{ルビ円=まる}く
操作場に日が満ちて
白く
陰影を見開きに
分けないので
水が貯まっていくように
温度は上がっていく
畳のめが潤みはじめ
いま
から
あのとき ....
卒業を間近に控えた僕らは
夜の学校に忍び込んだ
校庭のフェンスを飛び越えて
誰もいないグラウンドを走り回った
大人と子どもの隔たりは
いつの間にか消えてしまった
僕は助走が ....
曇天のもとをあるく春
ふつふつと田のあぜにふきのとう
椿咲くかげで地蔵がてをあわせ
西の国の王様は嘆いた。
彼の一番に大切にしていた海より青く世界一珍しい、
自慢の鸚鵡が逃げ出したのである。
王様は独身だった。彼は早くに両親を亡くした。
彼は悲しさをわかりたくないと、その鸚 ....
ブーツの中の夜がゆっくりと足音をたて、落ちた
爪先の薬指があるべき方向を差し示し、
質量を伴って引き寄せられる 闇の中へ
あるべき姿を見失った自身の影は、
どのようなラインを描くべきなのか ....
全身を駆け巡るこの得体の知れない衝動は何だ?
体が熱い
道路がビル群が無数の車の黄のヘッドライトと赤のバックライトの光の大河が視界に飛び込み映像が停止し幾つものトライアングルになって飛び散っ ....
嗚呼
やっぱりアタシは愛されてなかったのね
と
溜め息深い午前2時
そんなことはない
そんなことは分かっている
でも今は
孤独を感じたい
無理矢理感じたい
どうしようもない寂しさ ....
「悲しい」と女が言うので
僕が代わりにに泣いてやった
「故郷へ帰りたい」と女が言うので
僕が一人で女の実家を訪ねてやった
「子供を産みたい」と女が言うので
僕が代わりに産んでやった
....
{引用=手紙のかわりに
咲かせたバラが
空にとけてゆく
そんな奇跡みたいな
きょうという日に
影のような
おまえ
人のあきらめのような
おまえは
いつも
泉からみずをくんできて
....
ふれたいの
手も髪も、声も視線も
くちびるも、指も肩も
全部、
ホントはね、
ふれたいの
なれてないから、
....
桜色の腫瘍が
オー・ダーリン
僕の思ひは
揺らがぬ思ひは
混濁せるため息は
とめどなき摩擦は
極彩色の精液は
悲花蒼滝悪霊ラヴレタア朧 ....
桜の花が散り始め
新たな春の姿見え
時の移りに風が舞い
生まれる夢も空に浮く
梢の先が萌え始め
出てくる春の命見え
時の香りに風が飛び
羽ばたく夢も空をゆく
緑と白のこの色は
....
桜はまだ蕾を閉じたまま
残雪があちこちに
でも
あなたの詩が届く
あなたの笑顔が見える
ここは
もう春満開
潮の闇
せまり来る
夜の底は
白く輝く
繭があるから
微笑みの絶えない
静かな 沈んだ 夜
離脱した 魂は
深海に 浮遊して
消えては 灯り
微笑みは 光
沈 ....
明 日 手 放 す 夜 空 に
日 々 を そ っ と 焼 く
手 を 伝 う と 失 く し
放 そ う と 思 う 望 み
す っ と 思 う 平 遠 の
夜 と 失 う 平 和 写 ....
ハロー、ハロー、聞こえますか?
ここは地球です
あなたの星から地球は見えますか?
いつかみたいにまだ青い星ですか?
ハロー、ハロー、聞こえますか?
ここは地球だと ....
川面に浮かべた林檎を手にすくい
また沈めながら
「きれいだ」
「きれいだ」
それだけを呟いて
繰り返し林檎を見つめるあなたは
この月の光と照らし出された波を
どう眺める ....
ぼくの作り話
きみは泣きながら
うん、うん、って頷くから
なんだか可愛くて
宝物のオルゴールをあげた
十年前に流行った
あの名曲が
今を迷いながら流れているのを
ぼくら ふたり
....
「夏の夜空を真っ赤に染める、空襲のような花火の轟音に、怯えるフリをして、
二時間目になると学校を早退して、ひとりで戦争に行ったアノ娘の白いうでにしがみつきたい... 」
深夜、テレビを ....
わたしはうさぎになって
寂しさを抱いて、眠った
よく晴れた朝を迎えて
腫れぼったい瞼に苦笑いを零す
鏡に映る姿は
うさぎというより
醜い何かで
涙が眼球を傷つけていく
ことん、と音がし ....
プラットフォームのうえで
学生が夕焼けにさよならしてる
桜色の空の真ん中では
ぐるぐるトンビが廻ってる
ぼくは君がくれた
読みかけの詩集を閉じて
琵琶湖と比 ....
カラスは春の雨に打たれて
やがて自分に襲いかかる
恐怖を感じとったのだろうか
カラスの体は白くなっていった
ずっと遠い空を見つめたまま
ほとんど動かない
自分の体の色が変わっていくのを
....
いろんなモノ
たくさん
みつけて
きたけれど
ほんのちょっとの
ホントだけ
見つけられたら
それだけで
いいよね
夫に邪険な扱いをうけた。
いや別に殴られたり蹴られたりしたわけではないのだが、
妻に対してその態度はちょっとあれなんでは、という程度の邪険さ。
だからたいしたことではないのだが、
この間カウン ....
子供達は
頭の大きさほどのばくだんを抱え
海辺にたどりつくと
次々とそれを投げ込んだ
ことごとく不発のそれは
波に飲まれ
海はあざ笑った
次はよく破裂するものを持っておいで
....
夜空に見える、という
星座ってやつが
点在する星をつないで
こころでみる絵画だった
とは、しらなかったころ
僕は君の名前を
まだしらなかった
君の名前を
まだしらなかったころ 僕は ....
メガネをはずした
わたしの素顔
おとこのひとにはじめて見せた
胸ボタンの間にネクタイを押し込め
腕まくりした。あなたは
同僚を叱咤激励して
そんな。あなたに恋焦がれていた
それで ....
その鳥はとても小さく弱かった
食べ物を見つけても
すぐに他の動物に横取りされたり
時にはその鳥自身が食べられてしまったり
することもあった
その鳥にとってこの世界のどこかを
支配するどころ ....
お金が無いなら支援を受けよう
パトロンに見放されたなら、娼婦をやろう
合理的にお金を儲けよう
私にはやらなくてはならないことがある
時間と塒と休息が必要
我慢できることは ....
ここにはポイントを入れたり、コメントすることができる機能がついてます。
ポイントを気にして投稿しているワケでは無いけれど
やっぱりポイントを貰うと嬉しかったりして、
次の詩も頑張ってみようかな^ ....
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