雨の夕暮れ
うそはまばたき
影の下
ぼくはうそつき
路面をみてごらんよ
路面を
路面を見てごらんよ
路面を
神頼み
なみだはかがやき
空の下
ぼくはうぬぶれ
....
遠く 台所 で唸る 冷蔵庫のテノールに
ありもしない 旋律 を
重ねて
暗闇で辿る 糸 の ような
不確かさ で
その先を
手繰り寄せるんだ
....
笑っちゃうよな
愛してるなんて
空飛ぶよ
君のため
ドロヌマさ
カメさん
あきれちゃうよな
こんなに好きなのに
君離れてく
遠くまで
チョット
ウサギさん
やめたくなる ....
歩いた
俺は歩いた
俺はいつも一人ぼっちだ
だから歩いた
となりの町へ
隣の県へ
隣の国へ
海の向こうへ
どこへでも歩いた
知ってるやつなんていやしない
いろんなやつと出会 ....
あいつまた6を出した
あいつは5だ
うらやましそうな顔をして
みんなを見てる
どんどん先に進むみんな
どんどん取り残される僕
1だらけのさいころを振って ....
青色と赤紫色
重たい宙をかいて 混ざり合おうとする
あの思い出
あの肌の{ルビ音=ね}
手をつないで
たよりなく握り会って
こくこくと
室温の仕業の汗をかく
夜は常に進み
太陽は ....
黄色い、アジサイが咲いている。
黄色いアジサイは、
ホントは泣いているのだ。
土が汚くて、水が汚くて、と
泣いているのだ。
私はそれを哀れに思ったけれど、
あちらこちらに黄色いアジサイが咲 ....
ことばは暖かくて、
いかりは凍えるほどで、
胸を刺すいたみは 焦げてしまいそうで、
溶けてしまいそうな なまえ
溶かされてしまいそうだ おまえ
手を握れたら、どんな温度だ ....
レンゲに染まる
蓮華にソマル
池がゆっくり
蓮華に染まる
咲き乱れ
咲き誇り
私に何かを教えてくれる
綺麗だけじゃない世の中
それでも綺麗に咲くことが
どれだけ尊いかを
綺麗事で済 ....
見上げてみろよ
穹は鉛だ
のっ、ぺり とした 灰色!
今にも落ちてきそうだ
灰色! の穹に潰されるってのはどんな気分だ
灰色! の穹は重いのか 灰色! の穹は熱いのか
灰色! ....
自分が千年近く生き続けることになるなどと
知るよしもなかった少年時代の{注メトセラ=メトセラ(Methuselah)旧約聖書に登場する、九百六十九歳まで生きたという族長の名前。}は
酷く臆病 ....
彼女のささやきは
太古の空に置き忘れた 君の本当のイニシャルであったり
気づかれぬまま 君を愛した風の名であったりする
彼女のささやきは
瞼にそっと置かれたぬくもりであったり
愛撫がすく ....
さあ先着順でございます。
論理的に言えば、早くしないと失くなります。
せっかく理屈から昇華したばかりの
使い捨ての理念だってそうです。
やっとそれらしさを具現したばかりの
あの渇ききった文明 ....
あなたのところから お月さまが見えますか
お月さまと 木星と アンタレスで
一辺が5度ほどの 正三角形を つくっています
(ほんとうの once in a blue moon は、
....
雨雲に覆われた街を
切り取る車窓を眺めれば
まるで僕らは
ネガの中を走っているよう
降り出しそうで
{ルビ堪=こら}えるあの空には
あとどれだけの
時間があるのだろう
始まれば ....
きらいじゃないんだ、ほんとうは
ふたをあけてみればそう
まるでうそをついているみたい
ことばだけじゃ、いつだって
しんじることはできないから
かみなりさま、どうか
きげんをわるくしない ....
1
鮮やかな生に焦がれて
無意識のうちにこめかみに
魂の弾丸を撃ち放つ
立ち籠めていた紫の煙
視界の中に映るのは
生の匂いを放つ花
前世を占えば
俺は天使
2
....
部屋の中は蒸し暑い
狭いベランダに出て
物干し竿と手すりを利用し
布を張り
テーブルと椅子を出して
小さいおうちができました
レモンの鉢植え
ホウセンカ
ハナスベリヒユ
あと、分 ....
一人だけ何でも言える人がいる
ただそれだけが笑顔の理由
ひとりきり過ごす一日時長く
窓際近く微睡む陽射し
独り言呟きポツリ溢れ出し
止めど流るる滴と共に
....
カーテンが頬を撫で
柔い夢を
そっと与える頃
ワタシという私は
教室と意識の狭間で
青インクを
走らせている
緑を模した声音が
頭上を掠め、そして
空へと還ると
ワタシは私に ....
だれよりも
上手にできることは
よいことですか
きらびやかで烈しい舞
なめらかに、ひとつのまちがいもなく
うたうように、ひたすらのぼりつめてゆく
けして息ぬきなんて
できない
みん ....
植物園まで
はちの子を送っていく
バスは回ってこないから
自転車でまいあさ運んでやる
自由ぐらい自分で守れと
けさ見た夢の話をしながら
ペダルをこいで坂道を登る
はっぱの裏に書いてあるこ ....
我が家に
最新型のテレビを入れてみた
だからといって
家族の会話が増えたわけではない
そもそも家族全員が
揃って家にいるときはない
増えたのは
番組録画の数だけだった
自分の付き合 ....
いもうとは
もうすっかり大人になって
今ではもう三人も子どもがいる
少女だったいもうとは
母になって
まるでロボットのように
家事をこなし続けている
リビングの隅の
古くさいカセッ ....
一匹の{ルビ蜻蛉=とんぼ}が
脚の間をすり抜けて
小さくさざ波立つ水田
暮れ翳り始めた空に
フラミンゴの色の雲
エミール=ガレの作品集を
撫でる指で繰っていた
男のこと
苗のき ....
早朝ニワトリと共に起きちゃって
洗顔、歯磨き、お化粧即効
一着しかないスーツに着替えて
let's go to office!
駅まで歩く曲がり角
もうお肌も曲がり角
もう人生も曲 ....
耳から
抹茶がこぼれてしまうという
朝になるとシーツは
たっぷり緑を含んでいて
洗うたびに
深みを増していくのだという
(この時期だけなんですの
と
さして困ったふうでもなく
さらさ ....
君がチョコの包み紙で折った鶴が
私の部屋にいて
羽を休めている
君に置いてきぼりにされて
これからどこに飛んでゆこうかと考えている
触れて離れて
覚醒の夜風は君を連れ去る
....
初夏の昼下がり
窓には涼しい風がふき
私はひとりまどろむ
夢の中で
私は、金、銀、宝石の衣装をつけ
夜の砂漠を駱駝に乗り旅している
夜の砂漠は、暑く ....
昔ね人はお月さまに住んでいたの
だけど色んな事があって
お月さまと喧嘩しちゃったの
人間はわがままだったから
もうお月さまなんて嫌い
無くなっちゃえって
魔法をかけちゃったの
お月さまは ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 633 634 635 636 637 638 639