僕にはよくわか ....
ひどく繊細なうすばかげろうがフェラーリの排気ガスを消化していく。そのうすばかげろうを砂場の幼女が記憶に残し胎児の記憶を曖昧にしていく。養殖され、養殖されていく幼女、どさりと汚い音は、スリーピースの黒い ....
運命
なんていらないけれど
無感動の先に君が現れるなら
僕は何度でも君に会う
からっぽになるたびに君が現れるから
僕は何度でもすべてをなくす
愛してる
....
{画像=080726153050.jpg}
手帳をいっぱい持っている。
このリングノートも扉のところに3つの住所が書いてある。
入っているカバン毎に、
引き出しから入れた雑多な順番に出て来るメ ....
微かな音だけになって
宇宙に放り込まれたみたいに
地上の星屑が
夜を点滅させる
(七色の輝きの物語りを
伺うことはない)
ただ
静かに
....
その夜
確率論だとか
誰それがとても悲しむとか
そういうくだらない
なんでもない
ことでしか
君を止められなかった
僕だったらそのまま
飛び降りていたと思うから
君は本当に情が深いね ....
終わりが始まりを招くの
君の傍らにいないことが
淋しくないと思えるようになったから
この場所からはもう何もはじまらない
死んだ空間に蹲る
君の歪んでいくさま
あたしの崩れていくさま
....
ひいやりと冷たいメロン空に浮き
悩ましい夜見つめるだけの
物思いシロップの海に漂うか
救ってみたい桃のかんづめ
ごめんねとパイナップルの輪切りして
白 ....
(1)
明日と言う日の訪れを恐れるときがある
気を紛らわすことさえままならず
早々に床についたとしても
考えるのは埒のあかないことばかりで
苦し紛れの寝返りを打てば
人の気も知らず目覚 ....
波の匂いがする。
まぼろしはわたしをさらうことはしない。
やさしさという風が、角のコンビニエンスストアに入っていった。思わず後を追う。ああ、ここにはいつも、誰かがいる。自動ドア ....
世界なんて
汚い
それ故に
美しいものが
見えるのです
青空に舞い散る飛沫きらきらとプールに飛び込む少年の夏
呼んでいる遠い記憶の夏の声駆けて行きたいいつかの森へ
朝顔の花が咲いたよきれいだな笑顔も満開夏の絵日記
水平線の彼方に浮かぶ蜃気 ....
{画像=080717222808.jpg}
ぼくは所在なく佇む
夜が好きだ
そんなとき
梅雨の終わりの
雨が降っているのもいい
屋根を打つ雨の音
軒を伝う流れの音
樋を落ちる水の音 ....
吹き抜ける風のなか
あなたの声がする
もう、どうしてもつかまらない過去のなか
あなたの笑いさざめく声
いつしか、あの高みにまで飛べるまで
待っていてくれた、あのなつかしい声
時がながれ ....
時計は過ぎる
歩き回れば
何度描いた未来から遠ざかるだろう
動画サイト
SNS
音楽携帯
blog
ネットサーファー、予測しなかった未来
紙とペンからキーボード
Word E ....
部長は激怒した
書類の誤植が見つかったからだ
大森専務が大林専務になっていた
すぐに部長は平社員の小林を叱りつけた
小林は木を一本加えて
森にして書類を作り直した
誤植を直すためには
....
080722
森君が笑うので
今日はよい天気です
森君は歯が綺麗で
笑顔が可愛いので
クラスの人気者です
森君は苦しくても辛くても
....
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