上へ
上へと伸びてゆくもの
下へ
下へと伸びてゆきたがるもの
いのちを生み出すために
細い指たちは
指切りを繰り返し
相反するからくりを育む
そのなかほどの混沌で
わたしは
ひ ....
各駅停車で、春に向かう
このあたりは 四十年前より 毒々しい
昔はこの辺りのことを 武蔵といった
私は相変わらず 色白だ
恋人の八雲が人間の女にネコババされるのでの時間を ....
賽の目に
切りながら
豆腐一丁ぶんの
愛がほしいと
てのひらで
哀しみが
揺れる夜
....
たまには自分の信仰について書いてみる
そいつはキャッチボールみたいなもの
この友はいつだって良い球を投げてくるのだ
「愛」とか「希望」とか「信仰」とかね
おれもそれなりに返すの ....
バックボーンに何かを持っている
ひとかけらの人たちも 持っている
感情は箱を開けなくとも 持っている
豊かの糧に勝ち手を誇る感情の教え
持っている ザックバラリ バレンの刀が届かない処 ....
静かな寝息を立てる
緑の大地の上を
少年の影が横切る
手元に押すのは 星の赤ん坊
草の上を 雪だるまのように転がして
地面から伝わってくるのは
全ての命が見ている夢 ....
ちいさな駅で見送った
あなたの笑顔は
まっすぐでした
こころ細さに折れそうな
わたしの代わりを
つとめるように
あなたの笑顔は
まっすぐでした
とおく、
遮断 ....
とても残念なことだけど
過去に戻れるタイム・マシンも
人生をやりなおすリセット・ボタンもない
ただ慰めにしかならないだろうけど
もしかしたら敗者復活戦はあるかもしれない
もしなかった ....
母さん
ぼくは思いだしました
まだ若いあなたの
細くも強いその手にひかれて夏
緑に燃える蜜柑葉をくぐりどこまでも道はつづいていました
おばあちゃんのお家までねと
暑くて永い昼下がり
眩暈 ....
海にも道があるよ
みえないだけで
空にも道があるよ
しらないだけで
そこを渡っていく者がいたよ
こちらと
むこうをつなぐ
透きとおった
{ルビ間=あわい}、で
託児所に息子を迎えに行くと新しく来たと思われるこどもにジロジロと見つめられた。
ぼくが肌の色のちがうアフリカ人だからだ。
コンビニの明かりに照らされたりしながらぼくは息子と家路をたどる。
....
「きみ」 乱太郎
どこかで会っているよね
そんな問いかけをしたくなった
きみの黒い瞳
いつだったか呼んでくれたよね
そんな昔話しを思い出したくなった
きみの褐色の肌 ....
忘られぬ窓辺できみは啜り泣く ポインセチアは赤よりも赤
粉雪が遠くの街の灯を消して夜はゆっくり来る二十二時
「踊ろう」と処女雪踏めば燃える足/素敵なものは踏みにじるのだ
真夜中に音も ....
資本論を乗り越えて
僕らは何処へゆこうとしているのだろう
勿論資本主義の終末では無いはずだ
文学は世の仕組みを超えて生き続ける
音楽もしかりだろう
もうプロレタリアートと ....
あまいあまいバレンタイン・キッス♪
夢みてるんだろな、少年よ
やっぱ、ビター・チョコに決定!
星が輝く夜空
私には
闇を切り取ったキャンパスに
砂を散りばめているように見える
世界に輝く星のほとんどは
ほんとうに
誰も知らない名無しばかり
彼らはただ静かに今日も
誰かに見つ ....
{引用=
つめで
つめを切った
むしり取るように千切った
千切られたつめは
たちまち丸まって
干からびて
ちいさく萎びて不要なものになった
――そのようにして ....
感傷を嫌う人々がいる。
感傷を蔑む人々がいる。
僕も時に、そんな彼らの1人に加わる。
感傷とは重力のようなものだ(また、お得意? の比喩から始めて恐縮ではありますが)。そこから跳躍し ....
砂の上を歩く
右手には 打ち寄せる波
後ろから 追いかけてくる太陽
大きな神様が
水平線に腰を下ろし
風と光を使って 何かを洗っている
穏やかな水音
....
うつくしいと
つぶやく声が
聞けるのであれば
この身を
一輪の花に変えよう
うつくしいと
やさしいまで ....
F1のアイルトン・セナが大好きだった。
どんくさくてもスピードに憧れた。
漫画のバリバリ伝説がすきだった。
僕は何であるのか尾崎豊と共に走り始める自分は何なのだろうか
15の夜 ....
指で叩くハードカバー 読み取る前に 期待の魔法を叩く
ページの隅の粘着を 時が来れば開かれる
鍵穴を探すだけでは 唯物を硬くするだけ
柔く優しく唯一の心を降らす 魔法は使えるだけ使う
....
130209
故旧忘れざるべからず
否定の連続の警告を無視する
微小粒子状物質の危険性に気付いた
利口な猿は笊の目をすり抜けてしまうから
もっと細かく編まねば ....
美しい出鱈目より 醜い真実の方が まだマシかもな
首を切断された猫の骸が
もう何匹も発見されている
ニンゲンの仕業
ニンゲンから産まれて
ニンゲンとして生きている
ニンゲンの仕業
猫よ
ネコゴロシに捕まるな
ニンゲンのネコ ....
風に研がれた街の
痛い輪郭の端を
ポケットに手をつっこみながら
そそくさと歩く
研ぎ澄まされない
目と指先と頭は
言葉を紡ぐこともできずに
ただアイツを
待ち焦がれている
....
私は言葉を知らない
豊富な知識も 深い洞察力もない
柔らかな感性も持ってはいない
比喩や隠喩も使いこなせないし
哲学的なことはチンプンカン
コメント書いてもトンチンカン
こんな私に ....
螺旋階段 転がりながら
あなたの影を追っていく
底なしの不安に 脚がすくむ
独り占め出来ない男は
わたしの心を蝕んでいく
あなたが優しいから
いっそう 悔しくて憎らしい
....
日が長く レンズに艶が昇り そのように見える オレンジのマント
その海を揺らす 人間業のようにも見える オレンジのマント
王子様ですか 顎の筋肉の坂道に 憧れを乞う
そのマントは感じるに ....
銀色の矢が空から墜ちて来るそんな夜
僕は系統樹のほとりに佇んで生命の音を聴いていた
風がちいさく闇を巻き込んで通り過ぎていった
ときはすでに多くを語らず寄り添っているような気がした
....
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